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使い方に気をつけて!浮気調査に使える便利アプリをご紹介

配偶者が浮気をしているかもしれない……。そんな胸騒ぎがしたら、事実を確かめたくなるものですね。ただ、いきなり探偵事務所に依頼するのはハードルが高いように感じるかもしれません。そんなときに便利なのが、「浮気調査アプリ」とよばれるアプリ。調査したい相手のスマートフォンにアプリを入れることで、スマートフォンを使ったやり取りや場所の移動を監視できます。今回は、「浮気調査アプリ」と使用時の注意点をご紹介します。アプリの上手な使い方を知ってください。

「浮気調査に使えるアプリ」の種類と仕組み

スマートフォンに入れることで、スマートフォン内のデータをパソコンで閲覧・管理したり、離れている場所にあるスマートフォンの位置を確認したりできるアプリがあります。このアプリは本来、自身のスマートフォンの盗難・紛失対策やデータ管理、あるいは子供やお年寄りなどの見守りのために使うものです。

しかし、浮気が疑われる配偶者のスマートフォンにアプリを入れると、どうなるでしょうか。あなたはパソコンから配偶者と浮気相手とのメールやSNSのやりとりを閲覧したり、スマートフォンの現在位置=配偶者がどこにいるかを知ったりすることができます。そのため、これらのアプリは別名「浮気調査アプリ」とも呼ばれ、浮気の証拠をつかむために転用されることがあります。

アプリの機能としては、スマートフォンのデータを閲覧・パソコンに転送するものやGPS機能を利用して現在位置をつかむもの、パソコンから遠隔操作でスマートフォンのカメラを操作したり、周囲の音を録音したりするものなどがあります。アプリはAndroid系スマホまたはiPhoneのみに対応したもの、両方に対応したものがあります。Android系は「Google Play」、iPhoneは「App Store」というそれぞれのダウンロードサイトからアプリをダウンロードしましょう。

浮気調査でよく利用されるアプリを紹介

探偵事務所などの力を借りず、独力で浮気調査をする際によく利用されているアプリをいくつかご紹介しましょう。

(1)スマートフォンの内部を監視する

①「ケルベロス」

さまざまな機能が盛り込まれた監視アプリ。このアプリはAndroid版のみです。7日間は無料で使えますが、その後は有料となっていて、端末1台当たり年間5ユーロ(622円程度)の使用料が必要です。

このアプリを配偶者のスマートフォンに入れれば、スマートフォンをパソコンで遠隔操作し、配偶者とその浮気相手の様子を録音したり、カメラ機能を使って録画・スクリーンショット撮影をしたりできます。また、二人がやり取りしたSNSや通話履歴の通信記録、メールなどを監視用パソコンに転送することも可能です。さらに、GPS機能を使ってスマートフォンの現在位置確認や、位置情報のログもチェックできるので、二人がどこによく現れるか推測するのに便利です。

このアプリをインストールしたら、スマートフォンの画面でのアイコンを非表示にしておきましょう。管理するためのWeb画面・スマートフォンのどちらからでも非表示にすることができます。

②「mSpy」

このアプリは、「ケルベロス」よりもさらに機能性が高い監視アプリです。Android版とiPhone版があり、有料です。もとは親が子どもの、あるいは経営者が従業員のスマートフォンを監視するために作られたものですが、配偶者のスマートフォンチェックにも役立ちます。

SNSやメールはもちろん、ネットや通話の履歴、内部の画像・動画まで、アプリを入れたスマートフォンの中身をほぼパソコンなどで閲覧可能。もちろん、遠隔操作でカメラ機能を使って撮影をしたり、GPS追跡機能で現在地を確認したりできます。最大の特徴は何と言っても、ダウンロードしても持ち主にアプリを入れたことがわからないことです。アイコンを非表示設定にする手間がかかりません。

ただし、注意点もあります。いちばん安い月額29.99ドル(約3,300円)の「基本」プランでは、LINEやスカイプの監視ができません。また、iPhoneではジェイルブレイク(非正規のアプリを使える状態にすること)無しの機種でしか使えない機能があります。購入する前に価格や機能を確認してください。

(2)スマートフォンの位置確認・追跡をする

①「Prey Anti Theft(プレイアンチセフト)」

このアプリは、追跡がメイン機能となるアプリです。Android版とiPhone版が用意されており、それぞれ無料版と有料版があります。無料版では、遠隔操作によるカメラ撮影のほか、GPS機能を使った現在位置の確認、現在位置と周囲の画像を添付したレポート作成ができます。浮気調査の第一歩となる、配偶者の足取りを確認するのにちょうどよいでしょう。また、アプリのアイコンを遠隔操作で隠せるので、アプリを仕込んだことがバレにくいのもうれしい機能です。

ほかにも、遠隔操作でサウンドアラームを鳴らす、任意のメッセージを表示させる、スマートフォンをロックするといった機能がありますが、これはこのアプリがもとは盗難・紛失対策アプリであるためです。浮気調査ではあまり使わない機能でしょう。また、有料版ではデータの取得や消去もできます。

②「life360」

このアプリもアプリを仕込んだスマートフォンの現在地を調べるためのものです。Android版とiPhone版があり、基本は無料です。監視がパソコンだけでなく、スマホでもでき、家事の合間などにもチェックできるのがいいところですね。スマートフォンの現在位置確認や移動経路の追跡のほか、登録したスマートフォン同士でチャットができたり、登録者のスマートフォンが特定の場所に着くと通知してくれる機能があったりしますが、これはこのアプリが主に子どもの見守り用として使うことを想定してのことです。

③「Track View」

スマートフォンの現在位置がわかるほか、遠隔操作でカメラ撮影もできるアプリ。Android・iPhoneに対応し、それぞれ無料版と有料版があります。浮気が疑われる配偶者のスマートフォンにアプリを入れた後、あらかじめ作成しておいたGoogleアカウントでログインをする必要がある点が、少々めんどうかもしれません。監視するためのスマートフォンまたはパソコンにも、同じGoogleアカウントでログインし、遠隔操作を行います。

なお、無料版では遠隔操作を行うと、相手のスマートフォンに通知されてしまいます。有料版なら通知されないので、浮気調査で活用したい方は有料版の導入を検討しましょう。有料版は5デバイス利用月額350円~。同時に使えるデバイスの数によって、価格が上がります。

パートナーの了解なしにアプリを仕込むと犯罪になる!?

ご紹介したような「浮気調査アプリ」を利用して浮気をしているかどうか確かめるには、浮気をしていると思われる配偶者のスマートフォンにアプリをインストールする必要があります。当然、配偶者に内緒でアプリをインストールすることになると思いますが、これは刑法168条の2「不正指令電磁的記録供用罪」に当たる犯罪です。

不正指令電磁的記録供用罪」は、もともとはウイルスやマルウェアによるパソコン・スマートフォンの攻撃に対する犯罪を想定したものです。ウイルスなどを本人の同意なくパソコン・スマートフォンに感染させ、持ち主の意図に沿わない動作をさせた場合、この罪に問われます。アプリであっても、スマートフォンの中身を閲覧したり、遠隔操作したりする、または位置情報を外部に知らせるなど、持ち主が望まないような動作をするためにインストールしたものであれば、「不正指令電磁的記録」に当たるということです。

配偶者や家族であっても、本人の承諾を得ないままインストールすれば、罪に問われることになります。2015年、妻のスマートフォンに「遠隔操作アプリ」を本人の同意なくインストールしたために、夫が逮捕されるという事件も起こっています。

こうしたことから、配偶者のスマートフォンにアプリをインストールし、独力で浮気調査を進めるのは難しいことがわかります。「災害時に家族がお互いに居場所がわかるように」または「以前スマートフォンを紛失したことがあるから、スマートフォンがどこにあるかわかるように」といった大義名分のもと、家族全員でインストールするといった方向に持って行けば、「同意なくインストールする」という状況は避けられるでしょう。配偶者が自発的にインストールする状況を作るのが難しい場合、くれぐれも無断でインストールしないでください。

アプリで取得した情報・データは浮気の決定的証拠にならない

「浮気調査アプリ」を使えば、配偶者のスマートフォンの中身を閲覧したり、遠隔操作でカメラ機能を作動させたり、スマートフォンの位置情報をつかんだりできます。しかし、このアプリを使って得られる情報は、浮気(法律的には「不貞行為」とよびます)の決定的な証拠にはなりません。不貞行為の証拠になり得るのは、以下のようなものです。

  • 2人でホテルや自宅に出入り、滞在している写真・動画
  • 探偵事務所による調査報告書

SNSやメールを使った配偶者と浮気相手のやり取りや、スマートフォンの追跡履歴は間接的な証拠に過ぎない可能性が高いのです。

まとめ

「浮気調査アプリ」はターゲットのスマートフォンにインストールして、スマートフォンの中の情報を閲覧したり、位置情報を知ったりするものです。しかし、持ち主である配偶者の同意を得なければ、法に触れる行為になってしまいます。どうしても使いたい場合は、何か理由をつけて配偶者の同意を得るようにしましょう。

また、アプリで得た情報は、「不貞行為」の証拠としては弱いものです。離婚調停や裁判で証拠として利用しても、勝つのは難しいでしょう。アプリで不審な動きをキャッチしたら、浮気や離婚問題に詳しい弁護士や探偵事務所に相談することをおすすめします。あらかじめ、「浮気調査アプリ」で得た情報を相談時に持ち込めば、コストダウンにつながる可能性があります。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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