1. 不倫慰謝料請求ガイド
  2. 熟年離婚の準備

熟年離婚後に後悔しないための準備方法とは?必要なものや相談先も解説

熟年離婚の準備は考えるべきことがたくさんあります。
離婚後の生活費や住居、老後など、先を見据えた入念な準備が必要です。
本記事を読んでいる方は「熟年離婚の準備を始めたいけど、何から手をつけたらいいのかわからない」と考えている方が多いのではないでしょうか。

今回はそんな方に向けて、熟年離婚の準備を進めるために必要な知識に加え、準備方法や相談先、離婚を申し出るタイミングを解説します。
好条件で熟年離婚したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

熟年離婚の準備を進めるために必要な知識

本項目では、熟年離婚の準備を進めるうえで必要な知識について解説します。
必要な知識は以下のとおりです。

  • 離婚請求
  • 慰謝料請求
  • 財産分与
  • 年金分割
  • 親権や養育費

これから解説する内容について知っておけば、スムーズに熟年離婚の準備を進めやすくなります。
準備を進める前に、離婚やお金に関する知識についてぜひ確認してみてください。

(1)離婚請求

熟年離婚の準備を進める前に、そもそも離婚できるのかについて確認しておきましょう。
「一緒に老後を過ごしたくないから離婚する」といった理由だけでは、離婚できないことがあります。
いざ熟年離婚を配偶者に申し出ても、離婚できなければすべての準備が無駄になりかねません。

ですので、まずは以下の内容について確認しておきましょう。

法定離婚事由 内容
配偶者以外の異性と不貞行為を働いた 夫(妻)が配偶者以外の異性と肉体関係を持つ
悪意で遺棄された 夫(妻)が生活費を渡さない、理由もなく別居する
3年以上生死不明の状態である 夫(妻)の生死が3年以上不明
強度の精神病にかかり回復の見込みがない 夫(妻)が原因で精神病にかかり回復する様子がない
その他婚姻を継続し難い重大な事由がある 家庭内暴力、モラハラ、浪費癖、長期間別居状態など

民法770条1項には、以上の内容が法定離婚事由として定められています。
法定離婚事由とは、離婚裁判を起こすために必要な条件のことです。
離婚は夫婦で話し合い、お互いに合意して成立することが多いです。
しかし、どちらかが離婚に反対し続けた場合は、裁判を起こすことになります。

熟年離婚する場合は「その他婚姻を継続し難い重大な事由がある」として、離婚請求することになるでしょう。
その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当するケースには、家庭内暴力やモラハラなどがあります。
配偶者が離婚に合意しない場合は、家庭内暴力やモラハラなどが発生したとわかる証拠を集めて、裁判時に提出しましょう。

性格の不一致だけを理由に離婚する場合は、どのように夫婦関係が破綻したかが重要です。
離婚できるかどうか不安な方は、離婚問題に強い弁護士に相談してみましょう。
離婚について具体的なアドバイスがもらえるので、離婚の準備を進めやすくなります。

(2)慰謝料請求

配偶者と離婚する際、離婚慰謝料を請求できる可能性があります。
離婚慰謝料とは、離婚の原因を作った有責配偶者が、離婚により負った精神的苦痛に対して支払う賠償金のことです。
離婚慰謝料を請求できるケースは以下のとおりです。

  • 配偶者以外の異性と不貞行為を働いた
  • 家庭内暴力やモラハラを受けた
  • 悪意で遺棄された

熟年離婚に至る理由がいずれかのケースに該当する場合は、精神的苦痛を負った証拠を集めて示談交渉や裁判時に提示しましょう。

(3)財産分与

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産を清算、分与する制度のことです。
離婚慰謝料とは別に、財産分与により配偶者からお金を受け取れます。
ご自身の財産も分与対象であると留意しておきましょう。

専業主婦(主夫)で働いていなくても、配偶者を支えることで貢献しているため財産を受け取れます。
働いていないからといって、財産を分与されないことはありません。

分与対象となる財産と分与の割合の目安は以下のとおりです。

財産 分与の割合
預貯金 半額
有価証券 離婚時の評価額の半額
私的年金 受取見込み額の半額
不動産や車 売却金の半額
保険解約返戻金 解約時の返戻金の半額
退職金 退職金を勤続年数で割り、婚姻期間の年数分の半額
住宅ローンなどの負債 売却時の金額から負債分を差し引いた金額の半額

住宅ローンなどの負債も分与対象です。
住宅や車などのローンについては、売却時に得られる金額から負債分を差し引いて分与します。
以上の分与の割合はあくまで目安で、離婚時に具体的な数値を決めます。

以下の財産は分与の対象となりません。

  • 婚姻期間外に貯めていたお金
  • 相続で得た不動産や預貯金などの財産
  • 別居期間中に築いた財産

離婚時に清算、分与する財産は、婚姻期間中に築いた財産のみです。
ですので、結婚前だけでなく、相続で得た財産も分与対象外となります。
また、婚姻期間中でも別居期間中に築いた財産も分与対象外です。
離婚前に別居すると分与される財産が減るので注意しましょう。

離婚後に一方の配偶者が十分な収入を得られない、分与する財産がない場合は、扶養的財産分与が行われることもあります。
扶養的財産分与とは、収入のある夫(妻)が配偶者に毎月定期金を支払う制度のことです。
給付期間については、設けるかどうかを離婚時に話し合います。

(4)年金分割

年金分割とは、婚姻期間中に夫婦のどちらかが納付した厚生年金保険料の支払い実績を分割する制度のことです。
2015年10月1日に被用者年金一元化法が施行されたので、厚生年金に統一された共済年金の支払い実績も分割します。
ただし、同年9月30日までに年金分割の手続きを済ませている場合、共済年金の支払い実績は分割しません。

年金分割の方法には、以下の2種類があります。

分割方法 内容 請求期限
合意分割 分割の割合を双方合意のもと決定する
一方が合意しない場合は、年金分割調停を行う
離婚日の翌日から2年以内
3号分割 双方の合意に関係なく、厚生年金保険料の支払い実績を半分に分割
2008年4月以降から離婚日までの婚姻期間が対象
離婚日の翌日から2年以内

年金分割の割合は、基本夫婦の話し合いで決定します。
割合が話し合いで決められない場合は、離婚の翌日から2年以内に年金分割調停を行います。
調停では調停委員会が双方の言い分を聞いて配偶者の代わりに話し合うため、顔を合わせる必要がありません。
当事者同士で話し合わないため、スムーズに分割割合を決められます。

年金分割にはデメリットもあるので確認しておきましょう。
内容は以下のとおりです。

  • 遺族年金がもらえなくなる
  • 年金受給前に離婚すると加給年金や振替加算分がもらえなくなる

本来もらえるはずの分が受け取れなくなるので注意しましょう。
年金分割についてよくわからない場合は、弁護士事務所や年金相談センターに相談してみてください。

(5)親権や養育費

離婚時に未成年の子どもがいる場合は、親権や養育費についても話し合います。
夫婦のどちらが親権者になるかは、話し合いで決められます。
審判離婚や裁判離婚する場合、裁判所が親権者を決定するので話し合いは行いません。

養育費とは、20歳未満の子どもの食費、学費、医療費などを含めた費用のことです。
親権を持つ親権者は、非親権者に対して養育費を請求できます。
養育費には明確な相場がないため、各家庭の経済状況や裁判所が公表している「養育費・婚姻費用算定表」を基準にして決めます。

子どもの気持ちを尊重したうえで、配偶者と親権や養育費について話し合いましょう。

熟年離婚後に後悔しないための準備方法

離婚請求やお金などに関する知識をもとに、熟年離婚の準備を進めていきましょう。
熟年離婚の準備を進める際は、老後の生活を視野に入れて、どこでどのように生活するのか考えます。
本項目では、離婚後に後悔しないための準備方法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは詳しく見ていきましょう。

(1)資格取得や仕事探しをする

専業主婦(主夫)の方は、離婚する前に資格取得や仕事探しを始めておきましょう。
資格を取得しておけば、就職先の幅が増えたり給料の増額につながったりすることもあります。

ただ、資格取得にはお金がかかるので、無理に取得する必要はありません。
金銭的に余裕がある方は、離婚後の就職を想定して資格取得を目指しておくといいでしょう。

離婚時に就職できていれば、生活費で困ることはありません。
財産分与で得た財産は生活費に充てず、病気などの万が一に備えて保管しておくとより安心です。
就職経験がなかったりブランクが長かったりして不安な方は、以下の方法で仕事を探しましょう。

  • ハローワークに相談する
  • 転職サイトを活用する

ハローワークには相談員が在籍しており、無料で就職について相談できます。
転職サイトでは、スタッフが電話で相談に乗ってくれることがあります。

以上のように、就職について相談に乗ってくれるサービスがあるので、不安な方は利用してみましょう。

(2)老後までの生活費を計算する

離婚後から老後までの生活で必要な費用について計算しておきましょう。
あらかじめ必要な生活費を把握しておけば、生活設計を立てやすいです。
考えるべき内容は以下のとおりです。

  • 財産分与でいくらもらえるのか、渡すのか
  • 一人暮らしの生活費は月いくら必要なのか
  • 離婚後に就職して月いくら稼ぐことができそうか
  • 年金受給開始まであと何年か
  • 年金はいくらもらえるのか

離婚時に手元に残るお金を把握したら、月当たりの収支を試算しておきましょう。
年金がいくらもらえるのかを正確に把握したい方は、年金相談センターに相談して教えてもらってください。
離婚前に老後までの生活費を計算しておいて、お金に関する不安を取り除いておきましょう。

(3)離婚後の住居について考える

住居 注意点
財産分与で家をもらう 維持費、固定資産税、保険料などがかかる
住宅ローンの残りを支払う
持ち家があると生活保護を受給できない
賃貸に住む 初期費用で数十万かかる
家賃が発生する
収入次第では審査が通らない
実家に帰って住む 相続する場合は維持費や税金がかかる

離婚後の住居については、以上の3パターンが考えられます。
いずれのパターンも注意点があるので、離婚する前に以下の内容を考えておきましょう。

  • 住居にかかる費用
  • 賃貸契約時の審査に通るか
  • 病院に通院しやすいか

財産分与で家をもらえず賃貸契約時の審査に通るか不安な方は、公営住宅の入居を検討してみてください。
公営住宅は家賃が安く、礼金、仲介手数料、更新料などの手数料が発生しない物件です。
詳細はお住まいの地域の自治体に問い合わせてみてください。

また、老後を想定して、居住予定地から通院しやすいかも確認しておきましょう。

(4)一人暮らしで困ることを洗い出す

離婚後に一人暮らしをする予定の方は、困ることを事前に洗い出しておきましょう。
本項目では、女性と男性の場合に分けて考えておくべき内容について解説します。

①女性の場合

女性の場合は男手がなくなるため、以下の状況で困りやすくなります。

  • 重い物を運ぶ
  • 夜に外で物音がする

引越し時に荷物を運んだり、家具を配置したりする場合、女性一人では荷物の重さに困るかもしれません。
ですので、引越し業者を選ぶ際は、荷物を建物内に搬入してくれる企業を選びましょう。

そして、夜に外で物音がした場合、女性一人だと心細いです。
万が一に備えて、すぐに警察を呼んだり、誰かと連絡を取れるようにしたりしておきましょう。

②男性の場合

男性で専業主夫を経験していない方は、以下の状況で困りやすくなります。

  • 炊事洗濯
  • 健康管理

今まで妻に炊事洗濯や健康管理を任せていた方は、離婚を機に家事や健康管理の方法について学びましょう。
また、一人暮らしをする場合は、暴飲暴食やタバコを吸い過ぎても止めてくれる人はいません。
ご自身の健康を損なわないように注意しましょう。

(5)気軽に相談できる人間関係を築く

先ほど解説したとおり、一人暮らしを始めると困ることが出てきます。
一人暮らしを始めると、孤独や健康管理で不安を覚える方がいるでしょう。
病気で体調を損ねてしまった場合、一人だと肉体的、精神的に心細いです。

ですので、普段から気軽に頼れる人間関係を築いておきましょう。
定期的に一緒に食事をしたり出かけたりなど、気分転換できる知り合いもいれば精神的に楽です。
職場やご近所、町内会などで、積極的に人間関係を築いておきましょう。

(6)人生の生きがいを見つける

特にこれといった趣味がない方は、生きがいを見つけておきましょう。
熟年離婚後に子どもと同居しない場合、一人暮らしをすることになります。
一人暮らしが平気な方がいれば、孤独を感じて寂しくなる方もいるでしょう。

配偶者と離婚できれば、開放感から晴れ晴れとした気持ちになれるかもしれません。
しかし、今まで人間関係を構築してこなかった方の場合、完全に一人なので孤独を感じやすいです。
ですので、何か新しいことに挑戦して趣味や目標を見つけてみましょう。

(7)離婚できるか弁護士に相談しておく

熟年離婚の準備で欠かせないのが、弁護士に離婚できるかを確認しておくことです。
離婚請求が認められなかった場合、すべての準備が無駄になりかねません。
そうならないためにも、ご自身のおかれた状況を整理してから弁護士に相談しましょう。

先ほど解説したとおり、離婚するためには法定離婚事由が必要です。
離婚の理由や原因を整理して、弁護士に離婚請求が認められるか確認しておきましょう。
配偶者の不倫や家庭内暴力などが原因で離婚する場合は、証拠を集めておいてください。

そして、財産分与や離婚慰謝料請求についても相談しておきましょう。
弁護士が具体的にアドバイスしてくれるので、離婚後に手に入れられるお金の増額が期待できます。
事前に弁護士に相談しておいて、好条件で熟年離婚できるようにしておきましょう。

熟年離婚の準備について相談できる相談先

本項目では、熟年離婚の準備について相談できる相談先を解説します。
より詳しく熟年離婚の準備について知りたい方は、経験者や専門家などに相談してみましょう。

(1)ネット掲示板

ネットの掲示板を利用すれば、熟年離婚の経験者からアドバイスをもらえることがあります。
専門家よりも気軽に相談できるので、まずはネットを利用してみるといいでしょう。

ただし、相手が熟年離婚経験者である保証はないので、アドバイスは参考程度に受け止めておきましょう。

(2)自治体の相談会

自治体では、定期的に離婚に関する相談会を無料で開催しています。
相談に乗ってくれるのは市役所の職員ではなく、法律の専門家である弁護士や司法書士です。
熟年離婚の準備について具体的なアドバイスがもらえるので、ぜひ利用してみてください。

相談会の詳細については、お住まいの地域の自治体に問い合わせてみましょう。

(3)夫婦カウンセリング

夫婦カウンセリングは、本当に離婚すべきなのか迷っている方におすすめです。
夫婦で一緒に受けるカウンセリングで、夫婦関係の改善や離婚について話し合います。
第三者を交えて話すため、冷静になって夫婦で話をしやすいです。

ただし、カウンセラーの質はピンキリです。
無資格のカウンセラーがいれば、国家資格を取得しているカウンセラーもいます。
より的確なアドバイスをもらいたい方は、国家資格を取得しているカウンセラーに相談しましょう。

(4)女性センター

家庭内暴力が原因で熟年離婚を考えている方は、女性センターに相談してみましょう。
女性センターとは、女性が抱えている問題に関する相談を受け付けている施設です。
配偶者からの家庭内暴力を受けている方向けに、窓口を設置している施設があります。

窓口では解決方法や一時的に避難する施設などを紹介してもらえます。
配偶者の家庭内暴力が酷い場合は、なるべく早めに相談してみましょう。
お住まいの地域の女性センターに問い合わせてみてください。

(5)探偵事務所

配偶者の不倫が原因で熟年離婚を考えている方は、探偵事務所に相談、依頼してみましょう。
探偵事務所では、配偶者が不倫していると判断、推認できる証拠を集めてくれます。
配偶者が不倫を認めず裁判に発展した場合、離婚や慰謝料を請求するには不倫の証拠が必要です。

不倫の証拠を個人で集めることは難しいです。
万が一、配偶者に証拠集めがバレてしまうと、不倫の証拠を隠滅させられてしまいます。
しかし、探偵ならバレずに不倫の証拠を集めてくれます。

より確実に不倫の証拠を集めて配偶者に離婚や慰謝料請求したい方は、探偵事務所に依頼、相談してみてください。

(6)弁護士事務所

ご自身にとって有利な条件で熟年離婚したい方は、離婚問題に強い弁護士に相談してみましょう。
離婚問題を取り扱っている弁護士事務所に相談すれば、慰謝料請求や財産分与などについて具体的なアドバイスがもらえます。
より多く慰謝料、財産を受け取れる方法や請求に必要なものなどを教えてくれます。

熟年離婚の準備を本格的に進めたい方は、弁護士事務所に相談してみてください。

熟年離婚の準備ができたら離婚のタイミングを想定する

熟年離婚の準備ができたら、いつ離婚を申し出るのかを考えます。
財産分与では、離婚した日か別居し始めた日を基準日とします。
より多くの財産を分与してもらいたい場合は、配偶者が退職するタイミングを狙いましょう。

財産分与に退職金が含まれるだけでなく、退職後家にずっといる配偶者の顔を見ずにすみます。
老後の生活費を重視したい方は、配偶者が定年退職するタイミングで離婚を申し出ましょう。

万が一、未成年の子どもがいる場合は、受験の時期などを避けて精神的負担をかけないようにしてください。
住む家や姓が変わると、慣れない環境や名前に戸惑って受験勉強に集中できなくなるかもしれません。

あらかじめ弁護士に相談する方は、ご自身のおかれている状況を伝えて、離婚のタイミングについてアドバイスをもらいましょう。

まとめ

熟年離婚の準備を進める際は、離婚後から老後までの生活について考えましょう。
子どもと同居したり再婚の予定がなかったりする場合は、一人で暮らすことになります。
そして、金銭面だけでなく健康面も気にしなければなりません。

万が一、何かあった際に連絡を取れる知り合いがいると安心です。
熟年離婚をする前に、気軽に頼れる人間関係を構築しておきましょう。
熟年離婚の準備でわからないことがあったり、そもそも離婚すべきなのか悩んでいたりする方は、専門家に相談してみてください。

しっかり事前準備をして、熟年離婚で後悔しないようにしましょう。

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