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不倫問題はどのようにして和解するのか?慰謝料請求や示談の方法

不倫をした配偶者や不倫相手に対して慰謝料請求をすると、相手方から和解の申し出を受ける場合があります。不倫をした配偶者や不倫相手を許せない、和解など考えられないという方もいらっしゃるかもしれませんが、条件次第では和解に応じる方が有利な場合もあります。

そこで今回は、配偶者や不倫相手から和解の申し出があった場合に和解に応じるべきかの判断基準や、和解を進めるうえでの注意点などについて解説します。

和解のメリット

(1)早期解決が期待できる

和解をせずに裁判所の法的手続(調停や訴訟など)をとると、相応の時間がかかってしまいます。訴訟を例にすると、まず裁判所に提出する訴状や書証(証拠書類)の作成にそれなりに時間が必要です。実際に裁判が始まる(第1回口頭弁論期日が開かれる)のは、裁判所に訴状を提出してからおおむね1ヶ月~1ヶ月半ほどあとになります。

相手方が請求内容を争う場合、裁判は1回では終わらず、多くても1ヶ月に1回程度の頻度で続きます。そうなると、裁判が終わるまでに早くても数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。

これに対して、和解の場合、実際の話し合いを始めるのに訴訟ほどの時間は必要ありませんし、一度の話し合いで終わらなかったとしても、訴訟よりも頻繁に話し合いをすることができます。このように、和解には早期の解決が期待できるというメリットがあります。

(2)費用が掛からない

法的手続をするには、裁判所に収入印紙と郵便切手を納める必要があります。訴訟を例にとると慰謝料請求のような金銭を請求する訴訟では、請求額に応じて納める収入印紙の額が定められており、請求額が高額になるほど収入印紙の額も高額になります(例えば、300万円を請求する場合は2万円、500万円を請求する場合は5万円になります)。

また、訴訟などの法的手続をするには、専門的な知識が不可欠です。自分一人で対応するのは難しいので、弁護士への依頼を考える方も多いでしょう。しかし、弁護士に依頼をすれば、当然、弁護士費用が掛かります。弁護士費用も通常は請求額を基礎に決められるので、請求額が高額になるほど弁護士費用が高額になります。

これに対し、和解の場合、特別な費用はかかりません。

(3)相場以上の慰謝料を獲得できる可能性がある

慰謝料を請求する訴訟で裁判所が認める慰謝料の相場は、数十万円~300万円程度と言われています。裁判所には過去の事例の膨大な積み重ねがあり、公平の観点から、類似の事例と大きくかけ離れた金額が認められることはめったにないのです。

しかし、和解の場合、裁判所の相場に拘束される必要はありません。ですから、相手方に大事にしたくない、裁判沙汰は困るといった事情がある場合には、和解によって相場以上の慰謝料を獲得できる場合もあるのです。

和解に応じるかどうかの判断基準

(1)不倫の証拠がそろっているか

和解ができずに訴訟になった場合、慰謝料を請求する側が不倫の事実を証明しなければなりません。また、不倫慰謝料は不倫の期間が長いほど、不倫の回数や頻度が多いほど、高額になりやすい傾向があります。

ですから、不倫についての証拠が不十分である場合、慰謝料請求が認められない可能性がありますし、不倫の証拠があっても1回きりのものである場合など、慰謝料請求が認められても低額に終わる可能性もあります。

このように、証拠が不十分である場合、訴訟を起こすと敗訴のリスクを負うことになるんで、リスクを避けるために和解に応じることを検討してもいいでしょう。

(2)和解金額は妥当か

和解するうえで最も気になるのは、やはり和解金額でしょう。和解金額が先ほど照会した相場と同程度である場合、訴訟をしても結局同程度の慰謝料しか認められないことが多いのでしょう。

また、先ほども開設したとおり、訴訟になれば弁護士に依頼することが望ましいのですが、その場合は、弁護士費用が必要になります。訴訟で慰謝料の支払いが認められた場合、慰謝料の1割に当たる金額を弁護士費用名目で加算するのが現在の裁判所の運用です(例えば、慰謝料を100万円とした場合、弁護士費用として10万円の損害を認め、合計110万円の支払いを命じます)。

あくまで慰謝料の1割であり、実際にかかった弁護士費用ではありません。ですから、弁護士費用が慰謝料の1割を超える場合には、超過部分は自己負担になってしまいます。

このようにみると、和解金額が妥当であるかどうかは、訴訟をした場合に、弁護士費用などを差し引いて最終的にどの程度自分の手元にお金が残るかを考慮して判断する必要があるといえます。

(3)裁判にかかる時間・労力に耐えられるか

先ほど解説したとおり、裁判には時間がかかります。裁判所の判決に不服があれば不服申し立て(上訴)をすることができるので、最終的な結論が出るまでに何年もかかることもありえます。その間に裁判のために費やされる労力は相当なものになります。弁護士に依頼したとしても、打ち合わせなどが必要であり、丸投げすることはできません。

また、ほとんどの方は裁判の経験などないでしょうから、裁判が続いているだけでも精神的な負担になってしまいます。和解に応じない場合にはこのような負担があることを念頭に、和解に応じるか、それでも和解をせずに法的手続をとるかを検討する必要があります。

和解を進めるうえでの注意点

(1)感情的にならない

不倫をした配偶者や不倫相手を許せないと思は当然です。しかし、和解の交渉において、感情的になって相手を責め立てると、相手も感情的になり、不毛な口論になってしまって、話し合いが進展しないおそれがあります。和解に向けた交渉はあくまで冷静に進めるようにしましょう。

(2)和解書(示談書)を作成する

話し合いの結果、合意ができた場合は、必ず和解書(示談書)を作成します。口約束では、後日、「言った言わない」の争いになってしまう可能性があるからです。

また、とくに慰謝料を月末までに支払うとか、分割で支払うと約束した場合、万が一約束通りの支払いがなかった場合に備えて、強制執行認諾約款付きの「公正証書」を作成しておくといいでしょう。

公正証書とは、公証人という公務員が、法律行為その他私的権利に関する事実について作成する公的な文書をいいます。慰謝料を支払う約束と、支払いをしなければ直ちに強制執行に服すること(強制執行認諾約款)を公正証書に記載しておけば、約束通りの支払いがなかった場合、裁判をせずに公正証書に基づいて差し押さえなどの強制執行をすることができるのです。

(3)不安があるときは弁護士に相談を

和解の進め方や和解書(示談書)の書き方などで悩んだときの相談先としては、弁護士がベストといえます。離婚するか夫婦関係の修復を目指すべきかといったことについてお悩みの場合はカウンセラーなどの選択肢もありえますが、不倫慰謝料の和解はもっぱら法律問題ですから、法律の専門家である弁護士がふさわしいのです。

最近は、離婚や不倫慰謝料など特定の分野について初回相談料を無料としている法律事務所もあるので、まずはそのような法律事務所を探すといいでしょう。

まとめ

今回は、不倫慰謝料請求の和解について解説しました。ただ、裁判所の慰謝料の相場は幅があるので、ご自身のケースで裁判をすればどのぐらいの金額になるのかはなかなか予想できないかもしれません。

また、その予想ができないと、和解に応じるべきかの判断も難しいでしょう。ですから、不倫慰謝料についての和解でお悩みの方には、不倫問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。

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