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不貞行為に強い弁護士に着手金無料で不倫相談・必要費用を解説

皆さんの中には、「弁護士に相談したいが着手金は無料がいい」という方はいらっしゃいませんか?

弁護士に頼むと、最初に着手金がかかるのが通常ですが、今日は「着手金無料」という弁護士事務所も少なくありません。一方で、「不倫問題を相談したいが、着手金無料の弁護士は安心できるのか」「着手金無料の弁護士に依頼したら、かえって弁護士費用がトータルで高くなることはないのか」など、心配な方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、着手金無料の弁護士の信頼度や費用感などについて、解説させていただきたいと思います。

弁護士事務所によって費用が違う理由とは

みなさんの中には、すでにいくつかの弁護士事務所のホームページをご覧になった方もいらっしゃると思います。そこで、弁護士事務所によって費用の違いがあることに驚かれた方もいるのではないでしょうか?現在、弁護士に依頼した場合にかかる費用に決まりや規則はなく、弁護士が自由に決めることができます。しかし、2004年までは、弁護士会が「報酬規程」を定め、具体的には以下のように着手金と報酬金が定められていました。

(1)経済的利益(請求額や判決で認められた金額など)が300万円以下の場合

  • 着手金…経済的利益の額×0.08
  • 報酬金…経済的利益×0.16

(2)経済的利益が300万~3000万円の場合

  • 着手金…0.05×(経済的利益-300万)+24万円
  • 報酬金…0.1×(経済的利益-300万)+48万円

(3)経済的利益が3000万~3億円の場合

  • 着手金…0.03×(経済的利益-3000万)+159万円
  • 報酬金…0.06×(経済的利益-3000万)+318万円

(4)経済的利益が3億円位以上の場合

  • 着手金…0.02×(経済的利益-3億円)+969万円
  • 報酬金…0.04×(経済的利益-3億円)+1938万円

現在は、この報酬規程はないものの、当時の規定を参考にした弁護士費用を定めている事務所も少なくありません。
一方で、弁護士相談の敷居を下げて依頼しやすいように安価な着手金や報酬金を設定したり、専門分野を絞って高い報酬を設定している弁護士事務所もあります。このような理由から、弁護士報酬には差があるのです。

不貞問題に強い弁護士に着手金無料で不倫相談できる可能性

上記でご説明したように、弁護士報酬は、弁護士事務所によって自由に決められるので、金額はさまざまで、着手金無料という弁護士事務所もあります。皆さんの中には、「着手金無料の弁護士は、不貞問題に強いとは言えないのではないか」「不貞問題を扱う自信がないから着手金無料にしているのではないか」と疑問に思う方がいるかもしれませんが、そんなことはありません。

着手金無料の弁護士でも、不貞問題を扱った経験が豊富で、頼れる弁護士は多くいます。むしろ、弁護士が着手金無料で弁護活動を引き受けるのは、「弁護活動の成果に見合った成功報酬をいただける」という自信があるからこそということもできるでしょう。

たとえば、不倫・浮気の依頼で多い相談に、不倫した配偶者や不倫相手への慰謝料を請求したいというものがあります。具体的な相場は後でご説明しますが、この場合、不倫相手などに請求した慰謝料額や、実際に払わせた慰謝料額が経済的利益になり、その中から成功報酬をもらうというスタイルです。つまり、豊富な経験や実績から、不倫相手に慰謝料を払わせることができることを見越して、着手金無料にしている弁護士事務所もあるのです。

着手金無料の弁護士に不倫問題を依頼した場合にかかる費用とは

着手金無料の弁護士に相談し、依頼しても、弁護費用のすべてが無料になるわけではありません。ここでは、着手金を含めて、弁護士に依頼した場合にかかる弁護士費用をご説明します。

(1)着手金

今回ご説明しているのは、着手金が無料の弁護士についてですが、着手金は、弁護士に事件を依頼した段階で払うお金です。事件が不成功でも返還されませんし、報酬金の内金と考えることもできません。少し古い資料ですが、日弁連が行ったアンケートによると、不倫などの男女問題(離婚)の着手金は20~30万円というのが相場です(日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬ガイド」)。

(2)報酬金

報酬金は、弁護活動によって事件が成功した場合に、事件が終わった段階で払うお金です。100%成功した場合だけでなく、慰謝料を100万円請求して裁判で80万円が認められたような一部成功の場合も含まれます。成功報酬は、その成功の割合に応じて決まるのが通常です。ただし、裁判で全面敗訴したような場合は成功報酬を払う必要はありません。

男女問題の報酬金の相場としては、30万円程度というのが日弁連によるアンケート結果ですが、経済的利益の10~20%と設定している場合、慰謝料が高くなると報酬金も高くなるケースが多いです。着手金無料の事務所では、このような報酬金の契約になっているのが通常です。報酬金が発生する場合、パーセンテージなどを確認しておきましょう。

(3)手数料、日当

手数料は、弁護活動の中で事務手続をした場合に発生した費用をいい、日当は、弁護活動で外出するなどしたときに発生する出張費用のことです。たとえば、書類作成のための費用、離婚で財産を分ける手続きを任せた際の費用などが手数料や裁判所に出向いた際の出張費などを指します。

都度請求される場合もあれば、事件終了時にまとめて請求されることもあります。1回の事務手続きや出張で数万円~数十万円というのが相場ですが、時間報酬制(タイムチャージ)で、1時間当たり5,000~30,000円を設定している弁護士事務所もあります。

(4)実費

実費は、事件処理のため実際にかかったお金のことです。交通費や郵送代、裁判をする際に裁判所に納める印紙代などが含まれます。

(5)顧問料

顧問料は、弁護士と依頼者が一定期間、継続的に弁護活動を行う契約をした場合に発生するお金です。顧問料を払うと、その期間内は何度も法律相談ができますが、裁判をするなどの場合は別途着手金や報酬金が発生するという契約が多いです。また、顧問契約は、会社だけでなく、個人でも結ぶことができます。

着手金無料の弁護士に依頼すると得か損かの見分け方

(1)着手金無料の弁護士に依頼すると得な場合

着手金は、上記のように数十万円かかるのが相場です。弁護士に依頼したいけれど、ただちに弁護士費用を用意できないという場合は、着手金ゼロ円でも事件に着手してもらえるので、着手金無料の弁護士に依頼するのは得なケースと言えます。

また、報酬金についても、着手金無料・成功報酬制の契約をしている弁護士に依頼した場合は、仮に不倫相手が慰謝料を払わなかった場合には、成功報酬も発生しないことになります。そのため、あとから着手金を請求されたり、慰謝料が取れなかったのに高い報酬金を払う必要がないので、得になるケースと言えるでしょう。

(2)着手金無料の弁護士に依頼すると損な場合

着手金無料で弁護士に依頼できるのは、非常に魅力的で、助かる場合も多いと思います。しかし、不倫の状況や契約内容によっては、損になることもあるので、以下の点に注意してみて下さい。

①成功しなくても払わなければならない、固定報酬が設定されているか

固定報酬制の場合、不倫慰謝料をとれなくても報酬を払わなければいけません。

②成功報酬が発生するタイミングはどうなっているか

契約によっては、話し合いのステップが進むごとに報酬金が発生する場合があります。話し合いが長引くと思わぬ高額になることもあるので確認しましょう。

③日当や手数料の基準は高すぎないか

上記でご説明したように、弁護士によって差があり、意外な盲点となるのが日当や手数料の基準です。弁護活動が複雑になったり、不倫相手が遠方にいたりすると、最終的に非常に高額な手数料や日当がかかることもあるので、基準を確認しましょう。

③不倫(不貞行為)の事実は明らかになっているか

事実関係が不明なのに先走って依頼すると、弁護士が行う弁護活動が多くなり、タイムチャージによる日当や手数料が多くかかる場合があります。

上記のような契約内容をよく確認することで、着手金無料の弁護士に依頼することでかえって高い弁護士費用がかかったり、損になるかどうかを見極めることができると思います。契約で不明な点は、都度弁護士に質問しながら、ご自身にとって得か損かをじっくり検討して下さい。

着手金無料の弁護士に依頼する場合の3つの注意点

着手金無料の弁護士に依頼する場合は、信頼できる弁護士に出会うために、以下の3点に注意してみて下さい。

(1)サイトを見比べる

上記のように、弁護士に依頼する際には、着手金以外にも複数の項目の弁護士費用がかかります。最初、「着手金無料は得だ」と思っても、他の事務所に比べて高額の報酬金が設定されていたり、日当や手数料の単価が高いこともあります。着手金無料の事務所のサイト・ホームページをいくつか見て、ご自身の予算や経済状況で無理なく依頼できる弁護士事務所かどうかを比べてみましょう。

(2)依頼する前に法律相談を利用する

弁護士事務所では、いきなり契約をするのではなく、事前に弁護士による法律相談を受けられるのがほとんどです。法律相談は無料の所もおおいですが、相談料がかかる場合は30分5,000円というのが相場です。依頼する弁護士が、人間的に信頼に値するか、ご自身の話を親身に聞いてくれるか、質問に分かりやすく答えてくれるか等、法律相談を利用して見極めましょう。法律問題の解決は、弁護士に依頼したら終わりではありません。

特に、夫婦関係や家族、これからのご自身の生き方が関わる不倫問題では、弁護士との信頼関係が何よりも大切です。専門性が高く、任せられる弁護士か、まずは気軽に法律相談に行かれることをおすすめします。

(3)費用の見積もり、説明を依頼する

よく、弁護士に依頼してからでないと、弁護士費用について見積もりを出してもらったり、質問できないとお考えの方がいらっしゃいますが、そんなことはありません。依頼する前からでも、弁護士費用について質問したり、費用感を出してもらうことができます。

ただし、どういう状況で、今後どうしたいかによって、取るべき弁護活動が異なるので、それにより弁護士費用も変わってきます。たとえば、いきなり電話で「お宅の事務所に不倫問題を依頼したらいくらかかるのか」と突然聞いても、一般論しか答えられません。法律相談を利用して、弁護士に状況を説明し、どうしたいのかを伝えたうえで、費用がいくらかかるかの見積もりを出してもらうと、より具体的なアドバイスを受け、検討をすることができます。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、着手金無料の弁護士事務所に不倫問題を依頼した場合の費用感や弁護士選びの際の注意点についてお話しさせていただきました。着手金無料の弁護士事務所でも、安心して任せられる弁護士は多くいます。ホームページを見比べたり、法律相談を利用するなどして、ぜひご自身に合う弁護士を見つけてください。不倫問題でお悩みの方や、弁護士に依頼したいけれど費用に不安がある方は、まずはお気軽に弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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