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夫が転勤(単身赴任)先で浮気する原因・予防方法・離婚について解説

夫が全国規模の会社に勤務しているような場合には、現在住んでいるところから遠くに転勤になることもあります。子が現在私立に通い始めたばかりで転勤についていくのはちょっと…という場合や、妻も仕事を持っており転勤をするのが難しいような事情があるでしょう。

そのような場合には夫が単身赴任をすることになるのですが、単身赴任によって夫・妻双方が浮気をしてしまうようなケースが多いです。このページではなぜ単身赴任によって浮気が発生するのか、その予防方法、浮気された後の措置についてお伝えします。

単身赴任中に夫が浮気をする理由

まず、なぜ単身赴任中に浮気をしてしまうのか、夫が浮気をする理由について見てみましょう。

(1)一人で寂しくてつい浮気

元から夫婦仲が睦まじかった、あるいは寂しがり屋というような人が単身赴任をするときには、やはり「寂しい」という心理があるようです。寂しいと感じるとそれを埋めるために、赴任先の職場で出会った仲間と夜飲みに行く、自宅で飲み会を開くなどという行動が増えます。そうすると、何かのきっかけで女性と親しくなってしまうと一気に距離が近づき、浮気・不倫という状態になってしまいます。

(2)一人でハネを伸ばしてしまい浮気

もともと少し浮気性の夫にありがちなのですが、自宅に妻が居るときには、近場の居酒屋・バーで女性に話しかけたりして遅くまでお酒を飲む、キャバクラに行くなどの行為ができませんが、妻が家にいないような場合にはついついそういった事も楽しむようになってしまいます。そのため女性と出会う機会が多くなり、浮気につながることがあるようです。

(3)慣れない環境のストレスから浮気

転勤をするということは新しい環境の中で仕事をすることになります。住む地域が変わって日常生活に慣れない上に、仕事の上でもなれない事を強いられることになると、どうしてもストレスが溜まりがちです。そのストレスのはけ口を探して女性と浮気をしたり、ストレス解消のために外に出てなにかを行う中で女性と知り合い浮気をするような事があります。

(4)新しい環境で出会いが増えて浮気

転勤により住居・職場の両方が新しい環境になります。従来の環境では異性と接する機会が少なかった方でも、単身赴任先が繁華街に近くて居酒屋に行きやすい、従来は男ばかりの職場だったけれども転勤先では女性の方が多いような職場である、といったような事から、女性との接点が増える方もいらっしゃるかもしれません。このような場合に、新しい環境で女性と意気投合して浮気につながるようなことにもなります。

(5)同居中に浮気をした人を連れて行っていた

これは単身赴任をしたから…というわけではありませんが、もともと夫婦の同居中から浮気をしていたようなケースがあります。このようなケースで、なんと単身赴任先に浮気相手を連れて行くような事が考えられます。今まではこそこそ会っていたものが、妻が居ないのをいいことに、単身赴任先で同居しているようなケースもあるのです。

単身赴任中に妻が浮気をする理由

単身赴任で浮気をするのは夫だけではありません。妻が浮気をするようなケースについて見てみましょう。

(1)一人で寂しくてつい浮気

寂しくなるのは夫だけではなく妻のほうも同じです。特に専業主婦であるような場合には、人とのかかわりの大部分が夫であるということは珍しくありません。また、一人暮らしをしたようなことがない方が、夜中家に夫が居ないような状態になると、寂しいだけではなく、怖いという事を感じる方もいらっしゃるでしょう。そのような中で妻も外に出会いを求めてしまうような行動をすることもあります。

(2)夫の目がなくなり浮気

逆に妻のほうが浮気性である、という場合もあるでしょう。相手が社会人であれば、会うことができるのは夜間になりますが、通常は夜間に夫が帰宅することから家を空けることは難しいです。しかし、夫が単身赴任で夜に帰ってくるような事がない場合には、夫の目がなくなるといえます。夜に何をしているか電話がかかってきても、一人なので外に食事に出ている、というような言い訳もしやすい状況ではあるので、言い訳がしやすいのが妻が浮気をしやすくしているともいえます。

浮気を防止する方法

では、浮気はどうすれば防止できるのでしょうか。浮気防止に効果的な予防策を検討しましょう。

(1)テレビ電話等を利用して食事を一緒にとる

一つはテレビ電話等を利用して食事を一緒にとることです。スマートフォンの普及で、LINEに代表されるようなテレビ電話ができるようなアプリによって、誰でも気軽にテレビ電話を使えるようになりました。出社などの準備に忙しい朝や、会社がある昼は難しくても、夕飯はテレビ電話を利用して一緒に夕食をとる、というような事が可能です。

これによって、夫も妻もお互いの様子が分かり、家に子供を残しているような場合には、子供とのコミュニケーションもとれ、妻としては夫が一人で偏った食事をしていないかチェックできる、といった効果も期待できます。たとえ単身赴任で離れていても、このような形で家族としての時間を過ごすことで、寂しい・心細いといったことが原因で浮気に走る、ということを予防できるといえるでしょう。

(2)会いに行く

テレビ電話などでコミュニケーションを取っていたとしても、スキンシップをとることはできません。転勤先の距離や行きやすさ、小さい子供がいるかなどにもよりますが、頻繁に夫が家に戻る・妻が夫に会いにいくようにしましょう。

(3)新しい職場に紹介をしてもらう

新しい出会いが生じてしまう一番のケースとして多いのが、転勤先の職場です。そのため、夫の転勤先で妻であるとして紹介してもらっておくと、夫も「独身である」と嘘をつくような事もできませんし、さらにはどんな人か見ているだけで、浮気防止に良い効果を及ぼすといえます。

相手が浮気をしているんじゃないか?怪しいと思ったら

以上のような浮気防止策を講じても、浮気をしているような事がありますね。突然離婚届けを突き付けるのは得策ではないのは明白ですが、どのような点をチェックすれば良いでしょうか。

(1)妻が夫を怪しいと思ったらここをチェック

まずは妻としては夫のこのようなところをチェックしてみましょう。

①仕事を理由に予定をあわせなくなった

たとえば毎晩のテレビ電話夕食や夫の単身赴任先への訪問日時を「仕事で忙しい」と言って回避しようとする回数が増えていないでしょうか?転勤当初からすごく仕事が忙しいということはあまりなく、徐々に転勤先で仕事が忙しくなるような事はあるかもしれませんが、そのような事は通常織り込み済みです。

コミュニケーションがうまくいっていれば、どんな仕事が増えてきて忙しくなっているか?というような会話もあるのでしょうが、何かを隠しているような場合には「仕事」というような雑な返答をする可能性があります。こういった返答が増えているような場合には浮気を疑ってもいいかもしれません。

②会っていても電話をかけていたりスマートフォンを触ってばかりいる

妻が単身赴任先に出向いていっても、ずっと誰かと電話をしていたり、スマートフォンを触っているような事がないでしょうか。相手のスマートフォンを勝手に見るということはできないのが通常で、それを会っている貴重な時間にもかかわらずすっと触っているような場合には、だれかもっと大事な人と連絡を取っていると考えるのが通常です。

③態度の変化

夫に今までにない変化はないでしょうか?よく浮気での態度の変化としては服装が変わったような場合が挙げられます、またスマートフォンで急に知らないアプリやゲームを入れ始めたり、単身赴任先の夫が一人で入らないような店を知っていたりする、「浮気していない?」といった冗談に対して過剰な反応をするようになった、などいつもと態度が違うような事が増えていないかを確認しましょう。

(2)夫が妻を怪しいと思ったらここをチェック

逆に夫が妻を怪しいと思った時にチェックするべきことはどのようなところでしょうか。

①服装や化粧品

女性が浮気をするようになった場合に気を付けておきたいのが服装や化粧品です。結婚をすると女性は世帯全体の家計を気にして、服装や化粧品にかけるお金を絞りはじめることが通常です。しかし、浮気をすると、化粧品に凝り始めたり、すこし大胆な服装を選ぶようになり始めます。自宅に戻ったときに、急に年齢不相応な服のブランドの紙袋がたくさんある、化粧品の種類が明らかに増えている、といった場合には浮気を疑うべきでしょう。

②夜に電話をしても出ないことがある

夜の時間帯に自宅や携帯に電話して、出ないような回数が多くなってないでしょうか。もちろん、食事・買い物・選択・お風呂に入っているといったような場合もあるでしょうが、すぐに折り返しがきたり、メッセージで何かあったか?というような何らかのレスポンスがあるのが通常です。そういったレスポンスがない、あったとしても本当に寝る寸前である、といったような場合には、浮気を疑うべき場合といえるでしょう。

転勤中に離婚をする場合の流れ

では実際に単身赴任中に浮気が発覚して離婚をするような場合にはどのような行動をとっていくのが通常なのでしょうか。

(1)証拠を集める

まず、浮気の証拠を集めることになります。相手に離婚を迫るにしても、浮気相手に慰謝料の請求をするにしても、最終的に裁判になったときには、証拠がなければ負けてしまいます。ここに「負ける」というのは、離婚原因である不貞行為がない、と判断されてしまうだけではないことに注意が必要です。

たとえば浮気が原因と主張して立証ができないような場合には、相手が反論として離婚に至ったのは私の浮気が原因ではなく相手の疑り深い性格が原因で性格の不一致が生じた、という主張がされてしまうと、相手の主張が通ってしまう可能性があるという事も意味しています。

そのような判断がされると、一転離婚原因をつくった方として慰謝料がもらえないばかりか逆に慰謝料を請求される立場になりかねません。これは子供がいる場合に、親権をどちらにするのか?という問題にも影響します。また、浮気相手に損害賠償請求をしても、浮気の事実がないと請求が棄却されることにもなります。逆に、確固たる証拠をつきつけられる状態になっているならば、相手としても争っても無意味であると考えることが普通です。

つまり、きちんとした証拠を残せるかどうかが、その後の離婚に関する各種請求に関する決着をつける上で最も重要な事項といえるのです。証拠は不貞行為を行ったことだけではなく、その不貞行為を行ったことでどの程度夫婦関係が破壊されているか、といった事まで証明できることが必要です。

つまり、ラブホテルに一回行っているようなところの写真を手に入れただけでは、日常的に浮気を繰り返しているのか、一時の気の迷いが生じただけなのかの判別がつきません。相手が浮気相手と普段から頻繁にデートをしている、単身赴任先の家に入ってきている、といった事も証明できるようにする必要があります。

ですので、ラブホテルに入った事のみならず、普段からデートを繰り返している所を撮影する、自宅に入ってきているところを撮影する、といった蓄積が必要です。これらの証拠を作るために一番確実な方法は探偵に依頼するのが良いでしょう。離婚のための証拠づくり専門の探偵は、離婚に関する裁判で有利な資料にできる証拠写真の作成方法までマスターしています。

(2)離婚に向けての協議

きちんと証拠を集めることができれば、離婚に向けての協議を行います。離婚をする、しないといった事から、自宅をどうするか、子が居る場合には親権をどのようにするか、といった事を決めます。離婚に関する協議についてはやり方が決まっているわけではありませんので、どちらかの家や実家で会う、ある程度は書面での主張を送って確認しあうような方法などが考えられます。

もし離婚をしない、というのであれば、不倫相手と会わないように相手に誓約書を書いてもらったり、不倫相手にも同様の書面の作成に協力を求めたりします。こういった協議については法的な知識はもちろんですが感情的にならないで相手に淡々と発生している事実をつきつけて冷静に交渉することも重要な要素です。

弁護士に依頼することは、法的な助力を得られるだけではなく、冷静な目で離婚に関する交渉についてのアドバイスを得られるという利点があることも知っておいてください。

(3)離婚に付随するお金についての協議

この協議には当然、お金の話も同時に決定をします。どのような項目を決めるかというと、夫婦間の問題として慰謝料・財産分与・子供が居る場合には養育費の支払いについてを決定します。また一方の浮気相手に対しても慰謝料請求を行うことになります。

浮気をして離婚原因を作った場合には、その態様によっては数百万もの慰謝料が発生する場合があり、財産分与・養育費とともに分割をして払っていくような取決めにするのが通常です。不動産が夫名義になっているような場合には、夫が従来通り住宅ローンを支払い、妻と子が住み続けることで慰謝料・養育費がわりにするような取決めをすることもよくありますが、このような取決めをすると夫が住宅ローンを払わなくなった場合に再度お金の問題を蒸し返すことになるので、注意が必要です。

どのような取決めをする場合でも、何年・何十年という長期での支払いの約束になるので、浮気をした当事者が確実に支払いができる内容で合意をし(無理な内容をつきつけるとかえって支払われない可能性があります)、できれば公正証書という法的な効力のある書面で作成することが望ましいでしょう。

(4)調停・審判・裁判の手続きを知る

以上のような話合いについては当然、当事者間で主張が異なってくる場合もあります。たとえば、浮気をしたことは認めるとしても、妻側にも落ち度はある(性行為に応じない・妻も浮気をしている・性格の不一致によりすでに夫婦関係は破たん状態にあった、など)といった主張がされる場合もあります。話合いで埒が開かない場合には、裁判手続きを利用することになります。

離婚に関する裁判については家庭裁判所が管轄になるのですが、離婚に関する問題は一時の感情ではない冷静な考慮を促すために、調停という手続きを最初に利用することが必要となっています(調停前置主義)。調停というのは、当事者間の主張を1名の裁判官と2名の専門的な知識を持った調停委員が顔を突き合わせないで交互に事情を聞き取り、調停案という形で当事者に妥協点を示すことで離婚に関する争いを解決しようとするものです。

当事者が納得をすればその案通りの内容に、納得いかなければ裁判手続きを利用するというのが流れになります。
これとは別に、不倫相手に対する慰謝料請求は、民事裁判として行うことになります。

まとめ

このページでは、転勤で単身赴任をした場合の浮気について、その原因・対処法・浮気をしたときの対応・離婚手続きの流れについてお伝えしてきました。どうしても顔を突き合わせなくなる単身赴任では、夫・妻相互に浮気をする可能性が高くなります。幸い昨今ではスマートフォンの普及により、コミュニケーションをとるための方法が増えているので、そういったものを利用しながら単身赴任の期間をやりすごしましょう。

どうしても相手が浮気をしてしまった場合には、どうしても感情的になりがちですが、法的な請求をするためには冷静な行動が不可欠です。専門家に相談しながら行うなどして、有利に離婚をすすめていけるようにしましょう。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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