1. 不倫慰謝料請求ガイド
  2. 不倫相談の弁護士費用とは

不倫相談の弁護士費用の相場と浮気・不貞行為の慰謝料請求について

「弁護士に不倫問題を相談したいけれど、弁護士費用が心配」

「不倫相談の弁護士費用がどのくらいかかるのか目安が知りたい」

この記事に目をとめてくださった方の中には、弁護士に不倫相談をしたいけれど、弁護士費用が心配で踏み切れないという方もいらっしゃるかと思います。一方で、不倫の慰謝料請求をしたいけれど、ご自身だけで解決するのには不安が大きい、そもそも何から始めたらいいか分からないという方もおられるのではないでしょうか。

弁護士費用は、自由に決めることができるので決まりはないのですが、かかる費用の内容はある程度決まっています。だいたいの弁護士費用の相場や目安を知っておくだけでも、安心につながると思います。そこで今回は、不倫相談を弁護士にする際の、弁護士費用の相場についてお話させていただきます。

弁護士に不倫相談すべき2つのタイプ

(1)弁護士費用が心配。不倫問題は弁護士に相談しなければいけないか?

弁護士費用が不安な方の中には、不倫問題は法律問題なので必ず弁護士に相談しなければならない、不倫裁判では絶対に弁護士をつける必要があるとお考えの方はいませんか?実は、そういうわけではありません。

法律問題は、大きく「刑事事件」と「民事事件」に分けられます。警察に逮捕された、刑事裁判にかけられるという「刑事事件」では、必ず弁護士をつけなければいけません。

一方で不倫は、個人と個人の争いに関する「民事事件」という分野になります。民事事件は、弁護士を入れずに当事者で交渉してもいいですし、裁判になった場合も、「本人訴訟」といって、弁護士をつけずに自分で裁判を起こすこともできます。

しかしそれでも、不倫で弁護士に相談すべきケースがあります。それは、お金や権利が関係するケース、早期に解決すべきケース、個人で交渉するには心理的負担が大きいケースです。具体的には、次の2つのパターンに分けて考えることができます。

(2)夫や妻の不倫で慰謝料請求をしたい人

夫や妻が不倫をしていて、配偶者や不倫相手に慰謝料請求をしたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。なぜなら、慰謝料を請求するためには、配偶者と不倫相手の間に性交渉があった「不貞行為」の適切な証拠が必要ですし、慰謝料の請求は、相手が素直に応じないからと言って、いきなり裁判を起こせるものではなく、口頭での請求、文書での請求、調停という裁判所での話し合いを経るなど、手順を踏むことが重要だからです。

弁護士に相談すれば、必要な証拠や相手が応じない場合の対応の手順のアドバイスをうけたり、依頼すれば裁判での書類整備を任せたり、代わりに出廷してもらうことも可能です。

(3)不倫して慰謝料を請求された人

既婚者と不倫をしていて、それが相手の家族にばれ、慰謝料を請求された人も弁護士に相談すべきケースと言えます。不倫していた以上、請求された慰謝料を払わなければならないとお考えの方もいると思います。慰謝料額が妥当な場合は払わなければいけませんが、場合によっては不当に高額な慰謝料や、既婚者側の夫婦関係が既に破綻しているのに慰謝料請求されることもあります。

そのような場合は、弁護士に相談することで、慰謝料の減額や請求の取下げ等のアドバイスが受けられます。また、相手家族との交渉を不倫相手本人が行うと、事態が悪化しがちなので、慰謝料請求されお悩みの方は、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

不倫相談の弁護士費用の目安

弁護士費用に法律の決まりはありません。平成16年までは、弁護士が全員登録している日本弁護士連合会と各都道府県の弁護士会が、報酬に関する規定が定められていました(着手金は請求額の8%、報酬金は獲得額の16%)。しかし、現在は廃止されて自由に決められることになっています。

弁護士が自由に弁護士費用を決められる代わりに、弁護士には「報酬基準」として、弁護士費用の内訳や説明などの必要事項を記した書面を作成して、事務所に置いておかなければいけないとされています(日本弁護士連合会弁護士の報酬に関する規程第3条)。

弁護士事務所に相談にいき、弁護士費用の内訳や算定方法などを知りたいと思った場合は、弁護士に報酬基準を見せてくれるよう依頼しましょう。

不倫相談を弁護士に依頼した場合にかかる5つの費用と相場

上記のように、弁護士費用は弁護士ごと、事務所ごとに自由に決めることができます。とはいえ、弁護士費用は、主に次の5つの費用に分けられるのが一般的です。

(1)相談料

相談料とは、法律相談にかかる費用のことです。相談料がかかる場合は、30分5,000円+税、1時間10,000円+税というのが一つの目安ですが、初回相談は無料というところもあります。

国が設置している「法テラス」という法律相談窓口でも、有料相談は30分5,000円+税です(法テラスでは、一定の収入条件を満たす場合に無料相談が受けられます)。なお、相談料の支払いは一括払いで、現金払いという事務所が多いです。

(2)着手金

着手金とは、弁護士に不倫問題を依頼した時点で支払うお金のことです。最終的に事件が解決したかどうかに関わらず支払うお金で、着手金を受けとってから弁護士は事件の対応を始めるのが通常の流れです。

着手金の基準は弁護士によってさまざまですが、不倫問題の着手金の相場としては20~30万円というところが多いです。これは、不倫慰謝料の目安が100~300万円なので、それに上記でお話した旧報酬基準の8%を乗じた金額とほぼ同じと言えるでしょう。

(3)日当

日当とは、着手金とは別に、弁護活動によって都度生じる弁護士の手数料のことです。具体的には、不倫相手のところや、話し合いの場所まで出かけた際の「出張日当」や、裁判に出た際の「公判日当」などがあります。日当の種類や金額は弁護士によって千差万別です。

一律何万円という弁護士もいれば、弁護士事務所から目的地までの所要時間で計算する弁護士、タイムチャージ制で活動にかかった時間で計算する弁護士もいます。日当は、活動によっては思わぬ高額になることもあるので、相談の際に、どのような場合にいくらかかるのかをしっかり確認しておきましょう。

(4)成功報酬

成功報酬とは、弁護活動で成果が上がった場合に、最後にかかる費用のことです。不倫問題で慰謝料の請求を弁護士に依頼した場合の成功報酬の目安としては、おおむね20~100万円といえるでしょう。

これも着手金と同様、旧報酬基準を参考に、経済的利益の16~20%を基準に設定しているケースが多いです。また、実際に不倫慰謝料を回収できたり、減額できなかった場合でも、「固定報酬」として一定の金額を報酬金として請求する事務所もあるので、よく確認しておきましょう。

(5)実費

実費は、郵送料や交通費など、弁護活動をする際にかかった経費のことです。事件の最中は弁護士が立て替えておき、最後に一括で清算するケースが多いです。

弁護士以外に不倫相談をした場合の費用の目安

(1)探偵の不倫相談の費用の目安

夫や妻の不倫について、まだ決定的な証拠がない場合、探偵に相談して不倫の事実を確かめたいという方もいると思います。

探偵に不倫相談をして調査を依頼した場合の費用の目安は、調査期間や調査員の人数によって変わりますが、だいたい次のようにまとめられます。

  • 時給プラン…5000円~7000円程度
  • 1日だけの調査プラン…3000円~1万円程度
  • 4日程度のパックプラン(調査員2名)…20~50万円程度
  • 成功報酬型のプラン…証拠が取れた場合のみ30~60万円程度

格安すぎる探偵事務所も信頼がおけないかもしれませんが、時給12000円、日給20万円を超えたり、見積もりから100万円を超えるような高額な費用を提示された場合は、別の事務所に相見積を取ることを検討してください。また、成功報酬やパックといっても、ガソリン代や交通費が含まれるのかなど、詳細についても確認しておきましょう。

(2)離婚カウンセラーの不倫相談の費用の目安

離婚カウンセラーとは、夫婦問題カウンセラーともいわれる民間資格保有者です。NPO法人日本家族問題相談連盟という団体が、講座や認定試験を設けています。民間資格ですが、中立的な立場で、離婚に関わらず夫婦問題全般を相談できるなどのメリットがあります。

費用は、民間だけあって千差万別ですが、最大手の「離婚相談救急隊(岡野あつこ代表)」の費用が目安になるかと思いますので、ご紹介しておきます。

  • キャリアカウンセラー電話相談1時間…1万+税
  • キャリアカウンセラー面談相談2時間…2万+税
  • 夫婦同時カウンセリング面談3時間…4万+税
  • 代表の岡野あつこ氏の電話相談1時間…3万+税
  • 代表の岡野あつこ氏による面談2時間…5万+税
  • 離婚サポートプラン…30万~

弁護士の中でも離婚カウンセラー資格を持っている人もいますが、離婚カウンセラーは弁護士資格を有していません。弁護士資格がない限り、不倫の慰謝料請求などの法律相談をしてはいけないことが弁護士法で決められているので、ご自身が相談したいことは何なのかを検討したうえで、相談先を決めるとよいでしょう。

(3)友人・知人に不倫相談した場合の費用の目安

友人や知人は、不倫問題を最も相談しやすい相手と言えるでしょう。この場合の相談料は無料です。しかし、気を付けたいのが、相談する相手を選ばなければ、後で思いもかけない高いものにつくリスクがあることです。

実際、夫の不倫を相談したママ友から近所に不倫の話が広まり、尾ひれを付けた話が夫に伝わったために夫婦仲が険悪になり、離婚するつもりはなかったのに離婚せざるを得なくなった方もいます。また、友人や知人も不倫で辛い思いを経験していたとしても、家庭の状況は人それぞれということを認識しておきましょう。

不倫相談を弁護士にするメリット、デメリット

(1)不倫相談を弁護士にするメリット

弁護士に不倫相談をするメリットとしては、本人がどうしたいかに応じた対応のアドバイスが受けられることです。また、依頼した場合は、配偶者や不倫相手に本人に代わって交渉して慰謝料請求をしたり、書類の整備を任せたり、裁判になった場合は代わりに出廷してもらうこともできます。

弁護士になるには、法科大学院を出るなどして司法試験の受験資格を得て、司法試験に合格し、約1年の司法修習を経て最後に行われる二回試験を突破し、日本弁護士連合会と所属する都道府県の弁護士会に登録しなければ活動してはいけません。それだけに、弁護士ができる活動範囲は非常に広く、トラブルの初期の段階から、裁判など最終段階まですべてを任せることができ、ご自身の負担を最小限にとどめられるメリットがあります。

(2)不倫相談を弁護士にするデメリット

弁護士に不倫相談をするデメリットとしては、上記でお話したような弁護士費用が掛かることです。確かに、弁護士費用の負担は大きいですが、最終的な解決まで望む場合は、かえって金銭的負担も少なくて済む場合があります。弁護士費用の基準は弁護士によってさまざまなので、ホームページでよく調べておくこと、無料の法律相談などを利用してご自身のケースの見積もりを確認しておくこと、相手の弁護士が弁護士費用を払ってでも依頼する信頼に足る弁護士かどうかを見極めることが大切です。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、不倫問題を弁護士に相談した場合の弁護士費用の目安についてお話しさせていただきました。思っていたよりもたくさんの費用が掛かることに驚いた方、他の相談先に不倫相談をした場合の費用が高額なことに驚いた方もいるかもしれません。

弁護士は、法律家としてはすべて任せることができる強い味方ですが、反面不倫の事実が不明な場合やご自身がどうしたいのかが分からない場合は、弁護士の本領を発揮するのが難しいです。弁護士に頼んだら何ができるのか、どういう結果が期待できるのかなど、不倫相談でお悩みの方は、まずは一度お気軽に相談されてみてはいかがでしょうか?

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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