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不倫相手を訴えたい時に今すぐやるべき事と絶対にやってはいけない事

夫や妻の不倫が発覚したとき、不倫相手に制裁を加えたい、不倫相手を訴えて慰謝料を請求したいと思う方が多いでしょう。しかし、かっとなって感情的に動いてしまうと、慰謝料の請求がうまくいかないどころか、それ以上の不利益を被るおそれがあります。そこで今回は、不倫相手を訴えたいときにやるべきこと、逆にやってはいけないことについて解説します。

不倫相手を訴えるためにやるべきこと

(1)氏名、住所(勤務先)等を特定する

不倫相手に対して慰謝料の請求などの裁判を起こすには、不倫相手の氏名、住所を特定する必要があります。氏名が分からなければ裁判の相手方を特定することができませんし、住所がわからなければ裁判所から訴状等を送達(特別な方式で書類を送付すること)することもできないからです。

ただし、住所が知れないときや住所に送達するのに支障があるときは、就業場所に送達することができるとされています(民事訴訟法103条2項)。

(2)必要な情報を入手する方法

夫や妻の携帯電話の履歴から、不倫相手の電話番号だけがわかったという場合、弁護士に依頼をして弁護士会を通して携帯電話会社に照会(弁護士法23条の2に基づく照会のため、23条照会と呼ばれます)をすることで、その電話番号の契約者の氏名、住所を開示してもらうことができます。ただし、携帯電話会社によっては回答を拒否されることもあるので、絶対に氏名や住所を特定できるというわけではありません。

電話番号のような情報がない場合、夫や妻の素行調査(尾行)をすることで、不倫相手の素性を特定することができる場合があります。素行調査の方法としては、まず自分自身や友人、親族などの助けを借りて行うことが考えられます。費用がかからないというメリットはありますが、経験のない素人がどこまで効果的に行えるかという問題があります。

そこで、興信所(探偵事務所)に配偶者の素行調査を依頼するという方法も考えられます。一般的な興信所であれば、素人がやるよりも効果的に素行調査をしてくれる可能性が高いでしょう。ただし、当然のことながら費用がかかりますし、興信所は特別な資格なども必要ないため玉石混交であり、信用できる興信所探さなければならないという負担があります。

(3)不倫相手を訴えたいときの相談先

不倫相手を訴えたいときの相談は、裁判の専門家である弁護士にすべきです。弁護士に相談すれば、不倫相手を訴えるために必要な情報やその情報の入手方法、不倫を証明するための証拠とその入手方法などを説明してもらえます。
また、素行調査が必要な場合でも、弁護士から過去の案件で利用した興信所などを教えてもらえる可能性があります。

不倫相手を訴えるときにかかる費用

(1)裁判所に納める費用

裁判をするには、請求内容に応じた収入印紙と、裁判所から事件の当事者に書類を送付するための郵便切手を納める必要があります。慰謝料請求のように金銭を請求する場合、収入印紙の額は請求額によって変わります。たとえば、100万円を請求する場合は1万円、200万円を請求する場合は1万5000円、300万円を請求する場合は2万円となります。

郵便切手は裁判所によって異なりますが、おおむね数千円分といったところです。

(2)弁護士に依頼した場合の費用

弁護士費用は、原則として弁護士と依頼者の協議で自由に決めてよいとされていますが、慰謝料請求のように金銭を請求する事件の場合、請求金額の〇%というように、相手方に請求する額に応じて決められるのが一般的です。

なお、平成16年に廃止された(旧)日本弁護士連合会報酬等基準では、事件の経済的利益が300万円以下の場合、着手金が8%、報酬(成功報酬)が16%とされていました。この旧基準によれば、慰謝料300万円を請求する裁判を起こし、請求通りの判決を獲得した場合、着手金は24万円、報酬は48万円(いずれも消費税は別)ということになります。

この程度の額が弁護士費用の相場と考えていいでしょう。

(3)興信所に依頼した場合の費用

興信所の費用は、興信所によってまちまちで、中には高額の費用を請求する興信所もあるようです。また、調査期間が長くなるほど費用が高額になってしまうので、配偶者の行動パターンを把握するなどして、調査期間を絞るなどの工夫が必要になります。

不倫相手を訴えるときにやってはいけないこと

(1)不倫相手の家や職場などに直接乗り込む

配偶者の不倫を知ると、不倫相手の家や職場などに乗りこんで不倫相手に直接怒りをぶつけたいと思うかもしれません。しかし、配偶者の不倫を知った直後のかっとなった状態で不倫相手と対峙すると、ついつい言葉が行きすぎたり、場合によっては手を出してしまいそうになったりするかもしれません。

しかしながら、たとえ不倫が事実であったとしても、言葉が行きすぎれば脅迫・恐喝にあたるおそれがありますし、当然ながら手を出してしまえば暴行・傷害に当たる可能性があり、刑事事件に発展するおそれがあります。また、職場に乗りこんだ場合、無関係な同僚に不倫の事実を知られる可能性があります。場合によっては、不倫相手からプライバシー侵害、名誉棄損などの理由で損害賠償を請求されるおそれがある点にも注意が必要です。

(2)退職を強要する

配偶者が職場の同僚と不倫をした場合などには、不倫をやめさせるため、あるいは不倫相手に制裁を加えるため、不倫相手に職場を辞めさせたいと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、たとえ不倫が事実であったとしても、退職を要求するような権利は法律上は認められていません。もし不倫相手に職場をやめるよう強要すると、逆に不倫相手から損害賠償を請求されるおそれもあるのです。

不倫相手を訴えないほうがいいケース

(1)不倫相手の情報が少ない

「不倫相手を訴えるためにやるべきこと」で解説したように、不倫相手を訴えるには、最低限、氏名、住所などの情報が必要です。

とはいえ、氏名、住所さえわかれば不倫相手を訴えればいいというわけではありません。(2)、(3)で解説するように不倫相手を訴えないほうがいい具体的なケースがあるのですが、不倫相手の情報が少ない場合、訴えた後で(2)や(3)で解説する事情が判明するおそれがあります。

訴えるまえに不倫相手に関する情報を可能な限り集めるようにし、十分な情報が入手できない場合には、訴えを取りやめることも検討したほうがいいでしょう。

(2)不倫相手に資力がない

不倫の慰謝料を請求できるのは、不倫をした配偶者か、不倫相手に限られます。たとえ不倫相手の親族や配偶者には財産があったとしても、不倫相手の親族等に代わりに払うよう要求することはできません。ですから、不倫相手に資力がない場合、不倫相手を訴えて費用や時間をかけて慰謝料の支払いを命じる判決を獲得したとしても、実際に回収することは困難で、費用倒れに終わってしまう可能性が高いでしょう。

(3)不倫相手も既婚者(ダブル不倫)

不倫相手も既婚者である、いわゆるダブル不倫の場合もあるでしょう。ダブル不倫の場合に、夫(または妻)とは離婚せず夫婦関係を修復したいが、不倫相手には制裁を加えたいので慰謝料を請求したいと考えたとします。しかし、ダブル不倫の場合、不倫相手の配偶者から、夫(または妻)に対し、慰謝料を請求される可能性があります。

離婚をしない場合、不倫相手から慰謝料を獲得できても、夫(または妻)が不倫相手の配偶者に慰謝料を支払わなければならないとすれば、不倫相手を訴える実益はないと言えるでしょう。これら(1)~(3)に当たらない場合、不倫相手を訴えることを積極的に考慮していいでしょう。

まとめ

不倫相手を訴えたいときにやるべきこと、やってはいけないことについて解説しました。万が一配偶者の不倫が発覚した場合、この記事を参考に、感情的にならずに行動するようにしてください。

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