1. 不倫慰謝料請求ガイド
  2. 令和の養育費改定

子供1人の場合の養育費の相場|令和の養育費改定についても解説


「離婚を考えているけれど、子どもの養育費が心配」
「離婚で子どもに不自由をさせたくないので、養育費はできるだけ多く欲しい」
離婚をご検討の方の中には、養育費の金額でお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

2019年末、養育費を算出する基準となる養育費算定表が改定されました。
ニュースをご覧になり、関心を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

これは、養育費の算定基準が低すぎると従来から批判があったことや、所得税の税率などを反映して改定されたものです。
この改定によって受け取る養育費がどのように変わるのか、気になっている方も多いかと思います。

そこで今回は、子ども1人の場合の養育費の相場について、令和の養育費改定を踏まえてご説明します。

離婚後に養育費をもらうための条件とは

子どもがいる夫婦が離婚しても、親であることに変わりはありません。そのため、親は離婚しても子どもを扶養する義務があります(民法877条1項)。

そもそも未成年の子どもがいる夫婦が離婚するときは、夫婦の一方を親権者に定めなければいけません。親権者は、子どもと一緒に住み、扶養する監護権を伴うのが通常です。

子どもを監護する側の親は、もう一方の親に対して、子どもを監護、教育するために必要な、子どものための生活費を請求することができます。このお金が養育費です。
つまり養育費をもらうためには、子どもの親権者・監護権者になることが必要です。

養育費は、未成年の子どもが成人するまで請求できるのが原則です。民法の改正によって、令和4年4月から、成人年齢が20歳から18歳へ引き下げられるので、養育費の支払年齢が気になる方もいらっしゃると思います。

最高裁判所司法研修所が出した研究報告書では、子どもの多くが18歳時点では経済的に自立していないとして、20歳まで養育費を支払うべきとしています。
参考:平成30年度司法研究「養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究」研究報告の概要

ただし、現在でも、子どもが18歳で結婚したり、高校卒業後に就職して扶養義務がなくなったりなどの個別の事情に応じて養育費を払う義務がなくなることがあります。

反対に、成人を超えても学生であるなどして独立の社会人として自立していないような場合には養育費の支払が続くこともあります。

養育費の相場に含まれる、請求できる費用の種類

養育費とは、未成熟な子どもが自立するまでに必要な生活費用のすべてを指します。
具体的には、次のようなものが含まれます。

  • 食費
  • 交通費
  • 住居費
  • 被服費
  • 医療費
  • 教育費
  • 娯楽費

ただし、上記の費用についても、夫婦の個別の事情によって親の生活水準と同じ程度の生活水準を維持できるかによって判断されます。

たとえば、教育費についてみると、原則として小学校、中学校、高校までは含まれますが、公立学校なのか私立学校なのか、大学に進学する場合の入学金や授業料、塾代などを含むか等については、両親の学歴や生活レベルなどを含めた事情により個別に判断されることになります。

離婚で子供一人、養育費相場の計算方法

(1)相場の計算前に調べておくべき2つの事項

養育費を計算する際は、家庭裁判所で養育費の算定をする際に利用されている考え方を踏まえた「養育委算定表」を用いて算出します。
養養育費算定表は、子どもの人数、年齢、親の年収をもとに、現在の社会情勢で妥当と考えられる慰謝料額の目安を表にしたものです。

この表を利用する際には以下の2点を事前に調べておきましょう。

①養育費を支払う側、請求する側の親の年収

養育費算定表は、養育費を支払う側の親の年収と、請求する側の親の年収をもとに算出し、給与所得者か自営業者によって基準が若干異なります。サラリーマンなど給与所得者の場合は源泉徴収票、自営業者の場合は確定申告書を確認して、正確な年収を出しておきましょう。

②子どもの教育費の目安

養育費算定表で出すのは、あくまで一般的な目安の金額です。
公立校か私立校かで出費も変わってくるので、交渉を踏まえて子どもの教育費の目安を出しておきましょう。

平成30年の学習費統計によると、幼稚園から高校まで公立校の場合の15年間の学習費は約541万円、私立の場合は1,830万円とされています。
参考:文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査の結果について

大学まで含めると、平成25年の資料では、効率の場合は約1,020万円、私立の場合は文系2,360万円、理系2,489万円とされるなど、進路でかなり差があります。

(2)令和の養育費改定で変わった養育費相場

令和元年、養育費算定表が16年ぶりに改訂されました。
従来の算定表が作成された2003年当時の社会情勢を基準に作成されていたため、金額が低く実態に合わない、特に母子家庭の貧困化を招くなどの批判がありました。
これを受けて改定された令和の新養育費算定表では、16年前に比べて費用が高額化した食費・光熱費、子どももスマホを持つようになったことによる通信費の増加などの事情を踏まえて作成されています。

これにより、養育費は概ね増額傾向になりました。
平成29年の源泉徴収義務のある民間会社に勤務している給与所得者の平均年収432万円を基準に、片方の配偶者が扶養控除内のパート職だったと想定し、子どもが1人いる場合の養育費の相場の変化を見てみましょう。
参考:国税庁「平成29年分民間給与実態統計調査結果について

①養育を支払う側の親の年収が400万円、請求する側の親の年収が100万円、子ども1人10歳のケース

旧算定表の養育費は月額2~4万円、新算定表では4~6万円

②養育を支払う側の親の年収が400万円、請求する側の親の年収が100万円、子ども1人15歳のケース

旧算定表の養育費は月額4~6万円、新算定表では6~8万円

収入や子どもの年齢など諸条件によっては、養育費改定を受けても金額が変わらない
場合もありますが、全体的には増額すると言えるでしょう。

養育費の相場より増額される場合とは

養育費は、夫婦が合意すれば養育費算定表の額に関わらずいくらでも構いません。
養育費を一度決めても、以下のような子どもや夫婦の状況の変化があれば、養育費を変更できる場合があります。

ただ養育費を増額する場合は、当初養育費額を決めた時点では予測できなかった事情の変化があることが必要です。

(1)教育費の増加

子どもの進学や学校の授業料の値上げなど、子どもの教育費が増加した場合には養育費の増額が認められる場合があります。

(2)習い事などの事情

子どもが塾に通い始めたなど、習い事の事情によっても慰謝料が増額される場合があります。

(3)子供の病気やけが

子どもが病気やけがで入院したり特別な治療が必要になったりなどして、高額の医療費が必要になった場合は、慰謝料の増額が認められる場合があります。

(4)親側の収入減少や病気など

養育費を請求する親が無職になったり、病気で収入が減少したりなどの事情があったケースでは養育費の増額が認められる場合があります。

養育費の相場よりも減額される場合とは

(1)親の再婚と経済状況の変化

養育費を請求する側の親が再婚をして、再婚相手が扶養してくれるようになった場合、養育費の減額が認められる場合があります。
また、再婚の有無にかかわらず、養育費を請求する側の収入が大幅に増えたような場合も、養育費の減額が認められる場合があります。

(2)支払う側の収入減少

反対に養育費を支払う側の親の収入が、けがや病気、会社の不況などで減少した場合には、養育費の減額が認められる可能性が高いです。

(3)支払う側の扶養家族の増加

養育費を支払う側の親が再婚して扶養家族が増えた場合、親を扶養家族に加えたような場合などは、可処分所得が減って養育費を支払う余裕がなくなるため、養育費の減額が認められる場合があります。

相場に見合う養育費を必ず払ってもらうための対処法

養育費は原則として分割で毎月支払います。しかし、日本では8割以上が途中で不払いになると言われています。
そのため、養育費の不払いや、支払い拒否に備えて、養育費をきちんと回収できるように対処しておくことが大切です。

(1)養育費の不払いが発生した場合

まずは口頭で相手に支払いを請求し、応じない場合は内容証明郵便で請求します。
内容証明郵便は、誰が、誰に、いつ、どのような内容の手紙を送ったかを証明してくれるものです。
手数料はかかりますが、後日請求したことの証拠としてりようできます。

(2)調停を利用する

内容証明にも相手が応じない場合は、調停を申し立てて請求します。
調停は、第三者を入れて行う話し合いの手続きで、家庭裁判所に申し立てます。
話し合いがまとまると判決と同じ効力を持つ調停調書が作成されます。

合意しても相手が払わない場合は、調停調書に基づいて相手の財産から養育費を回収することも可能です。

(3)履行勧告・履行命令を行う

養育費の支払に関する調停調書や判決があれば、裁判所が支払いを勧告する「履行勧告」を出してもらい、相手に心理的プレッシャーをかけることができます。

それでも相手が応じない場合は、一定期間内に養育費を支払うよう命じる「履行命令」を出してもらうことも可能です。
履行命令には強制力はありませんが、正当な理由なく拒否すれば10万円以下の過料になります。

(4)強制執行をかける

強制執行は、養育費を払わない相手への最終手段です。強制執行は、裁判所が相手の預貯金などの財産を差押えて現金化し、そこから養育費を強制的に確保する手続きをいいます。
強制執行をかけるためには、債務名義といって強制執行をかけられる法的文書があることが必要です。

債務名義には、和解調書、調停調書、勝訴判決などがあります。
夫婦で合意した内容を文書にして、公証役場で強制証書認諾条項(不払いになったら強制執行してもいいという条項)付きの公正証書にしておきます。

養育費の相場について弁護士に相談するメリット・デメリット

養育費の相場は自分でも概算を出すことはできますが、個別の事情に応じた額を交渉するのは個人では難しいことも多いです。

このような場合に弁護士に相談するメリットとしては次のようものがあります。

  • 夫婦の状況に応じた養育費の相場を算出してもらえる
  • 養育費が不払いになった場合の交渉方法を相談できる
  • 養育費が不払いになった場合に代わりに交渉してもらえる

一方、弁護士に相談するデメリットとしては次のようなものがあります。

  • 弁護士費用がかかる

弁護士相談料の目安としては、1時間1万円というのが相場です。
ただし、最近は、初回相談料無料という事務所も多いので、まずはホームページなどで確認してみましょう。

まとめ

今回は、養育費の相場について、改定された養育費算定表を含めてご説明しました。
養育費は、親権者となった親が子供を育てていく上で大切なものです。

しかし適正な養育費を算出し、確実に払ってもらうのは、夫婦間の話し合いだけでは難航するケースも少なくありません。
そのような場合は弁護士に相談することでスムーズな解決を図れることも多いです。
養育費でお悩みの方はまずはお気軽に弁護士にご相談ください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

ページトップ