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任意認知とは何か?父親に確実に認知してもらう方法

既婚者の子供を妊娠し出産した場合には未婚の母になります。また、父親が女性を妊娠させたまま逃げてしまった場合にも未婚の母になります。
未婚の母親の子供を父親が認知をするのであっても、経済的にはシングルマザーと同じです。

しかし父親が戸籍上存在しない未婚の母は養育費を受け取る権利を持たないため、子育てが非常に大変です。
そして、それと同じくらい未婚の母の子供も将来的に大変な思いをしますし、経済的にも不利になってしまいます。

「子供は私1人で育てるから、父親はいらない」と考えているお母さんもいますが、父親が既婚者などであっても、認知だけは獲得した方が子供のためになります。
父親から任意認知を獲得することで、子供は様々な経済的な権利を獲得することができ、戸籍に父親がいないことによる社会的な不利益を被ることはありません。

任意認知と何か、任意認知の方法、父親が認知に同意しない場合の対処法について解説します。
未婚のお母さんも認知の種類や方法や効力について、子供のために理解をしておくようにしましょう。

任意認知とは何か

任意認知とは何なのでしょうか?
簡単に言えば、「法律上、子供と父親の親子関係を成立させること」になります。任意認知がどのような条件で成立するのかについても併せて解説していきます。
 

(1)父親との親子関係を法的に成立させること

任意認知とは、父親との親子関係を法的に成立させることです。認知をしない場合には、戸籍上、子供には父親がいないことになりますが、任意認知をすることによって、戸籍上子供には父親が存在することになります。

任意認知とは、言葉通り、父親が任意で子供を認知することです。父親が子供の父親であることを同意して所定の手続きをすることによって任意認知は成立します。

(2)任意認知の成立要件

任意認知の成立要件は、父親と子供との間に血縁関係があることです。そのため父親が「自分の子供ではない」と主張して任意認知に同意しない場合には、DNAなどで血縁関係を主張することができれば任意認知を成立させることができます。
つまり、子供の父親に血縁関係があり、父親が任意に認知することが任意認知の成立要件です。

なお、任意認知は基本的に父親しか行う必要はありません。母親との親子関係は出産時に客観的な血縁関係の証明ができるので、母親が任意認知を行うということは基本的にあり得ません。
任意認知は血縁関係にある子供と父親の親子関係を法的に成立させるために行われるものです。
 

認知をするメリット

任意認知は単に「子供の戸籍に父親を存在させる」というだけではありません。
それだけでも子供にとっては意味のあることかもしれません。しかし、任意認知にはそれ以上に経済的なメリットがあるのです。
任意認知には子供にどのような経済的なメリットがあるのかをしっかりと理解しておきましょう。
 

(1)父親に扶養義務が生じる

任意認知をすると、父親は法律上も子供の親になります。そのため、子供に対して父親の扶養義務が発生します。
この扶養義務によって、未婚の母親の子は父親から養育費を受け取ることができるようになります。

認知をしていなくても、自分の隠し子に対して養育費を送り続けている父親も実際には存在します。
しかし、これは法律的根拠なくして行われてあるため、父親が養育費を送らなくなってしまったら「支払ってくれ」と請求しても、法律という盾がないことになります。

任意認知をすることによって、養育費を支払わない父親に対して、裁判外での養育費の請求や、裁判上で養育費の請求を行うことができる場合があります。任意認知は子供の扶養義務を父親に持たせる非常に大切な行為です。

(2)子供に父親の財産の相続権が生じる

認知をすると、子供は父親の財産の相続権を得ることになります。認知をしなければ法的には父親の子供ではないので、財産の相続権はありません。

今は「父親なんていらない」と認知を母親が拒んでいるケースもありますが、将来的に父親の財産を相続することができずに損害を被ることになるのは子供の方です。
子供将来のためにも任意認知は必要になります。

(3)子供のことを考えるなら認知は必要

「子供は自分の手で育てるから父親はいらない」と認知を軽んじている人も多いかもしれません。
しかし、認知をしないということは子供の養育費や子供の相続件を奪うことになってしまいます。

もしかしたら養育費がないという経済的な理由で進学することができなくなってしまうかもしれませんし、認知されていれば受け取ることができたはずの高額な相続財産を相続することができなくなってしまいます。

母親のためと言うよりも、子供の将来のために認知は必要なことと理解し、未婚であったとしても父親の認知は受けるようにしましょう。

任意認知とは父親が同意すること

任意認知の条件はただ1つです。それは「父親が同意すること」です。

既婚者との間にできた子供だったとしても、父親が任意認知すれば、その子の父親は法的に存在することになりますし、扶養や相続を受ける権利を獲得することができます。

また、任意認知には母親の同意も必要ありませんし、子供が未成年だったら子供の同意すら必要ありません。

認知は父親が認めることだけが基本的唯一の条件になるのです。未婚の母親になるのであれば、父親に対して「任意認知して」という交渉だけは絶対に行っておく必要があります。 

父親が拒否した場合には強制認知もできる

男性が無責任な場合や、既婚者の場合には、認知を拒否することもあります。
認知をすることによって、自分が死亡した時には必ず家族に隠し子がいることがバレてしまうからです。
また、無責任な父親の中には認知することによって自分に子供に対する扶養義務が生じることを嫌がる人もいるかもしれません。

このような父親が任意認知を拒否した場合には女性は泣き寝入りするしかないのでしょうか?

そのようなことはありません。

父親が拒否した場合には、司法の場で認知を獲得することができる可能性があります。
どうしても父親が任意認知をしない場合には強制認知という制度があるのです。
父親が認知を拒否した場合に取られる、強制認知という方法についても理解をしておきましょう。
 

(1)父親が拒否した場合には家庭裁判所で調停

父親が任意認知を拒絶した場合には、家庭裁判所で調停が行われることになります。
調停とは、調停委員が話し合いの仲介に入り、「任意認知するかどうか」の交渉を行うことです。

ここで、DNA鑑定などの有力な血縁関係の証拠を提示することができれば、これ以上争っても父親側の主張は通らなくなるので、一般的には調停まで行くと任意認知するケースが多くなります。

調停で任意認知をしない場合には裁判になってしまいます。そして、裁判になってしまったら、公的に「認知をするしないで争っている」ということを知られてしまう可能性があります。
外にバレるリスクも考えて、調停まで行くと任意認知に応じる父親が多くなる傾向があるようです。
 

(2)調停でも認知に同意しなければ強制認知になる

調停でも男性側が認知に応じない場合には、裁判に入ります。裁判では、間違いなく子供の父親がその男性であるという証拠があれば、男性側が認知を拒否しても強制的に認知をさせることができます。
これを強制認知と言います。

任意認知でも強制認知でも効力は同じで、子供は父親の扶養義務と相続権を獲得することができます。
このように、間違いなく子供の父親が男性であると証明することができれば、法律や司法が子供の権利を守ってくれるような仕組みになっています。

「男性には家庭があるから」などと最初から諦めず、任意にせよ強制にせよ、認知は必ず行うよう努力する必要があるでしょう。
認知されずに困るのは母親以上に子供なのです。
 

父親の家族に認知は秘密にできるのか?

既婚者の男性が認知を拒否する理由として「家族にバレるのが怖い」というケースが少なくありません。
しかし、平常に生活している限りは認知が家族にバレる心配はありません。

将来的にはバレる心配はあり、父親が死亡した場合にはほぼ確実に外に子供がいることが家族にバレることになります。
しかし、任意認知に父親の配偶者や子供などの同意は不要ですので、基本的に、認知を行う時点では認知は家族などに秘密で行うことができます。

(1)認知に家族の同意は不要

認知に必要なものは、父親の同意のみです。したがって、父親が1人で認知をすれば家族にバレる心配はありません。
認知は父親側の家族のためにあるのではなく、父親がいない子供の権利を守るために行われるという側面が強いためです。

認知を逃げたい男性の中には「妻に子供がいることがバレるのはまずい」と認知をしない言い訳をすることもありますが、認知に家族の同意は必要ありません。
むしろ母親の同意すら不要です。

自分から隠し子がいることを家族に話さなければ、当面家族にバレるようなことはありませんので、このような言い訳に乗せられることがないよう注意しましょう。
認知は父親1人の意思で行うことができます。

(2)父親の戸籍には記録される

ただし、認知をすると父親の戸籍には子供の名前が記録されます。
父親の戸籍には子供の本籍地と氏名と母親の氏名が記録されることになるので、父親の戸籍を何かの事情で家族が閲覧してしまったら隠し子が発覚してしまう可能性があります。

ただし、認知直後に家族が男性の戸籍を見るような機会はほとんどないでしょうし、その後の人生で戸籍を確認するタイミングもそれほど多くはないでしょう。
認知をしたからと言って必ずしも家族にバレるとは限らないのです。

ただし、父親が死亡した時には相続の手続きの際に父親の戸籍が必ず必要になり、残された家族はまず間違いなく隠し子がいたことを知ることになるでしょう。
将来的に家族に対して「子供がいる」ということを話す必要はあるでしょう。

(3)戸籍の転籍を行うと認知はバレにくい

父親が死亡した時には隠し子の存在を隠し通すのは不可能です。しかし、できる限り家族にバレたくないという人は戸籍の転籍をすることで、表面上は死亡する前に隠し子を隠しておくことは可能です。

本籍地はいつでも自由な場所へ変更することができ、これを戸籍の転籍と言います。
戸籍の転籍を行うと、転籍前の記録は全て消え、現在の状況しか記録されません。

そのため、家族が戸籍を閲覧しても隠し子の情報は出てきませんので、相続の際に全ての戸籍を取得する時以外であれば隠し子の存在を秘密にすることができます。

どうしても家族に秘密にしたいという人は、戸籍の転籍を行うことでしばらくの間家族に隠すことも可能です。
いずれにせよ、認知を行うと子供には相続権が発生するのですから、相続の際には必ず家族に知られてしまうことになることは覚悟する必要があります。
 

任意認知の手続き

最後に任意認知の手続方法についても確認しておきましょう。
任意認知の方法は2種類あります。

  1. 戸籍の届け出
  2. 遺言

認知は父親が生きている間にも亡くなった後にも行うことができますし、子供が母親のお腹の中にいるときでも可能です。
それぞれのタイミングで本人以外の母親や子供本人の同意が必要になる場合と不要な場合があり、それぞれ手続きも異なります。
それぞれの任意認知の方法について詳しく理解しておきましょう。
 

(1)戸籍の届け出を行う

子供の認知を行う最もオーソドックスな方法は、役所へ「認知届」を提出する方法です。
認知を行うのには誰の同意も必要ありません。
したがって、母親の同意も必要ないことになります。

認知をしてほしくない場合には、父親に「認知をしてほしくない」と事前に伝えておくなどしておかないと、父親が勝手に認知をしてしまう可能性があります。
また、子供が成人になってから認知を行う場合には、子供の同意が必要になります。
やはり認知をしてほしくない場合には、子供に「認知に同意しないように」などと伝えて置かなければなりません。

なお、認知は子供の妊娠中にも行うことができ、この認知を胎児認知と言います。
胎児認知を行う場合には、母親の同意が必要になり、母親が「結婚できないなら父親はいらない」などと主張して認知に同意しない場合には、認知することはできません。

胎児認知を母親が拒否した場合でも、出産後に認知をすることは可能です。
認知は父親または子供の本籍地・住所地のいずれかの役所で届け出を行います。
認知に必要な書類は以下の通りです。

  • 認知届
  • 印鑑(認印可)
  • 父親と子どもの戸籍謄本(本籍地以外で提出する場合)
  • 本人確認書類
  • 母親の承諾書(胎児認知の場合)

子供出産後の認知であれば、必要な書類は本人確認書類と印鑑だけになります。
手続き自体は簡単ですので、できれば認知をした方がよいでしょう。

(2)遺言で認知する

認知は父親の死亡後に遺言によって行うこともできます。
生前には父親の家族事情などによって認知することができないが、死亡後に認知するという方法です。

この場合、父親から養育費などを受け取ることはできませんが、法定相続人としての地位を獲得することは可能になります。
死亡する時に「どうしても認知していない子供のことが心配」という理由によって遺言で認知して、法定相続人として地位を子供に与えるということは珍しいことではありません。

遺言で認知するには遺言書に以下のような内容を記載する必要があります。

  • 子どもの氏名・住所・本籍地・生年月日・戸籍の筆頭者
  • 遺言執行者の指定(代わりに認知届を提出してもらう人を指定する)

なお、遺言で認知する場合で、子供が成人している場合には、あらかじめ認知する子供の承諾を得ておく必要がありますので、この点にも注意しましょう。
 

まとめ

任意認知とは、子供と血縁関係にある父親と子供に法的な親子関係が生じることです。
認知をすることによって父親は子供に対する扶養義務が生じ、子供は父親の法定相続人になる権利を獲得することができます。

認知をするかしないかによって、子供の経済環境は大きく異なることになり、戸籍上父親がいるかいないかも社会的な目線が異なることもあります。
未婚の母親であることを覚悟した女性は、「父親は必要ない」と言って、認知を拒否することも少なくありません。
しかし認知をしないことによって困るのは母親ではなく子供の方です。

認知は父親の家族の同意なくしてできますし、父親が死亡時まで子供の存在を隠すこともできます。また、父親が任意認知しない場合には、証拠さえ示すことができれば強制認知を行うことも可能です。
認知は子供の将来のために必要なことですので、粘り強く父親と交渉して認知をするように努めましょう。

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