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熟年夫婦が離婚を選ぶ10の理由・決断前に知っておきたいデメリットとは?

「配偶者と離婚を考えているけれど、今さら別れるのもなぁ。」

こんな風に考えて離婚を躊躇してはいませんか?

実は、熟年離婚は近年増加しており、決して珍しいことではありません。
夫の定年退職や子供の独立を機に、新たなスタートを切る方は意外と多いのです。
何十年も連れ添った相手と今さら離婚するのは何故なのでしょうか?

熟年離婚を検討している方には参考になりますので、ぜひご一読ください。

熟年離婚は増加傾向にある

「熟年離婚なんて周りにいないし、今さら離婚したいなんて自分はおかしいのだろうか。」
熟年離婚を検討する方の中には、こんな風に考える方もいるかもしれません。

しかし、熟年離婚の夫婦は増加傾向にあります。
昭和60年と平成28年の統計を比較すると、離婚件数はおよそ1.4倍、そのうちの2割近くを熟年離婚が占めているのです。

では、熟年夫婦はなぜ離婚に踏み切るのでしょうか。具体的にどんな理由で離婚するのかを見てみましょう。

参考:厚生労働省「平成28年人口動態統計月報年計(概数)の概況・結果の概要」「離婚の年次推移

熟年夫婦が離婚する理由

熟年夫婦は、離婚してから20年以上経過しているケースも珍しくありません。
これまで連れ添ってきたにも関わらず、離婚を選ぶのにはどんな理由があるのでしょうか。

ここでは、熟年夫婦に多い離婚理由を10つ紹介していきます。

(1)子供が独立し夫婦でいる理由がなくなったため

子供が独立したことをきっかけに離婚するというケースがあります。

もともと配偶者に対する不満はあったけれど、未成年の子がおり経済的に不安なため、離婚を我慢していた場合、子供が手を離れたタイミングで離婚を考える傾向があります。

子供を育てている間は「子に不自由させたくない」という気持ちから、夫婦を続けていても子供が自立した後は夫婦でいる必要がなくなるため、熟年離婚に踏み切るパターンです。

(2)家庭を顧みない態度に嫌気が差したため

配偶者の家庭を顧みない態度に愛想が尽きてしまい、離婚を決意することもあります。
定年退職をして一日中家に居るようになっても、働いていた頃と同じような態度で家に居ることが配偶者の癇に障るケースです。

外で働いている期間は、家や子供のことは妻に任せて自分は外でバリバリ働く、という分担も可能だったかもしれません。
しかし定年後も自発的に家事に取り組まず、協力の姿勢もないため、少しずつ愛情が冷めていったという離婚理由は意外と多いです。

この先も夫の世話をし続けることに嫌気が差したため、離婚して人生を再スタートしたい、というのも熟年離婚の理由として時折見られるものです。

(3)家庭に居場所がないため

家庭に自分の居場所がなく「結婚していても孤独を感じるだけなので熟年離婚を選ぶ」というのも、熟年離婚の理由の一つです。

たとえば男性側だと、定年退職後に戻ってきた家庭が「妻」「子」「義両親」で完成されており、自分がよそ者のように感じてしまうという例が挙げられます。
子供が中心の家や、義両親がしょっちゅう出入りしている家庭に多いようです。

また、それまで家事育児にほとんど参加できず妻の不興を買っていた場合、定年後に戻ってきた家庭で冷遇されてしまうこともあります。

(4)一日中一緒にいることに耐えられなくなったため

配偶者と一日中一緒にいることに耐えられなくなり、離婚を決意する人もいます。というのも、定年退職後は昼間も配偶者と一緒に過ごす時間が増えるからです。

仕事をしていて、昼間に顔を合わせることが少なければ、配偶者と多少相性が悪かったり、生活習慣が食い違っていたりしても受け流せることはあります。
しかし、退職後に共有する時間が増えると、それまで目をつぶれていた互いの欠点に我慢できなくなることがあるのです。

話し合いにより解決できる夫婦であれば問題ないのですが、それまでの習慣や性格を、年齢を重ねてから修正するのは大変なことです。
結果として定年退職後に夫婦仲が急速に悪くなり、離婚に至ることもあります。

(5)夫・妻の介護をしたくない

配偶者の介護をしたくないという理由から離婚に至るケースも存在します。

人間は年を重ねると少しずつ体が動かなくなってくるものです。熟年夫婦にとって、配偶者の介護は決して他人事ではありません。
配偶者に介護が必要になるという可能性に思い至ったとき、「やりきれる自信がない」「まだ自分の人生を楽しみたい」という理由から、離婚を検討する夫婦も見られます。

また、もともと仲が良くない夫婦の場合も、介護の可能性が離婚の引き金になることがあります。

(6)舅・姑の介護をしたくない

離婚の引き金となる介護問題は、何も夫婦間のものだけではありません。
義両親の介護を拒否する気持ちから、離婚に至ることもあります。

介護は介護者の負担が大きくなりがちです。
実の親であっても、仕事や生活とのバランス、精神的な問題から「自宅介護ではなく施設への入居を選ぶ」という選択をする方もいます。
それが義父や義母であればなおさら抵抗感は強いものです。

また、熟年離婚でしばしば見られるのは、「夫が妻を当然のように親の介護要員とみなしている」ケースです。
妻からすると、自分の意思を無視され、特別親しいわけでもない義理の親の介護を当たり前に押し付けられることになります。これでは反発するのも仕方ないでしょう。

この例のように、義両親の介護を夫に丸投げされ、愛想を尽かしてしまうこともあります。

(7)不倫をしている

配偶者がいるにも関わらず、外に不倫相手を作ってしまい離婚を検討することもあります。離婚して不倫相手と人生を歩むことを希望するパターンです。

単なる火遊びの浮気であれば、不倫している側から離婚を切り出すことは少ないようです。一方、浮気が原因で熟年離婚を希望している場合、不倫相手との将来を真剣に考えていることもあります。

不倫は配偶者に対する不法行為です。
当然、配偶者にばれてしまうと慰謝料請求の対象になります。
そのため、離婚を切り出す際は他にもっともらしい理由をつけて離婚してくれるよう頼んでくることが多いです。

(8)相手の退職金を確保したいから

離婚時の財産分与として配偶者の退職金を受け取りたいからという理由で、定年退職後に離婚を切り出す場合があります。
離婚自体は以前から検討していたけれど、配偶者が退職金を受け取るまで待っていたパターンです。

財産分与の対象になるのは、婚姻期間中に協力して築いた共有財産です。
これだけ見ると退職金は財産分与に含まれないようにも思えます。
しかし、退職金は「給与の一部を後払いしている」という性質のお金です。そのため給与から出る預貯金と同じように財産分与の対象となります。

(9)義実家と相性が悪い

舅や姑を始めとする義実家の面々との相性が悪く、我慢が限界を迎えて離婚を決意することもあります。
婚姻関係は本来夫婦の間の問題です。
しかし、結婚してからも配偶者と義両親が頻繁に交流しているような場合、義実家との仲が夫婦関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。

たとえば、同居の姑と妻の相性が悪いケースなどは典型的です。

  • 夫に相談しても取り合ってくれない
  • 義母の味方ばかりして一緒に責めてくる

こういった夫婦だと、妻は長年のストレスから夫への愛情が冷めてしまうこともあります。
離婚して人生を再スタートしたいという思いから離婚を選択する理由となります。

(10)離婚時の年金分割が可能になったから

平成19年から離婚時の年金分割が可能になったことも、熟年離婚に踏み切る理由の一つです。

年金分割とは、年金の算定の元となる「厚生年金の納付記録」を、離婚した配偶者に分割する制度です。
所定の条件を満たすことで、婚姻期間に応じて離婚後に配偶者の年金の一部を受け取ることができます。

この制度により、それまで専業主婦で離婚後の生活に不安を感じていた層が夫の年金の一部を受け取れるようになりました。
離婚後の生活の不安が軽減したことから、離婚を選ぶこともあります。

参考:日本年金機構「離婚時の年金分割

熟年離婚にはどんなデメリットがあるのか

熟年離婚で新しいスタートを切ることを検討するとき、気になるのがそのデメリットです。離婚してから後悔しないために、あらかじめ知っておきたいところだと思います。
内容を確認していきましょう。

(1)財産分与で資産が減る場合がある

財産分与で配偶者に財産を渡さなければならないことがあります。

財産を受け取れるか、渡すことになるかは「共有財産がどちらの名義になっているか」が判断基準です。
例えば、夫の預貯金を妻が自分名義で一括管理しているような状態であれば、妻名義の預金から夫に財産分与が発生する場合があります。

財産分与の対象には、預貯金の他に「自宅などの不動産」「車」「株などの有価証券」なども含みます。
夫婦で協力して築いた財産であれば、どちらの名義かに関わらず共有財産になるので注意が必要です。

離婚の際は財産を受け取れることもありますが、支払わなければならないケースも存在することを頭に入れておきましょう。

(2)ひとり暮らしになる

離婚をすると配偶者とは生活を別にすることになります。「子供と同居する」「実家で兄弟と暮らす」などの事情がなければ、多くはひとり暮らしになるでしょう。

離婚時の年齢にもよりますが、高齢になってからのひとり暮らしは苦労するかもしれません。
離婚前に家事を分担していたのであれば全て一人でやることになりますし、話し相手もいなくなります。

また、高齢者のひとり暮らしのでは、マンションなどの部屋を借りようとしても拒否されることがあります。
病気などで倒れても周囲に気付かれにくいため、そのまま亡くなってしまい物件の価値が落ちることを恐れてのことです。

このように、熟年離婚後のひとり暮らしは一筋縄ではいかないこともあります。
熟年離婚を検討する場合はひとり暮らしのリスクも考慮した上での決断が必要です。

(3)子供に気を遣わせることになる

熟年離婚は、多少なりとも子供に気を遣わせることになります。

まず、配偶者との離婚協議の段階で、子供を巻き込むことは珍しくありません。
熟年離婚の協議では子供に間に入ってもらう場合や、離婚について子供に相談するケースもよく見られます。
離婚協議の際に子供が両親の板挟みになることも多いのです。

また、子供の気遣いは離婚後も続きます。
ひとり暮らしになった親の世話や、離婚前より煩雑化する遺産分割の手続きなど、熟年離婚によって子供の苦労が増えることは少なくありません。

離婚して子供に気を遣わせることに抵抗がある方は、離婚前に子の負担を軽減できるよう準備をしておきましょう。

熟年離婚の準備は弁護士に頼んだ方が良い?

熟年離婚を検討する際、交渉や手続きのために弁護士を頼んだ方がよいのでしょうか。

結論から言うと、離婚自体は当事者だけでもできますが、熟年離婚の場合は様々な理由から弁護士に依頼した方がスムーズに進むことが多いです。
順に詳しく見てみましょう。

(1)話し合いがまとまらない場合は弁護士に依頼する

離婚協議が円滑に進まないことが予測される場合、最初から弁護士に依頼して同席してもらうことをおすすめします。

離婚での話し合いでは、夫も妻も法律には疎いことが珍しくありません。
財産分与にしても慰謝料の決定にしても、明確な基準が分からないため交渉が難航することも多いのです。
こんなとき弁護士に依頼しておくと、過去の事例や法的な知見から、客観的な指標や基準を提示してくれます。

また、離婚を切り出されたことに激昂した配偶者が「お前にやる財産などびた一文ない!」と取り付く島もないような状態でも、弁護士が同席するだけで冷静に話ができることもあります。

このように、条件交渉がまとまらないケースでは弁護士に依頼した方がスムーズに協議が進むことも多いのです。

(2)弁護士は代理人として配偶者と交渉できる

弁護士に依頼する大きなメリットの一つとして、弁護士は代理人として配偶者と交渉ができるという点があります。

弁護士に「代理人として代わりに配偶者と交渉してほしい」と依頼すると、以降は弁護士が依頼者に代わって配偶者との交渉を行うため、直接話をする必要がなくなります。

特に、夫から暴力や過剰な暴言(モラルハラスメント)を受けているような場合は、代理人を通じて交渉を行った方が身のためです。
ケースにもよりますが、依頼してから離婚まで一度も配偶者に会わずに済むこともあるでしょう。

配偶者と直接話をしたくない、会いたくないといった希望がある方は弁護士の利用をおすすめします。

(3)財産分与の計算をしてくれる

熟年離婚の離婚協議で、難関となる項目の一つが「財産分与の計算」です。
長年連れ添った夫婦はその分共有財産が多く、整理するのに相当の手間がかかることもあります。

  • そもそもどこまでが共有財産なのか
  • どのように分配するべきなのか
  • 現金以外の財産をどのように評価するのか

このように、当事者だけで財産分与を行うケースでは明確にしなければいけないポイントがいくつも存在します。
弁護士に依頼している場合、財産分与の計算はかなり簡略化することが可能です。
財産の内訳と量を整理しておけば、財産の評価や、財産をどう分けるかという点でも基準や過去の例を提示してくれるので、大きな助けになるでしょう。

財産が多いケースは、弁護士に財産分与の計算を任せることをおすすめします。

まとめ

長年共に暮らしてきた配偶者であっても、「これから先の人生でずっと一緒にいることは難しい」と感じるのであれば、熟年離婚するのも一つの方法です。
お互いが新たな人生を歩むための選択肢の一つとして覚えておきましょう。

記事中で紹介したように、熟年離婚にはメリットと同時にデメリットも存在します。
離婚してから後悔をしないよう、事前に知った上で離婚を検討してください。

配偶者と離婚協議が難航しそうな場合は、弁護士への依頼を検討してもよいでしょう。
現在は相談料・着手金無料の事務所も多いので、相談してみてから依頼するか決めることもできます。
離婚協議をどうすすめればいいのか分からない、財産分与がいくらになるか分からない、と疑問を持ったときは一度連絡してみることをおすすめします。

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