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不倫調査で逆探知されているか調べる方法|GPSの確認や不倫がばれた場合の対応を解説

不倫をしている方の中には、配偶者が自分を逆探知しているのか心配している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、GPSで不倫がばれたときの対応をあらかじめ知っておきたいという方もいらっしゃるかもしれません。

不倫は「貞操義務」という夫婦の義務に反する行為なので、決して推奨されるものではありません。
しかし、不倫がばれた際に、これ以上のトラブルは避けたい、できれば円満に解決したいという方も少なくないと思います。

そこで今回は、不倫調査で、配偶者や専門業者に逆探知されているかを調べるや、不倫が発覚した場合の対応方法についてご説明します。

不倫調査で逆探知をするやり方とは

以前は、不倫調査は探偵に依頼する人が大半でした。しかし最近は、アプリやネットで手に入る機器を利用して、自分で逆探知をして不倫調査をする人もいます。

自分でよく利用される逆探知の方法には次のようなものがあります。

(1)携帯やスマホに入れられる逆探知アプリ

昨今、逆探知機能を利用した「浮気防止アプリ」が数多く配信されています。
元々は、紛失したスマホの発見や盗難の防止目的で開発されたアプリですが、パートナーのスマホの中身が見たいといったニーズから機能が拡大し、履歴の閲覧や逆探知ができるアプリも多いです。

具体的には、浮気防止アプリでは次のようなことができます。

  • 通話履歴やSNSのメッセージログの確認
  • 保存された動画や写真の閲覧
  • どこを経由して、今どこにいるのかという位置情報の確認
  • カメラの強制起動等

このほかにも、子供やお年寄りを見守るための「監視アプリ」や、「スマホを探すアプリ」を利用して逆探知されることもあります。

これらのアプリはインストールさえされれば位置情報が分かるため、勝手にアプリをダウンロードされているケースも少なくありません。
また、位置情報の確認機能として、相手のスマホをGPS発信機にする無料のアプリもあります。

(2)非通知電話でも逆探知ができるか

非通知電話は、自分の番号の頭に184をつければ簡単にかけることができます。
不倫や浮気をしている場合、不倫相手が自宅の電話に非通知で電話をかけてくるなどして、そこから不倫が発覚するケースは少なくありません。

非通知電話を逆探知する方法は、現在のところありません。
NTT東日本が提供しているナンバーお知らせサービス136でも、システム上逆探知はできません。
例外的に、110や119にかけたとき、また刑事事件化して警察の捜査が及んだ場合には、逆探知できるとされています。

ただし、番号が分かる場合は、その発信者情報を調べられるアプリはあります。Whoscallという電話番号管理アプリで、不明な電話番号の着信があった場合に、ウェブ上の電話情報やユーザーから寄せられた情報等をもとに、発信者の情報を着信画面に表示するサービスです。

(3)逆探知の装置の例

逆探知して不倫調査をする装置の例として、「盗聴器」や「盗撮カメラ」を仕掛ける方法があります。
盗聴器は鞄や洋服に仕込まれることが多く、盗撮カメラは、自宅のテレビ裏や小物に仕込まれやすい特徴があります。

最近は、ペットボトル型のものや小型の盗撮器も多く、インターネットで簡単に購入できます。
自宅に不倫相手を連れ込んだ場合に、自宅に設置してある盗撮・盗聴器から不倫が発覚するケースがあります。

(4)GPSによる逆探知

逆探知をする装置で有名なのが、GPS(グローバルポジショニングシステム)です。
GPSを利用すれば、配偶者が今いる場所や移動経路が分かるため、入手した位置情報を元にラブホテルの利用や不倫相手の自宅を調べるなどの証拠収集に利用できます。

GPSには、ロガー方式とリアルタイム方式の二種類があり、それぞれ使い方や位置情報の把握方法が異なります。

①ロガー方式のGPS

ロガー方式のGPSは、GPS衛星を利用して入手した経路を記録するタイプです。
車に付けられた場合、移動ルートや立ち寄り先、滞在時間なども記録されます。

リアルタイムで情報が知られることはありませんが、比較的安価で入手しやすく面倒な契約も不要で利用でき、記録が機器内部に保存され情報の入手が容易なため、利用されやすいです。

②リアルタイム方式のGPS

リアルタイム方式のGPSは、主にスマホなどから発信する電波を利用して位置情報を把握するタイプです。
価格が高めですが、現在地が分かるため、証拠を押さえやすい特徴があります。

スマホにアプリをダウンロードする方法もありますが、配偶者でも勝手に他人のスマホにダウンロードするのは違法です。
そこで、別にスマホや機器を用意する必要がありますが、手間がかかることもあり、一般人よりもプロの探偵が利用することが多い特徴があります。

GPSの逆探知で不倫調査されている場合の対応方法

GPSで逆探知されているかもしれないと疑われる場合、できるだけ早く発見して対応することが、不倫の証拠を発見されないためには重要です。

(1)GPSがついているか確認する方法

GPSで逆探知されているかを確認する方法は、目視で見つける方法と、GPS発見機を利用して見つける方法の2つがあります。

1つ目の目視で見つける場合は、GPSが設置されやすい場所と、GPSの形状を押さえて探すことがポイントです。

GPSが設置されやすいのは、車、鞄、上着などです。車のGPSの設置場所は後程ご説明しますが、鞄や服に仕込まれるケースも少なくありません。
そこで、時々鞄の中身を総ざらいして、見覚えのないものが入っていないか確認しましょう。

GPSの形状はタバコの箱と同じくらいのものが多いです。
上着の場合は、タバコ箱大のものが入っても気付かれない程度のコートを着る季節は特に注意した方が良いでしょう。

もう1つは、GPS発見機を利用する方法です。GPS発見器は、GPSから出る電波を拾い、設置を感知する機械です。
GPSに高度な電波発信防止対策等が実施されていない限り、市販の発見器でも見つけることが可能です。

(2)車のGPSをよくつける場所とは

GPSをよくつけるのは、やはり車です。車でGPSが設置されやすい場所は、電波の感度を考慮して車外の目につきにくいくい場所であること、精密機器なので雨や熱の影響を受けにくい場所であること、マグネット等でつけやすい場所であるケースが多いです。

一方、ボンネット下やエンジンの近く、マフラー周辺等は、熱の影響を受けて故障しやすいため付けることができません。
具体的には、以下のような場所に付けられやすいと言えます。

  • フロントバンパー
  • マフラーを除くリアバンパー周辺
  • スペアタイヤ周辺

また、車内につける場合は、トランクの敷物の下やヘッドレストの中、座席の裏やシートの隙間等が利用されるケースが多いです。
掃除をする際などに、大掃除をする体で、バンパーやシート下など、車の内外を問わず見直してみるとよいでしょう。

(3)GPS探知機や発見機は有効か

GPS発見機は、目視で見つけられないGPSを探すのに非常に有効です。
また、インターネットなどでも手軽に入手しやすく、一般人でも効果を上げやすい点もメリットです。

しかし、GPS発見機は、機器が発する電波を拾って見つけるため、ロガー方式のGPSは見つけることができません。
これは、位置情報を発信せず逆に受信して記録していくタイプのGPSだからです。

明らかにGPSで行動が監視されているけれど、目視でもGPS発見機でも見つけることができないと言ったケースでは、探偵などの業者に依頼して探してもらう方法も有効です。

(4)GPSによる逆探知は違法か

2020年にGPSをめぐる大きな判決が出ました。

これは、元交際相手らの車に、GPSをとりつけて居場所を知ろうとしたことが、ストーカー規制法の「見張り」にあたるかが争われた裁判で、最高裁判所は見張りにあたらないという判断をしました。

ただし、この判決には批判も多く、2021年にはストーカー法改正の動きも出ています。
この判決を見て、勝手にGPSやアプリで逆探知されても諦めるしかないと思った方もいるかもしれませんが、これはストーカー規制法に関する問題で、不倫調査でGPSを仕込むのとは別の問題です。

GPSを利用した逆探知や監視が違法かは争いがありますが、違法でない場合でも、プライバシーを侵害された場合は損害賠償を請求できるケースがあります。

また、配偶者や不倫相手のスマホに監視アプリや遠隔操作できるアプリを勝手にダウンロードし、GPSから逆探知するような行為は不正指令電磁的記録取得、供用罪にあたる場合があります。

さらに、配偶者のスマホを勝手にロック解除してメールやSNSのやり取りを監視したり、メッセージを自分のスマホに転送させたりする行為は、不正アクセス禁止法違反に当たる場合があります。

こうした問題は、いきなり警察に持ち込んでも夫婦の問題として扱われない場合もあるので、ご自身が違法な逆探知をされている場合は、まずは弁護士にご相談ください。

不倫調査で不倫がばれた場合の対処方法とは

配偶者の不倫調査で不倫がばれた場合、早急に対応を検討する必要があります。
第一に、夫婦関係を今後どうしていきたいのかを検討します。

民法では、一定の原因がある場合は裁判によって離婚できるとされていますが、不倫(不貞行為)はその一つです(民法770条1項1号)。
不倫された側が離婚を請求し、不倫した側が応じなければ、不倫された側は裁判を起こしてでも離婚を求めることができるということです。

ただし、離婚裁判が起こされても、裁判の中で裁判官から和解が勧められるケースも多く、裁判されたら必ず離婚になるとは限りません。
不倫をしても夫婦関係を修復したいのか、離婚して新しい生活をスタートするのか、ご自身の気持ちをまずは整理することが必要です。

第二に、不倫をされた側は、不倫をした夫・妻とその不倫相手に、不倫慰謝料を請求する権利があります(同709条)。

不倫慰謝料は、離婚の有無に関わらず請求できます。離婚しない場合は、配偶者には慰謝料を請求しないケースもありますが、慰謝料の全額を不倫相手が負担した場合はその半分を不倫相手から請求されることになります。
そのため、慰謝料の支払いについて資金源を検討しておきましょう。

いずれにしても、不倫調査で不倫がばれた場合、配偶者は激高していることが多く、相当以上の慰謝料を請求してきたり、調査の過程で違法行為に及んだりしているケースもあります。

不倫は、不倫した方が悪いのですが、負うべき責任は事案によって異なります。必要以上の責任や負担を負わないためにも、専門家に相談することをお勧めします。

逆探知で不倫調査されている場合に相談できる専門家

逆探知などの方法で不倫調査されている場合、ご自分だけで対応しようとすると事態が悪化する恐れがあります。
状況に応じて、次のような専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

(1)探偵・興信所

探偵・興信所は、調査のプロです。逆探知をされている、行動が把握されているがGPSが見つからないと言った場合は、探偵や興信所に相談されることをお勧めします。

逆に調査している側なので、どのような逆探知がされているか、アプリが入れられているか等、経験に基づいた的確なアドバイスが期待できます。

ただし、探偵・興信所に相談する場合は、きちんと都道府県の管轄の警察に届け出をしているところを選び、相談にとどまるのか、調査もしてもらうのか、事前に見積もりを出してもらうようにしましょう。

(2)離婚カウンセラー

不倫を逆探知されているか不明だとしても、夫婦関係の相談ができるのが離婚カウンセラーです。
離婚カウンセラーは民間資格で、別名を夫婦問題カウンセラーと言います。

相談内容は離婚に限られず、全国展開しているところもあります。
あくまでカウンセラーなので、家族や友人には言いにくい夫婦の問題を相談したり、話すことで自分の気持ちを整理したりしやすくなるでしょう。

相談費用は、大手の岡野あつこ相談所によると、電話相談で1時間1万円、対面相談では2時間1万5千円など、相談時間や方法によってさまざまです。

(3)弁護士

弁護士は、法律の専門家です。不倫がばれて慰謝料を請求されたが払わなければいけないか、請求された慰謝料額が妥当か、配偶者が不倫調査で逆探知するために自分のスマホにアプリを勝手にダウンロードしていたが違法ではないのか等、法律問題であればどのような内容も相談することができます。

ただし、GPSが見つからないとか、夫婦関係をどうすべきか相手への気持ちが分からないといった、調査方法や漠然とした相談は不向きです。

不倫調査の逆探知で不倫がばれた場合に弁護士に相談するメリットデメリット

配偶者に不倫調査で逆探知され、結果不倫がばれた場合は、弁護士に相談することをお勧めします。弁護士に相談するメリットとしては次のようなものがあります。

(1)不倫調査で逆探知された方法の違法性が分かる

事実不倫をしているからと言って、配偶者が何をしても許されるわけではありません。
たとえば、配偶者のスマホに勝手に逆探知のGPSアプリをダウンロードすることは違法です。

また、過去の裁判例では、夫と浮気相手のやり取りのメールを全てコピーしたり、夫のメールを盗み見たりした行為が、プライバシーの侵害に当たると判断されたケースがあります。

これらは、行為自体が損害賠償請求の対象になることもあるので、一度相談してみましょう。

(2)不倫慰謝料の適正額が分かる

逆探知で不倫がばれると、慰謝料請求される場合があります。
慰謝料の目安は、不倫が原因で別居や離婚をした場合は100~300万円、別居や離婚に至らない場合は50~200万円ですが、既に夫婦関係が破綻していたなど、そもそも慰謝料が発生しない場合もあります。

弁護士に相談すれば、ご自身の不倫の状況から見た適正額のアドバイスを受けることができます。

(3)配偶者と直接交渉しなくてよい

不倫は、やった自分が悪いと分かっていても、逆探知をして不倫調査をした配偶者に恐怖を覚え、直接話したくないという人もいます。
そのような場合は、弁護士に頼んで代理人になってもらうことで、相手と直接交渉せずに済むメリットがあります。

一方のデメリットとしては、弁護士費用が掛かることがあります。
相談料は、30分5,000円、1時間1万円というのが相場です。

実際に依頼すると、依頼した段階で着手金が、事件が成功した場合に成功報酬が、そのほか郵送代等の実費や、裁判などに出向いた場合の日当がかかります。

裁判に至らず大して揉めないケースでは十~数十万円程度が相場と言えます。
裁判になれば、回数によっても変わりますが、数十万円~というケースが多いです。

まとめ

今回の解説では、不倫の逆探知について、GPSの種類や見つけ方、不倫がばれた場合の対処方法についてご説明しました。

昨今は、GPSもネットなどで簡単に入手出来たり、逆探知できたりするアプリも増えているため、配偶者の不倫を疑った夫や妻が自ら調査を行うケースも少なくありません。

しかし、配偶者でも許されない違法な行為をしたり、調査で不倫が明らかになったりと必要以上の要求をしてしまう人もいます。
不倫はやったほうが悪いとはいえ、負うべき責任は、やった行為ともたらした結果の範囲に限られるべきです。

不倫で逆探知されたり、法外な請求されたりしてお悩みの方は、不倫問題に詳しい弁護士に、まずはお気軽に相談されることをお勧めします。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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