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産後クライシスで浮気された場合の対処法|不倫相手への慰謝料請求を解説

産後、夫婦関係の悪化にお悩みの方はいらっしゃいませんか。
出産後、夫に愛情が感じられなくなったり、夫の行動のひとつひとつに苛立ちを感じたりするなど、夫婦関係が悪化してしまう方は少なくありません。
原因がはっきりと分からないだけにどう対応したらいいかわからず、夫が不倫に走ってさらに苦しんでいる方もいるのではないでしょうか。

また、夫が不倫をしても、産後クライシスになったせいかもしれないと、ご自分を責めてしまう方もいるかもしれません。
しかし、産後クライシスと不倫は別の問題です。
産後クライシスは夫婦で乗り越えていくものですが、不倫は夫婦の権利を侵害された不法行為なので、泣き寝入りする必要はありません。

今回は、産後クライシスで夫が不倫した方のために、不倫相手に慰謝料を請求する方法について説明したいと思います。

産後クライシスとは何か?

「産後クライシス」とは、子供の出産後に、夫婦の仲が急に悪化する状況をいいます。
夫婦は、子供の誕生をきっかけとして、生活ペースや気持ちなどに変化が生じがちです。母となった妻は、育児が生活の中心になりますし、出産により女性ホルモンが減って授乳ホルモンが出て母性が高まることで、苛立ちやすくなったり、性欲が減退したりするなどの変化が生じやすくなります。

一方、夫はホルモンの変化はなく、大黒柱としての責任感から仕事に邁進したり、子供に付きっきりの妻に寂しさを感じたり、母としての姿に性欲を感じにくくなる人もいます。

このような生活や気持ちの変化から、夫婦のすれ違いが増幅するのが産後クライシスです。
産後クライシスは、人によって時期や期間に差があり、出産後2年以内に関係改善できる夫婦もいれば、出産後10年たっても産後クライシスが続く夫婦もいます。

また、産後クライシスと同視されがちなのが「マタニティブルー」や「産後鬱」ですが、これらは女性が妊娠・出産に伴うホルモンバランスの変化によって精神的に不安定になる症状を指すのに対し、産後クライシスは、産後の夫婦双方の関係が悪化する状態を指し、夫も産後クライシスになる場合があるという違いがあります。

また、期間の面でも、マタニティブルーは妊娠中および産後1週間から3ヶ月程度、産後鬱は産後1ヶ月から発症し改善まで約1ヶ月かかるのが目安なのに対して、産後クライシスは数年以上続く夫婦もいるのが特徴です。

産後クライシスに浮気されやすい理由とは

産後クライシスは、浮気が発生しやすい時期と言われています。中でも、夫が不倫・浮気に走るケースが多い傾向にあります。

(1)ホルモンバランスの変化

理由の一つは、ホルモンバランスの変化です。

上記のように、妻は出産によるホルモンの変化で、授乳ホルモンが増えることで母性が強まる一方で性欲が減退しやすい傾向にあり、また産後暫くは産道の裂傷などから身体的に性交渉が不可能なこともあります。
他方で夫は、ホルモンの変化がないため一定の性欲を維持し、出産前に控えていた性交渉を求めるなどの違いが生じることが、浮気が増える理由です。

(2)夫婦の愛情の変化


理由の二つ目は、夫婦の愛情の変化です。
少し古い統計ではありますが、過去に288組の夫婦を対象に行われた調査によると、「妻・または夫に対して愛情を感じている」かという質問に対し、出産前は75パーセントが男女ともに配偶者に愛情を感じていたけれど、出産を経て子供が2歳に達した時は、夫に愛情を感じる妻の割合は34パーセント、妻に愛情を感じる夫は依然51.7パーセントという差が生じています(ベネッセ次世代育成研究室「第1回妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査(2011年)」)。
この統計による、子供が2歳に達する時期は、一般的に産後クライシスが継続しやすい時期と重なります。

 

(3)夫の自信喪失

理由の三つめは、夫の自信喪失です。
産後クライシスは、夫婦の気持ちや生活ペースが変化しがちです。
夫が妻に性交渉を求めても拒否されたり、妻の機嫌を取ろうとして嫌がられるなどして夫婦の会話も減り、徐々に自信を喪失したり、関係の再構築に投げやりになった夫が浮気に走りやすい傾向にあります。

産後クライシスの浮気で慰謝料請求できる5つの条件

産後クライシスは、ホルモンバランスの変化などもきっかけになるため、避けがたい場合もあります。しかし、だからと言って浮気が許されるわけではありません。

日本では、夫婦は配偶者以外の異性と性交渉をしないという「貞操義務」をお互いに負っているとされています。
夫や妻が不倫をして夫婦の平和な生活を破壊すると、この貞操義務に違反して相手に精神的苦痛という損害を与えたことになり、浮気された側はそのダメージをお金で填補するための慰謝料を請求できることになるのです。

ただし、浮気をしたからと言って必ず慰謝料が請求できるとは限りません。浮気で慰謝料を請求するには、次の5つの条件を満たす必要があります。

(1)法律的に結婚していること

慰謝料が請求できる浮気・不倫は、法律的に結婚している夫婦の問題です。というのも、貞操義務は、婚姻関係にある夫婦が負うものだからです。

例外的に、結婚する前提で夫婦同然に生活している内縁の夫婦は、「準婚関係」とみなされ、浮気・不倫をすると慰謝料を請求できます。
単なる同棲中の場合は、慰謝料が請求できないのが原則です。

(2)婚姻関係が破綻していないこと

浮気で慰謝料が請求できるのは、浮気・不倫によって貞操義務が侵害され、夫婦の平和な生活が壊されて精神的苦痛という損害が発生したからです。
そこで、そもそも夫婦の婚姻関係が破綻していた場合は、もはや法律的に保護すべき利益がなく、損害も発生していないと考えられます。
そのため、離婚を前提に別居していたり、離婚手続きを進めていたり、何年も会話もしていない夫婦の場合は、浮気や不倫をされても慰謝料請求はできません。

(3)不倫相手の故意・過失

配偶者だけでなく不倫相手にも慰謝料を請求するには、不倫相手が故意(わざと)または過失(うっかりで)で不貞行為をしたことが必要です。

具体的には、相手が既婚者と知っていたり、結婚指輪の跡があるのに確認せず性交渉をしたりした場合などです。
一方で、配偶者が独身と嘘をつき、不倫相手が信じてもやむを得ない事情があった場合などは、故意過失がないとして、不倫相手への慰謝料は請求できない場合があります。

(4)性交渉があったこと

浮気や不倫の考え方は人それぞれです。キスから浮気、デートは不倫と考えて夫婦で約束をして、約束違反をした配偶者が慰謝料を払ってくれる分には構いませんが、裁判所の手続きを利用するなどして正式に慰謝料を請求するには、法律上の不倫である「不貞行為」がなければなりません。

不貞行為とは、配偶者以外の異性と性交渉、つまりセックスをしたことを指します。キスやデートだけでは慰謝料請求はできないのが実務です。

(5)自由意思に基づく性交渉であること

不貞行為は、双方の自由な意思で行われたものでなければなりません。
強制性交等、準強姦(泥酔させて抗拒不能な状況でレイプすること)など、無理やり性交渉をしたような場合は、不貞行為にあたらないのは当然のこと、犯罪に該当します。

産後クライシスの浮気の場合の慰謝料額の相場目安

産後クライシスで、上記の5つの条件を満たす浮気(不貞行為)をされた場合、どのくらいの慰謝料がもらえるのか、相場の目安が知りたいという方もいらっしゃると思います。

慰謝料の金額の相場には、決まりや法律上のルールがあるわけではありません。
当事者同士で合意すれば何円でもいいのです。とはいえ、裁判で認められる概ねの金額の基準があり、浮気がもたらした結果によって、次のような金額が相場になっています。

  • 浮気しても別居や離婚に至らないケース…50万円~200万円程度
  • 浮気が原因で別居や離婚に至ったケース…100万円~300万円程度

ただし、この金額はあくまで目安であり、夫婦の過程の事情や子供の有無、浮気していた期間や程度によっても金額が変わります。

過呼吸、涙が止まらない、鬱病など、浮気による精神疾患で慰謝料増額できる可能性

慰謝料金額は、浮気の状況や、被った精神的苦痛の状況によってケースバイケースで決まります。
慰謝料を増減される事情には、以下のようなものがあります。

  • 不倫期間:不倫期間が長いほど慰謝料は高額になります。
  • 配偶者と不倫相手の年齢:年齢差が大きいほど、年齢が高い側の主導性が大きいとして慰謝料が高額になります。
  • 社会的地位や収入:不倫をした当事者の社会的地位が高く、年収が多いと慰謝料が高額になります。
  • 不倫の悪質性:別れると約束したのに復縁した、不倫相手が積極的に家庭を壊そうとしたなどの事情があると慰謝料が高額になります。
  • 浮気の否認:明らかに浮気しているのに認めない場合は、より精神的苦痛を増加させたとして慰謝料が高額になります。
  • 子供の有無:夫婦に子供がいる場合は影響の大きさから慰謝料が高額になります。
  • 浮気前の夫婦関係:浮気前に夫婦関係が良好であった場合程、慰謝料が高額になります。
  • 精神的苦痛:浮気で鬱病になるなど、大きな精神的損害が発生したことを証明できる証拠があれば、慰謝料は高額になります。

この中で、産後クライシスの浮気に関わる特徴的な要素としては、子供の有無、浮気による鬱症状、浮気前の夫婦関係、などです。

まず、産後クライシスの浮気では夫婦に子供がいることが前提です。
子供がいる夫婦が浮気をすると、浮気で婚姻関係が破綻したことによる影響が大きいため、慰謝料が増額される可能性が高いです。

一方で、親の浮気で子供がショックを受けたとしても、育児を放棄するなどの特別な事情がない限り、子供独自の慰謝料請求は認められないのが実情です。

また、過呼吸、涙が止まらないなどの鬱症状が出たり、鬱病に罹患したりした場合は、症状が出るほど精神的苦痛が大きかったと考慮され、慰謝料が増額される可能性があります。
ただ、こうした症状を慰謝料増額につなげるには、医師の診断を受け、症状の証明と精神的苦痛による症状であるという因果関係が認められることが必要です。

一方で、産後クライシスで既に夫婦関係が悪化していた場合は、慰謝料が減額される可能性があります。
産後クライシスで元々夫婦関係が破綻していた場合などは、大幅に慰謝料が減額されたり、場合によっては請求が認められなかったりする可能性もあるので注意しましょう。

産後クライシスで離婚して後悔しないために検討すべき3つのポイント

産後クライシスで夫婦仲が悪化する状況が続くのは辛いものです。
相手に愛情が感じられず、離婚を考える方もいらっしゃると思います。

しかし、勢いで離婚をすると、後々後悔することになります。
離婚を考えている方は、少なくとも次の3つのポイントは十分検討を重ねておいてください。

(1)親権獲得のためにすべきこと

産後クライシスの夫婦が離婚する場合、未成年の子供がいるケースが多いと思います。
未成年の子供がいる夫婦が離婚する場合、親権者の決定が離婚の条件になっています。
親権は、結婚中は夫婦が共同で行使しますが、離婚するとどちらか一方が持ち、子供の監護や財産を管理することになります。
離婚後に親権を獲得したい場合は、住居と収入が確保されていることが最低限必要です。

親権者を決める際は、子の福祉の観点から、離婚後も子供が変わらない生活を送り、安心して教育を受けられることなどが重視されます。
そのため、子供のためになる場合は、浮気した親側に親権が認められることもあります。

親権を取りたい場合は、子供が安定した環境で生活できること、将来の教育にも時間と一定のお金をかけられること、親戚のサポートを受けられることなどを書面にまとめるなどして、見える化しておきましょう。

(2)養育費確保のための対応

養育費とは、離婚後に未成年の子供を監護・教育するために必要な、子供の生活費のことをいいます。
離婚後に親権者になった親が、ならなかった側の親に対して請求できます。

養育費は、原則として子供が満20歳になる月まで請求でき、毎月一定額を支払いますが、実は日本では80%が途中で不払いになると言われています。
養育費が不払いになると、相手方に請求していくことになりますが、最終的には、裁判所が預貯金や給料、財産を差押えて現金化し、強制的に取立てる手続きである「強制執行」によって回収します。

強制執行には、法的文書である「債務名義」があることが重要ですが、調停調書や和解調書、勝訴判決などに加えて、当事者で合意した文書でも構いません。
この場合は、合意の内容を文書にして公正証書にし、さらに「支払が滞ったら強制執行されてもいい」という「執行任諾条項」も記載しておきます。
養育費の取り決めをするときに、合意した内容を強制執行認諾付きの公正証書にしておくことで、いざというときの養育費確保のために安心です。

(3)離婚後の生活の確保

離婚後、特に女性の側が生活に困るケースは少なくありません。特に、専業主婦や夫の扶養控除内の収入でパート等をしていた場合、離婚後に独り立ちして生活をしていくのは大変なケースが多いです。

少しでも離婚後の生活を安心して送れるように、まずは財産分与をきちんとしておきましょう。
財産分与は、離婚するときに、夫婦が結婚中に築いた財産を折半する制度です。
対象になるのは、不動産、預貯金、株、自動車なども含み、妻が専業主婦の場合でも内助の功が認められ、半分もらえるのが原則です。
マイホームがあり、住宅ローンも残っている場合は、不動産の時価とローン残高で分け方が変わり、引き続き住んだ方がいいのか、出た方がいいのかという違いも生じます。

夫婦の資産状況があいまいなまま離婚すると、本来もらえる財産を貰えず、離婚後に生活に困ることもあります。
離婚を検討する場合は、夫婦の財産の状況を調べ、事前に弁護士等の専門家に相談しておくことをお勧めします。

また、市区町村の福祉課などに問い合わせて、離婚後に受けられる公的なサポート制度も確認しておきましょう。

産後クライシスの浮気を弁護士に相談するメリット・デメリット

産後クライシスは、夫婦仲の悪化から、浮気・慰謝料請求・離婚など、様々な問題の原因になります。特に産後クライシス時に浮気をされると、より孤独で辛い思いを生する方も多いと思います。
このような産後クライシスの浮気を相談できる専門家に弁護士がいます。弁護士に相談するメリット・デメリットとして、以下をご参考ください。

(1)産後クライシスの浮気を弁護士に相談・依頼するメリット

今回の浮気が、慰謝料請求の対象になる浮気かどうかのアドバイスや、請求できる慰謝料金額の目安、請求相手についても、的確なアドバイスを受けることができます。

また、慰謝料請求をするときは、依頼すれば代理人として代わりに交渉してもらえるので、相手と顔を合わせる必要がなく、弁護士が介入することで相手に本気が伝わり応じてもらいやすくなる効果があります。
さらに、当事者間で合意に達することができず調停や裁判といった手続きを利用する際は、代わりに出廷してもらえるので、生活への影響を最小限に食い止めることができます。

弁護士は、産後クライシスの浮気の慰謝料請求だけにとどまらず、離婚後の親権の獲得や財産分与など、浮気から派生するすべての法的問題について相談できることも大きなメリットと言えます。

(2)産後クライシスの浮気を弁護士に相談・依頼するデメリット

反面、弁護士に産後クライシスの浮気を相談・依頼するデメリットとしては、費用面が最大の問題になるでしょう。
弁護士費用は、弁護士や法律事務所により異なりますが、以下の金額が一定の目安になるのでご参考ください。

  • 相談料(依頼する前の法律相談料)…30分5,000円+税、1時間10,000円+税
  • 着手金(依頼時に支払う費用)…10万円~30万円
  • 日当(弁護士の裁判や示談の出張費用)…1回10,000円~50,000円
  • 報酬金(成功した場合にかかる費用)…経済的利益(獲得した慰謝料)の10~20%
  • 実費(郵送料や印紙代)…数千円程度

初回相談料は無料という事務所も多いので、ホームページをチェックしたり、法律相談で見積もりを出してもらったりする等して、信用できる弁護士に依頼するようにしてください。

まとめ

今回は、産後クライシスの浮気について、慰謝料を請求できるケースや、不倫相手へも慰謝料請求する条件について解説しました。
産後クライシスで夫婦仲が思わしくないときに不倫をされるのは、辛さが倍増するものです。
しかし、ヤケになって勢いで慰謝料請求を持ち出したり離婚を請求したりすると、かえって不利益を被りかねません。

産後クライシスの浮気や、慰謝料請求でお悩みの方は、まずは弁護士にお気軽にご相談されてはいかがでしょうか。
離婚したいのか、復縁をめざしたいのか、ご希望によって取るべき法的対応が異なるので、一人で悩まず、専門家である弁護士にご相談ください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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