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  2. 不倫は犯罪になるのか?

【不倫は犯罪ではない】違法行為になる不倫と民法709条の関係について

皆さんの中には、夫や妻、パートナーの不倫や浮気でお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。または、ご自身が不倫をしていて、何らかの罪に問われるのか心配な方もいるかもしれません。

そこで今回は、不倫は犯罪なのか、違法行為なのか、違法とすると何の法律に違反するのか、不倫した配偶者や不倫相手にどのようなペナルティを与えらえるのかなど、不倫について気になる疑問点についてお話したいと思います。ご自身の夫や妻についてお悩みの方も、ご自身について心配事がある方も、お悩みの解消につながると思いますので、ぜひご参考ください。

不倫は犯罪?不倫で逮捕される可能性

不倫は、犯罪ではありません。明治時代の旧刑法では、不倫(配偶者以外の異性と性交渉をする「不貞行為」をいいます)は犯罪として姦通罪という罪が規定されていました。世界の中には、今でも不倫は石打や鞭打ちなど公開処刑が行われている国もありますが、現代の日本においては刑法で姦通罪は廃止されています。そのため、日本で不倫をしても逮捕されることはありません。

根拠は民法!不倫と不貞行為の違いとは

(1)不倫と不貞行為の違いとは

よく芸能人の「不倫」や「浮気」が話題に上りますが、「不倫・浮気」は一般的な概念で、決まった定義があるわけではありません。そのため、「キスしたら不倫」「デートから浮気」「プラトニックラブも不倫」「キャバクラに行ったら浮気」などと考える人や結婚前のカップルで同様に考える人がいても問題ありません。

一方で、法律上の不倫は「不貞行為」といいます。これは法律用語で、配偶者がいる人が、自由な意思で配偶者以外の異性と性的関係を持つことです。この「性的関係」とは、裁判では性器の挿入を伴うセックスだけを指すのが基本ですが、オーラルセックスやペッティングなどは性交類似行為に当たるとされています。

(2)不貞行為に当たらない具体例

では、具体的にどういう行為が不貞行為に当たるか見ていきましょう。

①デート

デートは、不貞行為ではありません。高級レストランで高い料理をご馳走したり、手をつないだり肩を組んだ場合で、セックスしない限り不貞行為に当たりません。

②キス

キスは不貞行為ではありません(状況により性交類似行為に当たる可能性もあります)。

③胸を揉む、陰部を触る

一般的には、胸を揉んだり、陰部を触るだけでは、不貞行為に当たらないとされています(ただし、キスと同様に状況によっては性交類似行為に当たる可能性があります)。

④プラトニックラブ

プラトニックラブは不貞行為ではありません。メールやSNSなので、どれだけ熱烈なメッセージを送ったり愛していると言い合っている場合でも同様です。

⑤贈り物

誕生日や記念日にプレゼントを贈ることは不貞行為ではありません。それが極めて高額のプレゼントだったり、歓心を買うために貢いでいたとしても同様です。

⑥裸や卑猥な画像・動画のやりとり

裸の画像や、お互いの卑猥な姿をSNSでやり取りしても不貞行為にはあたりません。いわゆるテレフォンセックスも、実際にセックスしていないので不貞行為に当たりません。

⑦メールのやりとり

メールやSNSで熱烈に愛を語ったり、配偶者と別れて一緒になりたいなどと言っていたとしても不貞行為ではありません。

⑧婚活

独身と偽って婚活パーティーに参加したりデートをしても、セックスしない限り不貞行為ではありません。

⑨風俗店の利用

本番行為をしない風俗を利用しても、不貞行為には当たりません。キャバクラにハマっていても同様です。ただし、風俗で本番行為(セックス)をした場合は不貞行為に当たります。

⑩援助交際・パパ活

援助交際やパパ活で、対価を払って食事するだけのような場合は不貞行為に当たりませんが、性交渉をした場合は不貞行為になります。しかし、援助交際やパパ活は、相手の年齢によっては、児童買春などの犯罪に該当することもあるので注意しましょう。

上記の行為は、それだけでは不貞行為にあたりませんが社会的に相当な範囲を超えて家庭を崩壊させたような場合は、不貞行為ではなくとも慰謝料を請求されたり、離婚原因になる場合もあります。

不倫は民法に違反する違法な行為

上記で、不倫(不貞行為)は犯罪ではないとお話をしました。不倫は犯罪ではありませんが、法律違反の行為で「不法行為」という行為になります。

夫婦は、配偶者以外とは性的関係を持たないという「貞操義務」という義務を負っています。これは、法律上明文で決められているわけではないのですが、不貞行為が離婚原因とされていること(民法770条1項1号)、一夫一妻制を採用し重婚禁止規定があること(民法732条、刑法184条)から、法律上当然の義務とされています。そして、憲法(24条)や民法(2条)で定められている平等の原則から、夫婦の両方が貞操義務を負っています。

つまり、不貞行為をすることは、犯罪に該当したり、罪に問われることはありませんが、他人の権利を侵害するという違法な行為であると言えるのです。

不倫で離婚・慰謝料請求ができる理由と民法709条

(1)不倫で認められる2つのペナルティ

ここまで、法律上の不倫は、配偶者以外の異性と性交渉をする「不貞行為」であること、不貞行為は犯罪ではないが法律違反の行為であることをお話してきました。不貞行為によって貞操義務の違反があった場合は、相手の貞操権を侵害する違法な行為をしたとして、次の2つのペナルティの対象になります。

①離婚の原因になる

離婚は夫婦が納得すれば原因は何でもいいのですが、もめて離婚裁判をする場合は、法律で決められた離婚原因が必要です。不貞行為は法律で決められた離婚原因です。

②慰謝料を請求される

法律では、故意または過失(わざと、または不注意)で違法な行為をして他人に損害を与えた場合は、生じた損害を賠償する責任が定められています(民法709条「不法行為責任」)。不貞行為は、夫婦の貞操義務に違反して、配偶者に精神的苦痛を与えたとして、精神的苦痛に対する損害賠償として慰謝料を請求されます。不倫慰謝料の目安としては、50~300万円程度が相場です。ただし、不倫によって離婚や別居に至ったか、不倫の期間や当事者の社会的地位などによって増減します。

(2)慰謝料請求や離婚をするための5つの条件

形の上では貞操義務に違反していても、状況によっては慰謝料請求や離婚ができないことがあります。これは、法律の条文上、損害賠償を請求するには、「故意または過失」によって「違法な行為をして」「他人に損害を与えた」こという条件が導かれるからです。具体的には、慰謝料請求や離婚をするためには、不貞行為に際して次の5つの条件を満たす必要があります。

①結婚中であること

不貞行為が成立するには、夫婦が結婚していることが必要です。ただし、内縁関係(結婚する意志で夫婦同然の生活をしているカップル)の場合は、結婚に準じる準婚関係にあたるとして貞操義務が認められ、不貞行為があった場合は慰謝料請求が可能です。

②婚姻関係が破綻していないこと

不貞行為で慰謝料請求するには、夫婦の婚姻関係が破壊されていないことが必要です。不倫慰謝料は、不貞行為で婚姻関係が破壊されたことで受けた精神的苦痛を、金銭で賠償するためのものです。そのため、すでに夫婦の仲が冷え切っていて夫婦関係が破綻している場合には、そもそも精神的苦痛という損害が発生していないとされるからです。

具体的には、別居中や離婚手続き中の夫婦の場合は、戸籍上はまだ夫婦でも慰謝料の請求は認められないと考えられます。

③故意過失があること

自分の配偶者と不貞行為をした不倫相手に慰謝料を請求するには、不倫相手に故意・過失が必要です。つまり、既婚者と知りつつわざと性交渉をした、または既婚者かもしれないと思いつつ不注意で性交渉をしたことが必要になります。自分の配偶者が独身と嘘をつき、不倫相手が嘘を信じる理由があったケースでは、故意過失がなく慰謝料請求が認められない可能性があります。

④異性と性交渉をしたこと

これまでお話してきたように、不倫慰謝料を請求するためには、性交渉があったことが必要です。なお、不倫相手が同性の場合は、現在の日本の法律の運用では不貞行為に当たらないことになります。

⑤性交渉が自由意思に基づいて行われたこと

性交渉は、お互いの自由意思に基づくことが必要です。無理やり関係を持った場合には、当然ながら不貞行為にあたりませんし、強制性交等罪(旧強姦罪)として犯罪にあたります。

民法に違反する不倫を弁護士に相談するメリット・デメリット

民法に違反する不倫は、不貞行為として、上記のように慰謝料請求や離婚の原因になります。しかし、ご自身では何から手を付けたらいいかわからない、手順が心配という方もいらっしゃるでしょう。とはいえ、弁護士は敷居が高くて相談しにくい、相談するメリットがあるのか分からないという方も少なくないのではないでしょうか。ここでは、不倫問題を弁護士に相談するメリット、デメリットについてご紹介します。

(1)民法に違反する不倫を弁護士に相談するメリット

弁護士に相談・依頼するメリットとしては次のようなものがあります。

  • 慰謝料請求や離婚の手順や流れのアドバイスを受けられる
  • 不貞行為の証拠集めのアドバイスを受けられる
  • 配偶者や不倫相手が慰謝料請求に応じない場合に代わりに交渉してもらえる
  • 弁護士の名前で慰謝料を請求したり交渉することで相手が応じやすい
  • 離婚調停や裁判などを利用する場合に複雑な手続きや書類の準備を全て任せられる
  • 調停や裁判になった場合は代わりに出廷してもらえるので負担が少ない

メリットの中でも、代理人として裁判で交渉したりすることは、法律家の中でも弁護士しかできません。また、弁護士ならば、慰謝料の金額や内容に制限なく対応することができるメリットも大きいです。

(2)民法に違反する不倫を弁護士に相談するデメリット

反対に、弁護士に相談するデメリットとしては、次のものが考えられます。

  • 弁護士相談料がかかる(30分5000円目安)
  • 弁護士に頼むと弁護士費用がかかる(着手金、日当、成功報酬、実費)
  • 弁護士との相性が心配

上記のデメリットの中でも、一番の心配が弁護士費用かと思います。確かに、依頼した段階で着手金がかかったり、裁判所に行ってもらうと日当が発生するなど費用はかかります。

しかし、法律家の司法書士の方が安いと思って依頼すると、高額な慰謝料のケースは扱えなかったり(司法書士は合計140万円までのケースしか扱えません)、地方裁判所で訴訟代理人になってもらえない(司法書士は簡易裁判所しか担当できません)など、結局自分ですべてやらなくてはいけなくなったり、弁護士に頼みなおさなければいけなくなるなど、かえって負担が大きくなることもあります。

最近は初回相談無料の弁護士事務所もあるので、ホームページなどでご自身の希望に合った弁護士事務所をまずはお探しになってみるとよいでしょう。

まとめ

今回は、不倫と不貞行為の違いや、不倫が犯罪ではないが法律に違反する行為であること、慰謝料請求や離婚をするための条件などについてお話させていただきました。不倫が犯罪ではないと知って安心された方もいれば、慰謝料請求の条件などが複数あって腰が引けた方もいるかもしれません。法律上の不倫で慰謝料請求や離婚をしていくためには、もめた場合に備えて不倫の証拠を集めたり、適切な方法で相手に請求していくことが必要です。

ただでも夫や妻の不倫で心を痛めている中で、こうした手続きに注力していくのは大変です。そのような場合に、弁護士という法律の専門家を味方に頼ってみてはいかがでしょうか。お悩みの方は、まずはお気軽にお電話、ご相談ください。

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