不倫相手を訴えたい!不倫相手に「裁判を起こす」「訴訟する」発言は脅迫になる?
夫や妻に不倫をされて、
「不倫相手に裁判を起こして慰謝料を請求したい」
「訴訟してでも罰を与えたい」
とお考えではないですか?
慰謝料請求は、不倫をされた側の妻や夫の権利ですが、どのように請求したらいいかわからないという方も多いかと思います。
不倫相手が慰謝料の支払いに応じてくれず、裁判を起こしたいけれど逆にご自身の方が脅迫で訴えられないか、不安に感じている方もいらっしゃる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、不倫相手に裁判や訴訟を起こしてもご自身が脅迫で訴えられないように、注意すべき点などを解説します。
不倫相手に裁判を起こすと脅迫になる?脅迫罪とはどういう罪か
「脅迫罪」という罪がどういうものかご存知ですか? 脅迫罪は、刑法という法律に規定された犯罪の一つで、生命・身体・自由・名誉・財産に対して、何らかの害悪を加えることを相手に伝えることが罪になります。害悪の内容としては、客観的に見て、相手が怖がったり恐れて自由に意思決定できない程度のものであることが必要です。そして、気を付けたいのが、権利の行使であっても脅迫罪に当たる可能性があるということです。実際に民事裁判では、相手を訴えようとしたら脅迫罪で逆に訴えられた、名誉棄損に当たるといわれたというものです。
実際に相手が不倫したかどうか不明確なのに「裁判で訴える」「訴訟を起こす」と伝えたり、訴えるつもりがないのにことさら相手を怖がらせるために「裁判になって不倫したと世間に知らしめてやる」など相手に伝えると、「裁判や訴訟を起こす」と伝える行為そのものが脅迫罪に問われることがあります。本当に訴えるつもりで伝えたのであれば、正当な権利を行使することを伝えただけなので、脅迫罪には該当しません。
まっとうな裁判の起こし方を解説するので、不倫相手を訴えたい方は参考にしてみてください。
まっとうな不倫裁判とはどういうものか?
不倫問題を裁判で解決するときは、正しい手順で準備を進めましょう。先ほどご説明したとおり、むやみに「裁判を起こす」と伝える行為は脅迫罪にあたる可能性があります。配偶者と不倫相手が不貞行為を働いたと判断、推認できる証拠を集めて、冷静に準備を進めましょう。
(1)不倫裁判に慣れている弁護士に相談、依頼する
裁判を起こすときは、まず弁護士に不倫問題を解決したいと相談、依頼してください。もちろん、裁判は個人で起こすこともできます。しかし、相手が弁護士を立ててきた場合、不利な状況に陥るリスクが高いです。請求された側の弁護士に知識量で圧倒されて、慰謝料を減額するように押し切られてしまう可能性があります。ですので、裁判を起こすときはなるべく弁護士に依頼しましょう。
弁護士によって特化している分野が異なるので、不倫裁判に慣れている弁護士を探してください。相談する前に以下の内容を整理しておけば、スムーズに依頼しやすいです。
- 発生しているトラブルの内容
- 保有している証拠
- 配偶者との離婚
- 慰謝料請求したい相手
配偶者や不倫相手を脅さず、冷静に準備を進めましょう。
(2)裁判所に訴状や不倫の証拠を提出する
次は裁判所に訴状や不倫の証拠を提出しましょう。訴状とは、離婚、慰謝料請求する相手や不倫の内容などについて記載した書面のことです。裁判所のホームページでダウンロードできるひな形などを活用すれば、スムーズに作成できます。
準備ができたら、不倫の証拠と一緒に提出してください。提出先は請求する慰謝料の金額によって異なります。
- 140万円未満→簡易裁判所
- 140万円以上→地方裁判所
弁護士に依頼している場合は、代わりに訴状の用意から提出までを行ってくれます。不倫の証拠も提出してくれるので渡しましょう。訴状や不倫の証拠を提出すれば、裁判を起こす準備は完了です。正しい手順で準備を進めれば、不倫相手に裁判や訴訟を起こされる心配はありません。
不倫裁判におけるメリットとデメリット
不倫問題を裁判で解決することには、メリットがあればデメリットもあります。メリットばかりあるように感じますが、実はそうではありません。ここでは、不倫裁判を起こす前に確認しておきたい、メリットやデメリットについてご説明します。裁判を起こすか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
(1)不倫裁判を起こすメリット
不倫裁判を起こすメリットは以下のとおりです。
- 適正な金額の慰謝料を請求できる
- 強制的に慰謝料を支払わせることができる
- 弁護士費用、遅延損害金を請求できる
裁判で不倫相手が故意または過失により不貞行為を働いたと証明できれば、慰謝料請求が認められます。明確な慰謝料請求額が決まるので、請求相手に支払ってもらいましょう。
請求された側は、裁判で慰謝料請求が認められると法的に支払い義務を負います。万が一、支払いに応じなくても、「強制執行手続き」を行えば強制的に支払わざるを得なくなります。強制執行手続きとは、請求相手の預金口座や給料を差し押さえる手続きのことです。示談交渉が決裂したときは、裁判を起こして離婚、慰謝料請求しておきましょう。
また、慰謝料だけでなく弁護士費用や遅延損害金も請求できます。請求できる金額は以下の通りです。
- 弁護士費用:慰謝料の10%
- 遅延損害金:年利5%
たとえば、慰謝料請求額が200万円と決まった場合は、弁護士費用を20万円、遅延損害金を1年につき10万円請求できます。裁判を起こせば、慰謝料だけでなく弁護士費用や遅延損害金も回収できます。
(2)不倫裁判を起こすデメリット
デメリットも確認しておきましょう。
- 時間と手間がかかる
- 裁判費用がかかる
- 精神的負担がかかる
不倫裁判を起こすためには、必要書類の用意や提出が必要です。そして、裁判が始まると裁判所に出廷しなければなりません。裁判は平日に行われるので、仕事を途中で抜けるか休むなどして時間調整が必要な方もいるでしょう。弁護士に依頼している場合は、代わりに必要書類を用意、提出してもらえます。さらに、ご自身が裁判所に出廷する回数を減らせるので時間や手間が省けます。
ただし、弁護士に依頼すると裁判費用がかさむので注意しましょう。裁判費用の内訳は以下のとおりです。
種類 | 内容 | 必要最低金額の目安 |
---|---|---|
弁護士費用 | 弁護士の相談、依頼料 | 20万円 |
印紙代 | 裁判所に支払う訴訟費用 | 1,000円 |
郵便料 | 裁判所から不倫問題の関係者に郵便物を送付するための料金 | 5,000円 |
各種費用の必要最低金額はあくまで目安です。依頼する弁護士事務所や内容、慰謝料請求額、不倫問題を取り扱う裁判所によって変動します。不倫裁判を起こす前に確認しておきましょう。
また、不倫裁判では精神的な負担がかかるかもしれません。不倫裁判は公開法廷で行われるため、配偶者が不貞行為を働いたと当事者以外に知られてしまいます。さらに、尋問では裁判官や請求された側の弁護士から、不倫問題について質問されます。嫌なことを思い出して精神的な負担がかかるのも、不倫裁判のデメリットの一つです。
脅迫に当たりやすい注意すべき5つのケース
では、具体的にどういう行為が脅迫に当たりやすいのか、5つのケースをご紹介します。
(1)生命・身体への害悪の告知
「殺してやる」「娘が無事でいられると思うな」といった内容です。害悪の告知の対象となる人は、脅迫された本人か、親族だけというのが法律的な考え方です。「お前の家族を殺してやる」などというと、伝えた相手に対する脅迫になりますが、「お前の大切な友人にけがをさせてやる」と伝える場合は、その友人に対する脅迫罪が成立する可能性があります。
不倫相手に対する脅迫としては、「不倫関係を解消しないと二度とみられない顔にしてやる」「今度うちの夫(妻)と会ったら殺してやる」などと伝えるケースが考えられますが、このようなセリフは口頭、文書を問わず伝えないようにしましょう。
(2)自由への害悪の告知
「二度と家には帰れないと思え」「子どもをさらってやる」というような内容です。不倫相手にも家族がいるダブル不倫のような場合に、「不倫をやめないと子どもをさらう」と伝えるような場合や「慰謝料を耳をそろえて払うまでは家に帰さない」などと伝えること、「退職しなければ不倫の事実を会社にばらしてやる」などと伝える具体例が考えられるでしょう。
怒りで我を忘れた人の中には、慰謝料をその場で払えと監禁したり、ATMまで連れまわすような人もいますが、こうなると逮捕監禁、恐喝、場合によっては強盗罪なども成立しうるので、絶対にやってはいけません。
(3)名誉を脅す行為
不倫相手に、裁判や訴訟をすると伝える際に最も問題になりやすいケースです。訴えるつもりがないのに「裁判にして不倫を広めてやる」とか「訴訟になればさらし者になる」などと伝えることは、脅迫罪が成立する可能性があります。本当に訴えるにしても、ことさら脅すような言動をしないように、弁護士に事前に相談することをお勧めします。
(4)財産への害悪の告知
「家を燃やしてやる」「不審火で家を失わないように気をつけろ」などと伝える行為が典型例です。不倫がらみでは「慰謝料を払わないと家ごと手放させてやる」「別れないと無一文になるまで追いつめてやる」など伝えることも、脅迫に当たりうるのでご注意ください。
(5)不倫相手の両親への請求
不倫の慰謝料は、不倫相手に対してのみ請求できるもので、不倫相手の両親に請求することはできません。相手の両親が任意に払う意思を示す場合は別ですが、「別れなければ親に慰謝料を請求する」「慰謝料を払わなければ両親から取り立ててやる」などと伝えると、脅迫に当たる場合があるのでやめましょう。
慰謝料を無理やり取ろうとして「恐喝」と捉えられ ないための方法
不倫相手に慰謝料請求するとき、方法次第では恐喝だと捉えられることがあります。先ほどご説明した脅迫と同じく恐喝は刑法に触れる行為なので、不倫相手から訴えられるかもしれません。慰謝料請求の手順を確認する前に、恐喝と捉えられないための方法について知っておきましょう。
慰謝料請求するときに注意すべき点は、脅迫した上で財産を要求しないことです。相手を脅迫して慰謝料請求する行為は恐喝に当たります。不倫相手が反省していなかったり煽ってきたりすると、つい感情的な行動をとってしまうでしょう。
しかし、暴言を吐いたり暴力を振るったりして慰謝料請求すると、恐喝で訴えられる可能性があります。「不倫をバラされたくなかったら1,000万円支払え」などと伝えて、不倫相手を恐喝しないようにしましょう。冷静に話し合えないと感じたら、弁護士を立てるようにしてください。
以上の点を踏まえた上で、不倫相手に慰謝料請求しましょう。
脅迫に当たらないように慰謝料請求するための4つの流れ
権利の行使であっても、不倫相手に慰謝料を請求するやり方によっては脅迫に当たりうることをご説明しました。では、どういう手順で請求すれば脅迫に当たらないのか、慰謝料請求の手順をご説明したいと思います。
(1)内容証明郵便を送る
「内容証明郵便」とは、「誰が、誰に、いつ、どのような内容の手紙を送ったか」について郵便局が証明する郵便のことです。普通郵便に千数百円を上乗せした費用がかかりますが、内容証明郵便で不倫相手に慰謝料請求をすることにはメリットがあります。
- 不倫相手に本気度が伝わり、不倫相手が要求に応じやすく、早期解決しやすい
- 後で裁判になった場合に証拠として利用できる
- 慰謝料請求の「消滅時効」が間近な場合に時効の進行をストップできる
不倫相手への慰謝料請求権は、不倫の事実を知った日から3年で時効にかかり、それ以降は請求できないのが原則です。時効直前の場合は、内容証明を送ってから6か月以内に裁判を起こす必要はあるものの、いったん時効の進行をストップできる大きな効果があります。ただし、内容証明郵便にも、「慰謝料を払わなければ世間にさらし者にしてやる」などの脅迫文言は書いてはいけません。
(2)当事者で話し合いの場を持つ
不倫相手が内容証明郵便を見て、要求に応じ、慰謝料を支払い不倫関係を清算すれば問題はありません。しかし、内容証明郵便を見ても一向に態度を変えない相手には、話し合いによる解決を検討しましょう。話し合いは、いわゆる「示談交渉」といわれるものです。示談とは当事者間の合意のことを言いますが、慰謝料の支払い金額、支払い方法だけでなく、不倫関係の清算、二度と会わないことの約束などを含めて合意を目指します。
話し合いをする際は、冷静に話し合いができるように、静かなカフェやファミレスなどが望ましいです。もし弁護士に依頼していれば、自分が出向かなくても代わりに交渉してもらうことができますし、直接対峙する場合に弁護士事務所を利用できる場合もあります。冷静に話し合いができず感情的になると、かえって不利になることもあるので、心配な場合は事前に弁護士に相談しておくことをお勧めします。
(3)調停に移行する
当事者間の話し合いで合意できない場合は、「調停」に移行します。調停とは、第三者(調停委員)を交えて裁判所で行う話し合いのことです。調停をすると、不倫相手と合意した内容が「調停調書」という書面になり、裁判の判決と同様の強制力を持たせることができるため、相手が慰謝料の支払いに応じない場合は強制的に回収することができるメリットがあります。
他方で、短ければ1か月程度、長ければ半年から1年という時間がかかり、平日に裁判所に出向かなければならないデメリットがあります。ご自身で出向くことが難しい場合は、弁護士に依頼すれば代わりに調停に行ってもらえるので、検討してみるとよいでしょう。
(4)「本当に」裁判で争う
調停でも話し合いがまとまらなければ、いよいよ裁判に移行して争うことになります。裁判をするためには、請求する慰謝料額や、慰謝料請求の理由となる不倫(不貞行為)の事実などを書いた「訴状」という書類を提出することからスタートします。そもそもの不倫を不倫相手が認めないような場合は、不倫(不貞行為)があった証拠も提出します。
訴訟を提起すると、不倫相手が訴えに反論し、それに訴えた側が再反論する流れで手続きが進み、ケースによっては裁判官が直接当事者に話を聞く「当事者尋問」が行われることがあります。これらの手続きを経て、裁判官が判決を出すことになりますが、実際は多くのケースで、裁判所から和解を提案されます。裁判官の和解案に当事者が合意すれば、裁判の手続き途中でも和解で終わるケースが多いですが、それでも和解に至らなければ裁判所が慰謝料金額を破断して判決が出されます。
反対に「訴える」と言われた際の対処方法
本記事を読んでいる方の中には、不倫を理由に訴えられそうな方もいるのではないでしょうか。交際相手の配偶者から、突然電話や内容証明郵便などで慰謝料請求されることがあります。慰謝料請求に応じなかった場合は、不倫裁判を起こされる可能性が高いです。
ただ、慰謝料請求されたからといって、必ず慰謝料を支払わなければならないわけではありません。不倫裁判を起こされそうな方は、これからご説明する対処方法を参考にしてみてください。
(1)慰謝料を支払う必要があるのか確認する
慰謝料請求されたときは、以下の内容を確認してみましょう。
- 未婚者だと騙されていた
- 脅されて肉体関係を持ってしまった
- 婚姻関係がすでに破綻していた
- 慰謝料請求の時効が成立している
あなたが交際相手から騙されたり脅されたりして肉体関係を持った場合は、慰謝料の支払い義務を負うことはありません。故意または過失により肉体関係を持っていなければ、不貞行為に該当しないからです。交際相手と配偶者の婚姻関係がすでに破綻していたときも、慰謝料を支払う必要はありません。交際相手が配偶者と長年別居していて連絡を取り合っていない状態であれば、夫婦関係が破綻しているといるでしょう。
また、先ほどご説明したとおり慰謝料請求には時効があります。
- 不倫相手の素性が発覚した時点から3年
- 不貞行為を働いた時点から20年
時効はあなたの素性が知られた時点から3年、不貞行為を働いた時点から20年経過すると成立します。交際相手と不貞行為を働いてから20年以上経過していれば、慰謝料を支払う必要がありません。
交際相手の配偶者から慰謝料請求されたときは、以上の内容を確認してみましょう。
(2)慰謝料を減額できないか確認する
あなたが既婚者と故意または過失により肉体関係を持っている場合は、慰謝料の支払い義務を負うことになります。慰謝料は減額交渉できる可能性があるので、以下の内容を確認しておきましょう。
- 心から謝罪する
- 二度と関わらないことを約束する
- 法外な額の慰謝料請求に応じない
- 弁護士に相談する
まずは交際相手の配偶者に心から謝罪して、深く反省していると言葉や態度で示しましょう。慰謝料の減額を交渉するには、請求相手の怒りを収める必要があります。請求相手も人間なので、誠心誠意謝罪すれば反省していると伝わるかもしれません。
交際相手の配偶者が離婚を望んでいない場合は、交際相手と今後一切関わらないことを約束しましょう。夫婦関係の改善を望むときは、不倫の再発を恐れている可能性が高いです。少しでも相手の怒りや不安を取り除いて、慰謝料を減額できないか交渉してみましょう。
また、法外な金額の慰謝料を請求されたときは、応じないようにしてください。裁判に発展したとしても、慰謝料の金額は相場を基準に決めます。慰謝料の相場は50~300万円程度です。相場とかけ離れていることを理由に減額できる可能性があります。慰謝料請求には応じず、弁護士に相談してみましょう。
示談で穏便にすませるのも一つの方法
不倫問題を示談で穏便にすませることも解決方法の一つです。裁判を起こすことだけが不倫問題の解決方法ではありません。示談で不倫問題を解決することには、以下のメリットがあります。
- 不倫を関係者以外に知られない
- 慰謝料を多めに請求できる
- 早めに不倫問題を解決できる
- 裁判費用がかからない
示談は不倫問題について知っている人数を抑えられる、穏便に解決しやすい手段です。示談交渉時には不倫問題の当事者や弁護士など、限られた人間だけが立会います。世間体が気になる方は、なるべく示談で解決するようにしましょう。
そして、示談では慰謝料の金額を当事者間で決めるため、相場よりも多く請求できる可能性があります。穏便にすませたい不倫相手であれば、相場より多くても慰謝料請求に応じてくれるかもしれません。慰謝料を少しでも多く支払ってもらいたい方も、裁判を起こす前に示談交渉してみましょう。
また、示談なら裁判より早く解決できることもあります。不倫相手が素直に示談交渉に応じて慰謝料を支払えば、その時点で解決します。裁判では半年から数年かかる場合もありますが、示談なら早期解決できるかもしれません。もちろん、裁判を起こさないので裁判費用が不要です。
出費を抑えつつ時間を短縮して穏便に不倫問題を解決できるので、裁判を起こす前に示談交渉してみましょう。
不倫相手への裁判で脅迫で訴えられた場合に弁護士に相談するメリット・デメリット
皆さんの中で、不倫相手に裁判を起こすと伝えたら脅迫で訴えられた場合、どう対応すればいいか悩まれる方も多いと思います。ここでは、そのような場合に法律の専門家である弁護士に相談するメリット・デメリットをご紹介します。
(1)弁護士に脅迫で訴えられたことを相談するメリット
脅迫で訴えられ、被害届や告訴が警察に受理されると、脅迫事件として捜査が進むことになります。もし逮捕されると、最長3日間は警察の留置場に入れられ、その間は弁護士以外は家族も面会できません。また、逮捕の翌日頃に行われる検察官との面談で、さらに10日間留置場に入れる必要があると判断され、裁判官もこれを認めると、10日間の「勾留」となり、勾留はさらに最長10日延長されることもあります。
その間に、検察官がこの脅迫事件を起訴するか、不起訴にするかを判断しますが、起訴、つまり裁判にかけると決めると、日本の刑事司法上99.9%が有罪となり、前科がつくことになります。このように、脅迫事件をはじめとする刑事事件は、生活に非常に大きな影響を及ぼす可能性があります。それだけに、脅迫で訴えられた場合は、できるだけ早く弁護士に相談してください。
逮捕前なら、不倫相手と交渉してそもそも刑事事件化を防ぐことも期待できます。また、逮捕されても、弁護士を通じて検察官などに証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを伝え、勾留になることを防いだり、できるだけ早い釈放を目指して活動してもらえます。また、前科がつかないような活動や、起訴されても刑務所に行かずに済むような弁護活動を期待することができます。刑事事件の弁護活動は、早ければ早いほどできることが多いのです。もし脅迫で訴えられた場合は、とにかく弁護士に相談しましょう。
(2)弁護士に脅迫で訴えられたことを相談するデメリット
弁護士に脅迫で訴えられた相談をするデメリットとしては、相談料がかかることです。弁護士相談料の目安は30分5000円、1時間1万円が相場です。ただし、最近は初回の法律相談料は無料としている弁護士もあるので、相談料や弁護士費用が心配な方はネットで検索したり事前に問い合わせてみましょう。
また、刑事事件はスピードが命です。さらに、不倫相手との示談交渉だけでなく、検察官、裁判官との交渉など、難しい交渉を要することもあります。できるだけ、刑事事件の取り扱いの経験のある、フットワークの良い弁護士を選ぶことをお勧めします。
まとめ
今回は、不倫相手に慰謝料請求で訴訟や裁判をすると伝えたら脅迫に当たるかどうか、効果的な慰謝料請求の方法についてお話しさせていただきました。
不倫をされた被害者なのに、慰謝料を請求しようとしたら脅迫で訴えられたなどになると、つらさも倍増すると思います。そのような事態を防ぎ、効果的に慰謝料を請求して不倫相手にペナルティを負わせるためにも、ご自身が脅迫で訴えられることのないようにするためにも、まずは事前に弁護士に相談してください。そして万が一、実際に脅迫で訴えらえた場合は、1日も早く弁護士に相談しましょう。