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不貞行為の証拠

不貞行為の証拠は出すタイミングが重要!最適な時期と注意点を解説

「配偶者の不貞行為の証拠をつかんだが、どのタイミングで出せば最も効果的なのだろう?」

「配偶者が不貞行為をしていたことを知り、離婚を考えているが、どのタイミングで出せば話し合いを有利に進められるのか知りたい。」

このように悩み、お考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

不倫に関する問題は他人に相談しづらい一方で、自分の人生に関わる非常に重要な問題です。最善の結果となるよう、慎重に進めることが大切といえるでしょう。

今回は、証拠を出すタイミングの重要性、証拠を出す最適なタイミングとは、有効な証拠と証拠を集める際の注意点、有効な証拠を入手した後の流れ、不貞行為の証拠についてよくある質問と回答などについて解説します。

証拠を出すタイミングの重要性

不貞行為の証拠をつかんだとしても、最初からすべてを開示してはいけません。配偶者に逆ギレされたり、白を切られたりして、話が進まない可能性があるためです。

逆に、最適なタイミングで、決定的な証拠を示すことができれば、相手に不貞行為を認めさせられたり、慰謝料の増額に成功したりすることもあります。証拠を出すタイミングは、問題の肝要な部分の行方に大きく影響を及ぼすことがあるのです。

また、決定的な証拠を入手できていない場合は、特に慎重にならなくてはいけません。中途半端な証拠を提示しても、相手が認めないだけでなく、警戒心を抱かせてしまうことで、決定的な証拠を入手できなくなる可能性もあります。できるだけ早く、白黒をつけて相手を責めたい気持ちもわかりますが、最善の結果を得るためにも、確実な証拠を入手するまで、落ち着いて構えましょう。

証拠を出す最適なタイミングとは

では、いつ証拠を提示するのが最適なのでしょうか。答えは、ケースによってさまざまです。ここでは、よくある事例と、その場合の最適なタイミングについて解説しますが、似たような場合でも、必ずしも同じように対応するのがよいとも限りません。
望む結果を得るためにも、一度弁護士に相談の上、対処することをおすすめします。

1.不貞行為を認めさせたいが、離婚は考えていない場合

とにかく、相手に不貞行為の事実を認めさせたい場合は、証拠を小出しにしていくのが有効です。決定的なものは、できるだけ後から提示することにして、グレーなものから少しずつ示してみましょう。

相手は、こちらが他にどのような証拠を持っているのかと不安に思い、焦燥感に駆られ始めるはずです。その結果、こちらのペースで話し合いを進められることも多いでしょう。

決定的な証拠は、相手の言い分をすべて聞いた後に提示するのが最も効果的です。さんざん嘘を重ねた後に、言い逃れのしようもない証拠を見せられれば、相手も認めざるを得ないでしょう。

また、自分で交渉する場合の注意点として、絶対に感情的にならないことです。冷静さを失ってしまい、話し合いが破綻してしまえば、せっかく手に入れた証拠も意味がありません。どうしても感情的になってしまい、まともに話ができない場合は、弁護士に依頼するとよいでしょう。

2.離婚と慰謝料の請求を見据え、交渉する場合

離婚と慰謝料の支払いを求めて、配偶者と交渉をする場合も、基本的に前項で説明した場合と同様に進めるとよいでしょう。いきなり決定的な証拠を提示するのではなく、証拠を小出しにしていくことで、交渉を有利に進められるはずです。

また、相手がなかなか交渉に応じない場合は、「証拠がある」といって交渉に応じさせるのも有効な方法です。たとえ決定的な証拠をまだ得られていない場合でも、相手を交渉の場に立たせることができれば、他の証拠を少しずつ示すことで、揺さぶりをかけられるでしょう。
決定的な証拠を最適なタイミングで示すことで、慰謝料の増額を図ることもできます。

3.離婚及び慰謝料請求で裁判を起こす場合

離婚や慰謝料を求めて裁判を起こす場合も、最適なタイミングまで証拠の提出は待った方が賢明です。特に相手が嘘の主張をした後に、決定的な証拠を提出すれば、大変有効に働きます。裁判官の相手方に対する心証が悪くなるため、離婚が認められたり、慰謝料の増額に成功する可能性が高まるためです。

裁判の結果は、裁判官の抱いた印象によって左右されるところも大きいものです。裁判手続きは、自分で対応することもできますが、確実に有利な結果を得るためにも、離婚や不倫事件の裁判についての知識と経験が豊富な弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。

有効な証拠と証拠を集める際の注意点

特に離婚や慰謝料の請求を考えている場合には、不貞行為を立証できる証拠を準備しておく必要があります。証拠としては、配偶者と不倫相手との間に肉体関係があったことを、客観的に窺い知れるものが有効です。
また、証拠を集める際には、相手に気づかれないように、さらに、違法行為をしないように気を付けましょう。

1.どのような証拠が必要か

法的に離婚が認められたり、慰謝料の請求が認められたりするためには、不貞行為があったことを立証できる証拠が必要です。すなわち、配偶者と不倫相手の間に肉体関係があったことが客観的にわかるものを用意しなければなりません。
不貞行為があったことを立証するのに有効な証拠としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 配偶者と不倫相手がホテルから出るところを収めた写真や動画
  • 肉体関係があったことがわかる文面のメールやSNS
  • 不倫の事実を認めた会話や通話の録音データ
  • 二人でホテルを利用したり旅行したりしたことがわかる領収書やクレジットカードの明細

これらの証拠を入手することが困難な場合は、一度弁護士に相談してみましょう。弁護士には職務上の権限があり、一般の人では入手できない資料も入手可能です。

また、この他にも証拠として活用できるものを提案してくれたり、提携先の調査会社に委託して、決定的な証拠を手に入れたりすることもできますので、諦めずに相談してみることをおすすめします。

2.証拠を集める際に注意すべきこと

特に決定的な証拠をまだ入手できていない段階では、配偶者に証拠を集めていることに気づかれないよう、気をつける必要があります。配偶者に気づかれて、証拠を隠滅されたり、浮気相手と口裏を合わせるように画策されたりしては大変です。決定的な証拠を手に入れられるまでは、慎重に行動するように心がけましょう。

また、電話の盗聴は違法行為になりますし、スマートフォンやパソコンのIDやパスワードを無断で使用してアクセスする行為は、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)」の第三条「何人も、不正アクセス行為をしてはならない。」に抵触する可能性があります。

有効な証拠を手に入れたいあまり、違法行為をしてしまえば、逆にこちらが不利になってしまうこともあるでしょう。

決定的な証拠を入手することが難しい場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが大切です。証拠を準備するための具体的なアドバイスや、他の手段を示してもらえるなど、活路を見出せることもあるでしょう。

有効な証拠を入手した後の流れ

有効な証拠を手に入れたら、具体的な行動を起こしていきましょう。
まずは、当事者同士での話し合いから始め、話がまとまらなければ、裁判所での調停手続きを申し立てて解決を図ります。調停が成立しなければ、訴訟を起こし、裁判所の判断を仰ぐことになります。

1.当事者同士での交渉

まずは、当事者同士で交渉してみることになります。
証拠を上手く活用したり、適切なタイミングで提示したりすることで、上手く話し合いが進んだ場合は、話し合いで決まった内容を示談書として形に残しておきましょう。示談書を作成しておくことで、相手が約束を履行しなかったり、後になって内容を覆そうとしたりするなどのトラブルを防げます。

慰謝料の支払いが内容に含まれている場合は、確実に支払ってもらうためにも、公正証書の形を取るのも一つの方法です。公正証書は、裁判手続きによる判決文などと同様に執行力があるため、万が一相手が慰謝料を支払わない場合には、強制執行の手続きを取ることもできます。

また、当事者同士で話し合う場合は、どうしても互いに感情的になってしまうもので、話し合いが難航する傾向にあります。話し合いが決裂しても、裁判所に調停を申し立てたり、訴訟を起こしたりするなど、解決の道は残されていますが、長期化するほどご自身にかかる精神的負担は大きくなりますし、費用も労力もかかるものです。

できるだけ早期に、有利な条件で解決するためにも、話し合いが破綻してしまう前に、早めに弁護士に相談することが望ましいでしょう。

2.離婚調停

当事者間での話し合いが決裂した場合、まずは裁判所に調停の申し立てをすることになります。調停とは、裁判所が間に入って、双方の言い分を聞き取り、意見の調整を行いながら解決に導いてくれるものです。調停手続きを経ても、双方の合意が得られず、不成立となった場合は、訴訟手続きへと移行します。

3.離婚裁判

調停が不成立となった場合、最終的に、裁判所に訴えを起こし、裁判所の判断を仰ぐことになります。
裁判手続きでは、裁判官主導の元、書面や証拠を裁判所に提出して、双方主張と立証を行い、最終的に裁判官が原告の請求を認めるかどうかについての判決を下します。
裁判の行方は、裁判官の心証によるところが大きく、特に証拠を提出するタイミングは、裁判の結果を左右する非常に重要な要因といえるでしょう。
望む結果を得るためにも、できれば裁判の経験が豊富な弁護士に早めに依頼するのが賢明です。

不貞行為の証拠についてよくある質問と回答

不貞行為を原因とする離婚や慰謝料をめぐる話し合いや争いの中では、証拠を出すタイミングや証拠の有効性は大変重要です。ここでは、不貞行為の証拠について、よくある質問とその回答をご紹介します。

1.配偶者と別れたくない場合、証拠はいつ出すべきか?

離婚や慰謝料を請求しない場合は、証拠はいつ出しても大差はありません。

不貞行為をした配偶者は有責配偶者となり、裁判においては、有責配偶者からの離婚が認められることはありません。そのため、こちらから離婚を請求しない限り、離婚成立に至ることはないでしょう。

ただ、相手に不貞行為の事実を認めさせたいだけなら、相手の言い分をすべて聞いて、相手が嘘をついた後がより効果的です。相手は反論の仕様がなくなるため、認めざるをえなくなるでしょう。

2.相手が調停で嘘ばかりつく場合、証拠はいつ出せばよいか?

相手が調停で、自分の立場を有利にするような嘘ばかりついて、調停手続きが相手のペースで進んでいくと、焦ったり、不安になったりするものです。一つ一つ反論をしたり、タイミングを見計らって証拠を提出したりするのも効果はありますが、あえて不成立にするのも一つの方法です。嘘をつき続ける相手とは、まともな話ができませんし、そのような相手と無理をして話し合いを続ける必要もありません。
裁判になれば、主張内容と、それを立証する証拠がより重視されます。相手方も調停のときのように、好き勝手に発言することもできなくなりますし、こちらが準備した証拠も有効に活用できます。
相手方が嘘の主張ばかり繰り返し、文字通り、話にならないと感じたら、速やかに裁判手続きに移行することを検討するとよいでしょう。

3.調停で不倫を認めたら、裁判での証拠にはなるか?

調停中のそれぞれの発言内容は、記録されることはありません。そのため、調停手続き中に不貞行為の事実を認めたとしても、裁判で提出できるような証拠の形で残すことはできず、その意味で、調停中の発言は、証拠にはならないといえます。

どうしても調停中の発言を証拠としたければ、内容を書面にして本人に確認させ、認める旨の署名、押印をさせることくらいしか方法はないでしょう。
ただし、調停中に不倫を認める発言をしたことを、裁判の中で本人が認めた場合は、それが重要視される可能性はあります。

まとめ

今回は、証拠を出すタイミングの重要性、証拠を出す最適なタイミングとは、有効な証拠と証拠を集める際の注意点、有効な証拠を入手した後の流れ、不貞行為の証拠についてよくある質問と回答などについて解説しました。

配偶者の不貞行為が原因で離婚や慰謝料を請求する場合、話し合いや裁判で有利な立場に立ち、望む結果を得るためには、証拠を提示するタイミングが非常に重要です。

この記事で紹介した内容を参考に、自分で交渉や裁判手続きをすることも可能ですが、より速やかに最善の結果を得るためには、交渉力が高く、離婚事件や不倫事件の取り扱い経験の豊富な経験弁護士に依頼することをおすすめします。

離婚や不倫事件に精通した弁護士に依頼すれば、どのタイミングでどの証拠を示すべきか、適切に判断の上、交渉や裁判を進めてくれます。速やかな離婚の成立や慰謝料の増額など、期待以上の成果が得られることもあるでしょう。証拠の入手に悩んだり、示すべきタイミングに悩んだりした場合は、速やかに弁護士への依頼を検討しましょう。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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