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離婚を子供の成人まで待つメリットは?親権・戸籍・苗字の変更を解説

子供が成人するまで離婚を待つという方は少なくありません。しかし、反対に子供が成人したことで、離婚によって子供に与える影響をあまり考えない方がいることも事実です。

実際は、戸籍など考えるべきことは多いですが、とはいえ子供が成人してから離婚した場合は何が問題になりどのように対処したらよいかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、子供が成人してから離婚する場合に、対処すべき戸籍や姓の問題、離婚のタイミングについてお話をさせていただきたいと思います。

離婚したら成人した子供の親権は誰が持つか?

親権とは、未成年者の子供を養育・監護したり、子供の財産を管理したり、子供に代わり代理人として法律行為をするなどの権利義務を指します。子供が未成年の場合は、子供1人について1人の親権者を決めて、離婚届けに記載しなければいけません。

離婚した子供の夫婦が20歳以上で成人している場合は、親権の問題は発生しないため、親権者を決める必要はありません。

離婚で成人した子供の戸籍はどうなるか

夫婦が離婚した場合、子供の戸籍は離婚前の戸籍に残るのが原則です。これは、子供が成人していても変わりません。

ここで注意が必要なのは、結婚時に変更した親の姓です。日本では原則として夫婦同姓が取られているので、結婚後は夫婦はどちらかが旧姓から姓を変えることになります。離婚すると姓を変えた方の人が戸籍を抜けることになるため、具体的には子供の戸籍は次のようになります。

  • 両親が結婚時、妻が姓を変えて夫の苗字にしていた場合:母親が戸籍を抜け、子供は父親の戸籍に残る
  • 両親が結婚時、夫が姓を変えて妻の苗字にしていた場合:父親が戸籍を抜け、子供は母親の戸籍に残る

離婚後の子供の戸籍の移動や変更手続きとは

子供が成人している場合、すでに子供も結婚しているケースもあるでしょう。ここでは、ケース別の戸籍の手続きについてご紹介します。

(1)子供が結婚しているか分籍している場合

子供が結婚した場合、結婚した時に親の戸籍を離れて独立した戸籍を作るのが通常です。そのため、両親の離婚によって影響を受けることはありません。

(2)子供が独身で戸籍を抜ける親の戸籍に入りたい場合

夫婦が離婚をすると、結婚した時に姓を変えた人が結婚中の戸籍を抜けます。子供が籍を抜ける親の戸籍に入ることを希望している場合は、2つの手続きが必要です。第一に、姓が違う親子は同じ戸籍に入れないので、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」を行い、第二に裁判所の許可が出たらその通知と入籍届を市区町村役場に届け出ます。

(3)子供が独身で離婚前の戸籍に残りたい場合

特に手続きの必要はありません。

(4)子供が離婚した両親のどちらの戸籍にも入りたくない場合

子供が分籍をすることで、両親の戸籍ではなく自分自身の戸籍に入ることができます。分籍は、成人に達していること、戸籍の筆頭者ではないこと、結婚していないことの3つが条件になります。分籍は、分籍届などの書類を市区町村役場に提出することで可能です。

離婚後に子供の苗字(姓)を変えたい場合の対処方法

夫婦が結婚、つまり入籍すると姓を同一にする「夫婦同姓」が日本の決まりです。日本では、平成28年の統計では、96%が夫の苗字を選択しており、多くの場合で妻が姓を変えています。

離婚した妻は、手続きをしなければ自動的に離婚によって旧姓に戻りますが(復氏といいます)、離婚後3か月以内に「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」をすることにより、結婚時の姓を名乗り続けることができます。

一方、子供は上記のように夫婦が離婚した場合、離婚前の戸籍に残るため、姓も変わりません。親の離婚によって、子供の姓を復氏した親の姓に変えたい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立」を行う必要があります。

(1)苗字の変更の申立てができる人

子の氏の変更許可申立は、子供が15歳以上の場合は子供本人が行うことができます。

(2)苗字を変えるための方法

申し立ては、子供の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。申立ての期間に制限はありません。また、複数の子供が氏の変更を希望する場合は、1人の子供の本籍地でまとめて申立てができます。家庭裁判所には、次の書類を揃えて提出します。なお、郵送によっても可能です。

  • 子の氏の変更許可審判申立書
  • 子供の戸籍謄本(発行後3ヶ月以内、両親の離婚や親権者の記載があるもの)
  • 子供が入籍を希望する戸籍謄本(発行後3ヶ月以内、両親の離婚の記載があるもの)
  • 子供が入籍する戸籍に父母が異なる15歳以上の人がいる場合の同意書
  • 認印
  • 身分証明書(顔写真の貼付があるもの)

申し立てには、子供1人につき800円の収入印紙と、裁判所が指定する切手代が必要です。

(3)申立てから苗字が変更するまでの流れ

家庭裁判所に申立てが受理されると家庭裁判所が子供の利益を考慮して、氏の変更を認めるかどうか検討します。一般的には10日程度で決定され、特段の事情がない限りは、変更の申し立ては認められやすいです。氏の変更を認めるかどうかが決まると、裁判所から申立人宛に「審判書謄本」が送られてきます。

子供の成人まで離婚を待つメリット・デメリット

子供がいる夫婦が離婚するタイミングとしては、子供に親への愛着がわく前の幼い段階か、成人して自立する段階が望ましいと言われています。とすると、子供が成人するまで離婚を待つメリットは大きいようにも思いますが、同時にデメリットもあります。

(1)子供の成人まで離婚を待つメリット

①子供が成人するまで経済的に安定した生活を送らせることができる

両親が離婚をすると、財産分与や慰謝料の支払い、また専業・兼業主婦(主夫)が高収入を得ることの難しさから、経済水準を離婚前同様に維持するのは大変です。離婚によって、子供が進学の希望をあきらめることもあるので、離婚を成人まで待つことで、子供の教育や生活を安定させられるメリットがあります。

②子供の学校生活への影響が少ない

子供が義務教育や高校に通っているときに離婚をすると苗字が変わったり、転校を余儀なくされることで、ストレスを感じたり友人関係の再構築に苦労をする子供もいます。子供が成人して、就職していたり大学生になっている場合は、姓の変更についての周りの受け取り方も違いますし、大学生では一人暮らしをする人も多いので、子供の生活の選択肢も広がるメリットがあります。

③親権や養育費の問題が生じない

未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合は、離婚に際して親権者をどちらかに決めなければいけません。愛する両親のどちらかと別れなければいけない子供の心理的負担は大きく、また、どちらの親と一緒に暮らすか選ぶように求められた子供にとっては、その選択をすることが言葉にできないほどの悲しみとストレスになりがちです。

また、養育費は子供が成人するまで払うのが基本ですが、約80%が未払いになると言われています。子供が成人してから離婚した場合は、こうした問題が生じないことは親にとっても大きなメリットと言えるでしょう。

(2)子供が成人するまで離婚を待つデメリット

①子供の不安感を継続させる

子供は、親の状況を敏感に察知しています。すでに両親が不仲なのに離婚を先延ばしにすることで、子供にいつか両親が別れるのではないかという不安感を抱かせ続ける恐れがあります。

②子供が自分を責める可能性がある

両親が離婚を考えているのに離婚をしないことで、子供が両親が離婚できないのは自分がいるからではないかと考えてしまう場合があります。こうした心理的負担は、子供に大きなストレスになるというデメリットがあります。

③離婚の原因によっては早く離婚した方がいい場合がある

配偶者がDVを行う、モラハラがあるなどの場合は、子供が成人するまで離婚を待つことがかえって悪い結果を招くことがあります。特にDVは命にもかかわる問題です。警察への連絡も含めて、このような場合は弁護士にまずご相談ください。

まとめ

いかがでしたか。今回は、子供が成人するまで離婚を待つことのメリット・デメリットや、離婚によって子供に生じる影響についてお話ししました。子供が成人していても、戸籍や姓など、与える影響が大きいことに驚いた方もいるかもしれません。

すでに子供が成人している方も、まだ子供は未成年だけれど成人まで離婚を待つべきか悩んでいる方も、まずは離婚の専門家である弁護士にお気軽に相談してみてはいかがでしょうか。離婚は子供に大きな影響を与えます。弁護士に相談することで、よりご自身の状況にあった離婚のタイミングなどが見える場合もあります。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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