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  2. メールしたら不倫になる?

異性とのメールは不倫に該当する?証拠になるメールについて解説

今、この記事に目をとめてくださっている方の中には、夫や妻が異性と親しいメールのやり取りをしていて、ショックを受けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分に隠れてメールをしていたこと、配偶者にそんな相手がいたことがショックで、不倫で慰謝料を請求しようと思っている方もいるかもしれません。

しかし、そもそもメールが不倫の証拠になるか、メールが不倫になるかは、メールの内容や状況によっても変わってきます。本当は不倫ではないのに疑ってしまい、夫婦関係をこじらせてしまう事態は避けなければいけません。そこで今回は、メールが不倫になるかどうか、また不倫の証拠になるメールはどのようなものかについてご説明したいと思います。

メールのやり取りだけで不倫や浮気になる?

みなさんの中には、夫や妻のメールを見て、不倫や浮気を疑っている方もいらっしゃるかと思います。中には、慰謝料請求や離婚も視野に入れている方もいるかもしれません。

しかし、メールのやり取りだけでは、不倫や浮気にはなりません。

ここで言う「不倫」とは、慰謝料請求や離婚の原因になる不倫、つまり「法律上の不倫」を指します。法律上の不倫は「不貞行為」といい、婚姻関係にある男女が異性と性交渉をしたことを指します。分かりやすく言うと、夫や妻が、配偶者以外の異性とセックスをしなければ、不貞行為に当たらないため、慰謝料や離婚を請求することはできません。

もちろん、夫婦の話合いやご自身の考え方として「隠れて異性とメールすることは浮気だ」「自分以外にメールのやり取りをする親しい異性がいるのは浮気だ」と考える分には自由です。そして、メールのやり取りでショックを受けたことを理由に慰謝料を請求し、相手が応じて払ってくれる分には構いません。

しかし、相手が応じず、裁判になった場合は、メールのやり取りだけでは不倫として認められません。そのため、慰謝料の請求や離婚の主張も裁判では認められません。

メール以外の連絡手段

メール以外の連絡手段として、最近多いのがSNSです。

中でも、日本において利用者が多いのがLINEです。芸能人の不倫でも、LINEのやり取りがニュースになりましたね。
メール同様、LINEのやり取りだけでは不倫になりません。LINEのトーク履歴の保存期間は、パソコン・スマホ端末とも2週間と言われています。

なお、この2週間とは、LINEのサーバーに保存される期間のことです。つまり、PCの保存期間は2週間、スマホもサーバー上は2週間ですが端末自体に無期限で保存されるため、2週間以上前のトーク履歴も見ることができます。もし不倫(不貞行為)の証拠としてLINEのやり取りを提出したい場合には、LINEのメッセージがスマホから消去されると2週間より前の内容はサーバーにも残っていないため、証拠の保全に注意しておきましょう。

LINE以外にも、カップル用のメッセージのやり取りに特化した「ペアーズ」「Couples」「Between」などのアプリもあります。こうしたアプリを使っていたとしても、それだけでは上述のように不倫や浮気にはなりません。ただし、夫や妻があえてカップル用のアプリをダウンロードしているような場合は、動向に注意をしてみるとよいかもしれません。

慰謝料請求や離婚ができる不倫とメールの関係とは

先ほどお話したように、メールのやり取りだけでは不倫になりません。しかし、メールの内容によっては、不貞行為があった証拠として、慰謝料請求や裁判で離婚が認められる根拠となり得ます。

不倫のボーダーラインは夫婦によってさまざまだと思います。キスから不倫、異性と1対1でデートしたら浮気と考えるご夫婦もいるでしょう。しかし、慰謝料請求や離婚ができる不倫は、前述のように「法律上の不倫」に限られます。

そこで、メールの内容から不貞行為があったことが明らかな場合や推認される場合は、不貞行為の証拠として認められます。過去の裁判例でも、夫が単身旅行と偽って不倫旅行をしていたケースで、旅行後に「幸せな四日間」、「思い出されることは幸せなことばかり」、「あの旅は本当にステキなものでした」などのメールのやり取りがあったことと、旅行先で2人が同室に宿泊していたことから、旅行中に不貞行為があったと認めたものがあります(東京地裁平成22年1月28日判決)。

メールで不倫慰謝料を請求する場合の相場とは

メールのやり取りから不倫(不貞行為)があったことが明らかな場合、慰謝料の相場はいくらくらいになるでしょうか。

慰謝料とは、「精神的苦痛に対する損害賠償」のことをいいます。結婚している夫婦は、お互いに夫や妻以外とは性交渉をしないという「貞操義務」を負っていて、不倫によってその義務に違反し、傷つけられたことによって慰謝料を請求する権利は発生します。そのため、不倫慰謝料は別居や離婚をしなくても、不倫をしたその事実だけで請求することができます。

どれだけ傷ついたかは人によってさまざまなので、慰謝料の決まりはないのですが、不倫が夫婦関係に及ぼした影響によって、おおよその相場は出すことができます。

  • 不倫があっても別居や離婚をしなかったケース…50万円から200万円程度
  • 不倫が原因で別居や離婚に至ったケース…100万円から300万円程度

ただし、この相場に、

  • 不倫期間の長短:不倫期間が長いほど慰謝料額が高くなる
  • 不倫当事者の社会的地位:収入や社会的立場が高いほど慰謝料額が高くなる
  • 不倫の悪質性:別れた後復縁していたような場合は高くなる
  • 不倫当事者の立場:不倫相手が会社の部下のような上下関係がある場合は低くなる

といった個別の事情が勘案されて、実際の慰謝料額が決まります。

メールで頻繁に旅行していたことが明らかな場合や、別れると約束したのに復縁していたことを陰で笑いあうような内容がもしもあった場合には、不倫関係の悪質性を証明する証拠として、慰謝料の増額に役立つ場合があるので、写真に収めるなどして保存しておきましょう。

不倫の証拠になるメールとならないメールの違いとは

(1)不倫の証拠になるメール

不倫の証拠になるメールは、肉体関係があったことを証明できるメールです。先ほどの裁判例のように、不倫旅行をしたことが明らかなメール、ホテルや相手宅に行ったことが明らかで「体の相性が最高」「昨晩は気持ちよかった」などのやり取りがあるメールなどは、通常は肉体関係があったと考えることができるケースです。

反対に、「昨日はよかった」「激しかった」などというやり取りだけでは、何がよくて激しかったのかそれだけでは分かりません。前後のやり取りを踏まえて、よかった、激しかったのは肉体関係についてのやり取りといえることが必要です・

(2)不倫の証拠にならないメール

逆に、肉体関係があったことを証明できないメールは、不倫の証拠になりません。どれだけ熱烈な愛の告白をしたり、情熱を書き連ねていたとしても、プラトニックラブでは慰謝料が請求できる法律上の不倫の証拠にはなりません。

過去の裁判例では、メールで「愛してる」「大好き」などの親密な愛情表現が頻繁に繰り返されたり、配偶者がいない時を見計らって電話でやり取りをしていたケースで、「メールは往々にして過激な表現になりがち」として、2人が昔の同級生で会った事情などを踏まえて実際に肉体関係にあったと断定することは躊躇されるとして、直接の不貞行為を認めなかったものがあります(東京地裁平成25年3月15日判決)。

ただし、肉体関係の存在は直接認められないにしても、過激なメールのやり取りによって配偶者に不快な思いをさせ、夫婦の結婚生活の平穏を害したとして、30万円の慰謝料が認められたケースもあります(東京地裁平成24年11月28日判決)。

メールを不倫の証拠で使う場合に気を付けるべき3つのこと

メールに不倫の証拠が残っていたとしても、証拠として使う際にはご自身が違法な行為をしないように気を付けなければいけません。ここでは、気を付けるべき3つのポイントをご紹介しますが、度を越してしまうと、せっかくメールに不貞行為の証拠があったとしても証拠として使えないばかりか、反対に相手から損害賠償を請求されたり、もっと悪い場合は警察沙汰になる可能性もあります。

(1)暴力行為

メールのやり取りをしている夫や妻とその不倫相手に対して、暴力行為や脅迫行為をしてスマートフォンやパソコンを入手した場合、もしその中のメールに不貞行為の証拠があったとしても、裁判になった場合に証拠として認められません。

実際に過去の裁判で、妻が、不倫した夫に暴力行為をして携帯電話を奪い取り、慰謝料を請求する際にメールのやり取りを証拠として提出した事例では、裁判所は、人権を無視して、暴力などの反社会的行為によって得られた証拠はその能力を否定すべきだと判断しました。

加えて、暴力行為は刑法の暴行罪に該当します。殴る、蹴るなどに加えて、襟首をつかむ、平手打ちをする、水をかけるなども暴行です。さらに、相手が怪我をすると傷害罪というより重い犯罪に該当します。夫婦であっても、犯罪行為として逮捕される可能性もあるので、決してしないようにしましょう。

(2)メール内容のコピー行為

夫婦であっても、メールやSNSの内容を全コピーしたような場合、コピーした中に不貞行為を示すやり取りがあったとしても裁判になった場合に証拠として認められません。メールやSNSのやり取りは、本来当事者しか見られないプライベートなものなので、それを全コピーするような行為はプライバシーの侵害に当たると判断されます。

過去の裁判でも、夫と不倫相手のメールのやり取りを含むデータを全コピーして不貞行為の証拠として提出した事例で、個人のメールは手紙(信書)と同じなので、相手の許しがないのに不正に内容を入手するのは犯罪と同じだと指摘されたケースがあるので、やってはいけません。

(3)のぞき見行為

夫婦とはいえ、相手のプライバシー権を侵害して集めた証拠は、裁判になった場合に証拠として認められません。過去の裁判では、夫と不倫相手のメールのやり取りをのぞき見して、愛しているなどのやり取りがあったことを不貞行為の証拠として提出した事案で、私的なメールをのぞき見して慰謝料請求をすることはプライバシーを暴くものと指摘されたケースがあります。

プライバシー権の侵害は、損害賠償請求される可能性がある問題です。ご自身が損害賠償を請求されないように、配偶者のメールののぞき見はしないようにしましょう。

(4)メールの証拠を集める方法

実際にメールのやり取りを証拠として集める方法について、以下の3点をご参考ください。

①裁判で証言する

「●月●日に、交際相手が夫に対して『この前のラブホテルにまた行こうね』というメールを送っていた内容を見た」など、できるだけ具体的に証言できるようにしましょう。

②スマホの写真を撮る

メールやSNSのやり取りの画面を表示させて、写真に撮影します。夫や妻のスマホであること、不倫相手も分かるように、スマホ全体が映るように撮影しましょう。配偶者のスマホのロックを勝手に解除すると不正アクセス禁止法に当たる恐れもあるので、難しいですが任意に見せてもらえる機会を利用しましょう。

③スマホの動画を取る

上記の場合で、メッセージのやり取りが長い場合は、スクロールさせている様子を動画で撮影するとよいでしょう。写真よりも画質が乱れやすいため、内容が判別できるように注意が必要です。

夫や妻の不倫メールを見た場合に弁護士に相談するメリット・デメリット

(1)不倫メールを弁護士に相談するメリット

不倫メールを見て弁護士に相談するメリットは、次のように多くあります。

①証拠としての利用方法のアドバイスを受けられる

メールの内容が不倫の証拠として使えるか、裁判に備えて補充しておく証拠は何かなど、先を見据えたアドバイスを受けることができます。

②話し合いの代理人になってもらえる

不倫(不貞行為)が事実だった場合には、まずは当事者同士で話し合うことになります。直接話したくない場合には、弁護士に代理人になってもらうことで、代わりに交渉してもらうことができます。

③慰謝料や離婚の請求を任せられる

不貞行為が事実だった場合は、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求できます。相手が話し合いで応じない場合は、弁護士に頼んで、「調停(第三者を加えた話し合い)」や「裁判」などの手続きを任せたり、代わりに出廷してもらうことができます。調停への同席や裁判で代理人として出廷することは弁護士しかできないので、ご自身の仕事が忙しい場合などは負担を大きく減らすことができます。

(2)不倫メールを弁護士に相談するデメリット

弁護士に相談するデメリットとしては、弁護士費用がかかることでしょう。弁護士費用は、法律事務所ごとに多少の差はありますが、目安として以下をご紹介します。

  • 法律相談料:30分5,000円、1時間10,000円
  • 着手金:10~30万円程度(事件を依頼したときに発生します)
  • 日当:1~5万円(裁判所への出張などに1回ごとにかかる費用です)
  • 報酬金:経済的利益の1~2割(解決した場合の弁護士報酬です)
  • 実費:数千円程度(郵便料や交通費などです)

このように、弁護士に相談、依頼すると費用がかかりますが、最近は初回の相談は無料としているところもあります。また着手金や報酬金は事務所によってかなり違うので、ホームページなどをみて、ご自身にあうところを見つけてみてください。

まとめ

今回は、夫や妻が異性とメールをしているときに、不倫になるのかどうか、また不倫の証拠としてメールが使えるケースについてお話しさせていただきました。メールは不倫にならないと知って安心した方、反対に、不倫の証拠集めの注意点に心配になった方もいるかと思います。

信じていた配偶者の不倫の疑いで辛い思いをしたのに、逆に証拠集めの方法で逆に損害賠償を請求されるなど更に辛い思いをしないように、不倫メールでお悩みの方は弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。弁護士ならば、状況に応じて様々な対応を取ることが可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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