出張中に夫(妻)が不倫?調べ方から対処法までについて解説
皆さんの中には、夫(妻)が出張中に不倫していないか、心配している方もいらっしゃるのではないでしょうか。出張というと、配偶者の目が届かない分、同行している会社の異性や、風俗で浮気をしているのではないかと気を揉んでいる方や、残念ながらその懸念が現実になって不倫で辛い思いをした方もいます。
しかし、どうやって不倫の証拠を掴んだらいいのか?そもそもどんなものが不倫の証拠になるのか?出張 中の不倫が発覚した場合どう対処したらいいのか?など、不安をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そこで今回は、夫(妻) が出張 中に不倫をしていないか証拠を掴む方法や、証拠を見つけた場合の対処方法についてお伝えします。
出張中は不倫に走りやすい?離れている間の不倫の実態とは
皆さんの中には、「夫(妻) が出張・単身赴任しているけれど、毎日連絡しているから不倫はあり得ない」「出張が多いけれど、子煩悩なウチのパパに限って浮気はしない」など、夫(妻)に全面的な信頼を置いている方も多いと思います。しかし、一説によると、単身赴任中の不倫率は80%超に及ぶという話もあります。
さらに、風俗の利用による不倫も含めると、実質100%に近いという説もあるほどです。実際、出張先で利用したデリヘルなどの風俗で、禁止されている本番行為(性交渉)を行い高額な示談金を支払わされた会社員や、出張先の警察署から呼び出しを受けたという男性も少なくないのが実情です。
では、なぜこのように出張中の不倫は多いのでしょうか。その理由としては、次の4つが考えられます。
(1)独身生活に戻った開放感
出張中は、短い間ですが独身時代と同様の生活環境になります。しかも学生時代と異なり、会社勤めをして一定の収入があり、家庭という帰れる場所があり、配偶者の監視の目もないとなると、開放感に浸って不倫をしやすくなる条件が揃っていると言えます。
(2)一人で生活する孤独感
解放感とは逆に、出張の期間が長くなるほど孤独感から不倫する人もいます。帰宅しても誰もいない、一人でする食事が増える、仕事のグチを目の前で話せる相手がいない、などの寂しさから、つい近くにいる異性に甘えてしまい不倫をする方もいます。
(3)ばれないという自信感
出張中は、掃除や洗濯も自分で行うので、不倫相手が来ても簡単に証拠を隠滅できます。そこで、不倫をしても証拠は残さない、配偶者には気付かれない、自宅に帰ったら家族サービスをすれば大丈夫と考え、妙な自信をもって不倫する人もいます。
(4)一晩だけというスリル感
ばれないという自信感とは反対に、出張先で一晩だけだからとスリルを味わいたくて不倫をする男性もいます。この場合の不倫相手は、出張に同行した同じ会社の女性社員や、デリヘル嬢というケースが多くなっています。
このように、出張中は、時間、場所、不倫相手との付き合い方も夫(妻)側の自由に調整することができるため、たとえ毎日のように連絡が来ていたとしても、必ずしも不倫をしていないとはいえないのが実態なのです。
とはいえ、出張中はかえって妻が恋しくて不倫など一度もしなかったという男性も実際にいます。帰宅した夫(妻)に、100%不倫をしているという前提で接すると、かえって不倫に走らせてしまう恐れもあります。不倫が疑わしいと思っても、次の説明を参考に、まずは冷静に証拠集めから行いましょう。
出張中に夫(妻)が不倫をしているか調べる方法
(1)不倫の基準とは
皆さんは、そもそも夫(妻)が何をしたら不倫と考えますか?家に来たら不倫、2人で食事したら不倫、キスから不倫、風俗を呼んだら不倫など、様々な基準があるのではないでしょうか。しかし、今後の夫婦関係や家族の対応を考えると、慰謝料を請求できるか、その不倫を原因に離婚できるかどうかという、法律的な不倫の基準を知っておきましょう。
法律的な不倫とは「不貞行為」があったこと、つまり、夫(妻)以外の異性と性的な関係(性交、口淫などの射精を伴う性交類似行為)を持ったことを言います。
この不貞行為は、結婚している夫婦がお互いに負っている「配偶者以外とは性的関係を持たない」という「貞操義務」に反する行為になるため、そのペナルティとして慰謝料を請求したり、裁判で離婚が認められるようになるのです。逆に、不貞行為がなければ、キスをしても、一緒に食事をしても慰謝料を請求することなどはできません。
(2)出張中の不倫を証明できる5つの証拠
そもそも、どのような不倫の証拠を調べたらよいのか?ですが、「不倫が原因で、慰謝料の請求や離婚を裁判で争った場合に、不貞行為があったという証拠として認められるだけの証拠」があるかを調べましょう。具体的には、次のようなものが証拠になります。
①写真や動画
性行為中の様子を写した写真や動画、ラブホテルに出入りする写真や動画
②メールやSNS
性的関係があったことを認めるメッセージや性的関係の存在を推測できるメッセージ
③音声
性的関係があったと認める、推測させる電話や音声の録音データ
④領収書
ラブホテルや本番行為ができる風俗店の領収書
⑤探偵の報告書
不倫の調査を依頼した探偵が、不倫の事実をまとめた報告書
(3)出張中の不倫の調べ方4つ
出張は、基本的に自宅からの通勤が難しい場合に離れて生活するものなので、ご自身が連日出張先に通って、上記のような証拠を集め、不倫を調べるのは不可能です。そこで、次の4つのような調べ方が効果的です。
①出張先の訪問
出張先を訪問したときに、ラブホテルの領収書や風俗嬢の名刺の有無等を調べる。
スーツのポケットなどに領収書が残っていないか、風俗嬢の名刺については、特に本番行為と言われる性交渉が認められているソープランド等の名刺がないか注意してみるとよいでしょう。
②メールやSNSのチェック
性的関係を示す内容がないか、覗き見やデータの全コピーをしない範囲で調べる。
覗き見やデータを全コピーする行為は、相手のプライバシーを侵害するものとして、たとえそこに性的関係を示す証拠があっても、裁判では証拠として認められないという過去の裁判例があります。逆にプライバシーを侵害したことを理由に損害賠償を請求されかねない行為なので、しないようにご注意ください。
③携帯の通話履歴の取り寄せ
夫(妻)の携帯の通話履歴を取り寄せ、特定の相手との電話がないか調べる。
通話履歴は、契約しているキャリア会社に郵送での取り寄せや、オンラインで見られるように手続きを申込みます。着信履歴は個人特定の観点から携帯会社に拒否されることが多いですが、発信履歴に関しては応じるケースがあります。まずは契約している電話会社に問い合わせてみましょう。
④探偵に依頼する
都道府県の公安委員会に届け出をしている確かな探偵事務所に調査を依頼する。
探偵は、法律で、警察署を通じて公安委員会に届け出ることが必要とされている職業です。しかし、中には届け出をせずに探偵業をしている人や団体もあり、不法侵入などの違法な調査を行ったり、法外な値段を請求されるなどのトラブルも報告されています。探偵に依頼をする際は、きちんと届け出をしているところを選んでください。
上記の中には、たとえば親密なデートを繰り返しているようなメールのやりとりや、キスをしている写真データなど、それ一つでは不貞行為の証拠にならないものもありますが、他の証拠と一緒になることで、不貞行為の期間や程度を示す有効な証拠になり得ます。
(3)同僚との不倫が疑われる場合の証拠の掴み方
出張先で会社の同僚と不倫をする場合は、その関係が日常でも継続しているケースは多いため、日頃からラブホテルの領収書の有無などを確認しておくとよいでしょう。また、出張が度重なる場合は出張と称した不倫旅行の可能性もあります。この場合は、車のETCカードの行先を調べる、会社にそれとはなしに出張の予定を確認するなどの方法があります。
ただし、ご自身で無理に動くと、何もなかった場合でもご主人の会社での立場を危うくする恐れもあるので、心配な場合は信頼できる探偵に依頼をすることも検討してください。
出張中の不倫が発覚した際に夫(妻)へ告げる方法
出張や単身赴任中の不倫が発覚した場合、取るべき対応はご自身がどうしたいかによって変わってきます。
(1)離婚の意思がない場合
ご自身に離婚する意思がない場合、出張や単身赴任のように離れた環境で相手を問い詰めると、逆に不倫相手にのめり込むことを心配する方もいると思います。帰宅時に、不倫の事実を知っていることを告げるとしても、相手を問い詰めて喧嘩したまま別れると関係が悪化しかねません。ご自身も寂しい思いをしていることを話すことが、逆に不倫相手との縁を切らせるのに有効な場合もあります。
(2)離婚を決意した場合
離婚を決意した場合は、次の手順で夫(妻)に離婚の意思を伝え、離婚に至る手続きを取ります。
①夫(妻)に離婚意思を伝える
夫(妻)の不倫で離婚したいと思ったら、夫(妻)に離婚意思を伝えます。この時、「夫(妻)の不貞行為が離婚の原因である」ことを伝えられるだけの証拠を揃えておきましょう。
②夫(妻)と離婚の合意をする
夫(妻)に離婚意思を告げ、お互いにそれに合意した場合は特段証拠を示すことは不要です。ただ、離婚の際は、離婚するだけでなく財産分与(婚姻中に築いた財産を案分すること)や慰謝料、未成年の子がいる場合の親権者や養育費なども合意しておきましょう。このように話し合いで離婚することを「協議離婚」と言います。
③調停離婚・審判離婚
夫婦の話し合いで離婚やその条件がまとまらなければ、裁判所の調停という制度を利用して、調停委員という第三者を間に入れた話し合いを行います。調停で話がまとまると「調停証書」という書面に内容がまとめられますが、これは裁判の判決と同じ強力な力があります。
なお、調停でまとまらなければ「審判離婚」という制度があります。裁判所が離婚に関する判断をしてくれるもので、非公開で利用でき、裁判に比べて簡単というメリットがあります。ただ、まとまらなければ結局裁判になるため、あまり利用されていません。
④裁判離婚
調停(審判)でも離婚がまとまらない場合は、裁判で離婚について決めることになります。離婚を訴える側が原告、訴えられた側が被告という立場になります。裁判になれば、離婚が認められるにしても認められないにしても、必ず裁判所によって結論が出されることになりますが、結論が出るまでに1年近くかかることも少なくありません。
夫(妻)の不倫が証明された際の3つの対処法
(1)今は静観する
出張や単身赴任中の夫(妻)の不倫が証明された場合でも、無理にアクションを起こす必要はありません。単身赴任期間が終わるのを待ってから、夫(妻)に不倫の事実を知っていることを伝えるという選択をする方もいます。
ただ、今後慰謝料を請求したり、離婚をしたくなった時に備えて、不倫・不貞行為の証拠はきちんと保管しておきましょう。
(2)夫(妻)を許す
夫(妻)と話し合い、今回は許して結婚生活を続ける方法です。夫(妻)を許して離婚しないという選択をしても、慰謝料を請求することはできます。慰謝料は、不倫をした夫(妻)と、その不倫相手に請求できます。たとえば、慰謝料額がトータル200万円のケースでは、夫(妻)か不倫相手の片方に200万円請求しても、二人に100万円ずつ請求することもできます。
(3)夫(妻)と離婚する
不倫をきっかけに離婚するのも選択肢の一つです。離婚の意思がある場合は、上記で説明したような流れで、夫(妻)に離婚意思を伝え、離婚に向けた手続きを進めましょう。
ただし、特に夫婦に未成年の子どもがいる場合で、ご自身が親権を取りたい場合は、少なくとも離婚後の住居と収入源は確保しておきましょう。というのも、親権は、子どもにとって良い方に認められるため、不倫をした夫(妻)であっても、収入や住居、周りのサポートなどで子どもの成長に良いと思われる場合は親権が認められることがあるのです。
なお、夫(妻)が出張や単身赴任中に不倫をしたことの腹いせに、ご自身も不倫をするという話も耳にします。しかしこれは、ご自身も慰謝料を請求される恐れがある危険な行為です。「原因は夫(妻)にある」といっても、夫(妻)の慰謝料請求権がなくなるわけではありません。また、ご自身が不倫した相手も既婚者だった場合(いわゆるダブル不倫)は、不倫相手の配偶者からも慰謝料を請求される可能性があるのです。どれだけ腹立たしかったとしても、ご自身も不倫をやり返すのはあまりにリスクの高い行為です。
出張中の不倫を予防・再発防止する方法
繰り返しになりますが、出張中の夫(妻)は、配偶者が側にいないため、バレないと考えて不倫する可能性があります。本記事を読んでいる方の中には、すでに夫(妻)の不倫が発覚している方もいるでしょう。
そこで、本項目では、出張中の不倫を予防・再防止する方法について解説します。夫(妻)が不倫するかもしれない、今後しないでほしい方は、ぜひ参考にしてみてください。
(1)夫(妻)の予定を把握する
まずは、夫(妻)の出張中の予定を把握しましょう。具体的な仕事の内容は説明できなくても、おおよその予定は話せるはずです。
夫(妻)から「なんでそんなことを聞くの?」と質問された場合は、連絡を取りたいからと伝えておきましょう。事前に夫婦間での連絡を習慣化しておけば、夫(妻)の出張前に「出張先でも連絡してね」と自然に伝えられます。
(2)こまめに連絡を取る
出張中の夫(妻)に、こまめに連絡を取りましょう。常に配偶者を意識する状態を作っておけば、出張中に不倫する可能性を下げられるかもしれません。
普段から配偶者とよく連絡を取っている方でも、出張中に不倫するケースはあります。しかし、何もしないよりは夫(妻)が不倫する可能性を下げられるので、試してみてください。
(3)家族を思い出させるキッカケを作る
お子さんがいる方は、出張中の夫(妻)に家族の存在を思い出させましょう。夫(妻)が「不倫で家族を失う」と考えて、不倫する可能性が低くなるかもしれません。
たとえば、夫(妻)にお土産や写真がほしいとお願いするのが、不倫を予防・再発防止するうえで効果的です。家族を思い出すキッカケになるので、伝えておいて損はありません。
もちろん、家族の存在を思い出しても、出張中に不倫する方もいます。ですので、どうしても出張中の夫(妻)が不倫しないか心配な方は、次の項目に目を通して見てください。
出張中の不倫問題を相談できる専門家
夫(妻)の出張や単身赴任中の不倫問題は、不倫の事実を知ったとしてもいつ伝えるべきなのか、離婚するべきなのか、単身赴任をやめて家族で引越すべきなのかなど、迷う方は多いと思います。そこで、このような場合に相談できる専門家をご紹介します。
(1)探偵
探偵は、出張や単身赴任中の不倫の調査をしてくれます。また、探偵が作成する「調査報告書」は不倫で離婚することになり、裁判に至ったケースで配偶者側の有利な証拠として裁判所に提出することができます。まずは事実を知りたいという方は、探偵は有力な相談相手となるでしょう。中には、カウンセラーがいる探偵事務所もあります。
日本の法律では、探偵業をするには、警察署を通じて都道府県の公安員会に届け出をすることが義務付けられています。しかし中には、ネットで簡単に頼める探偵を謳っているけれど届け出をしていないといった業者もあります。
こういう業者は、調査方法が違法だったり、法外な探偵調査料を後で請求されたり、もっと悪質なケースでは依頼内容をもとにゆするような事件も発生しています。このような事態を避けるために、依頼する探偵は、都道府県の公安委員会に届け出をしているところを選びましょう。
(2)離婚カウンセラー
夫(妻)の出張や単身赴任中の不倫を知り、十分な証拠を掴んだけれどどうしたらいいか分からない方は、NPO(特定非営利活動法人)日本家族問題相談連盟が認定する民間資格者である離婚カウンセラーに相談することも有効です。
メンタルケアも期待でき、許すか離婚するかと言った、結論を出す前の曖昧な相談もすることができます。ただし、慰謝料請求や離婚手続きといった法的相談には、弁護士以外は対応してはいけないことになっています。
(3)弁護士
夫(妻)の不倫の事実を知り、証拠もあり、慰謝料請求をするか、離婚するかなどをある程度決めている方は、弁護士に相談することで早く、確実な解決を目指すことができます。
具体的には、最適な時期に最適な慰謝料額を夫(妻)や不倫相手に請求したり、夫婦の話し合いがまとまらない場合に代理人として代わりに交渉をしてもらうこともできます。また、離婚する際の手続きや書類は複雑ですが、そうした書類の作成を任せたり、裁判になっても妻に代わって裁判に出てもらうこともできます。
まとめ
今回は、出張先や単身赴任中に夫(妻)が不倫していた場合の、5つの証拠の掴み方や対処方法をご説明させていただきました。
不倫の事実が明らかになり、ご自身がどうしたいか気持ちが固まっている場合は弁護士に相談することが有効ですが、中には費用がかかることや敷居の高さを心配する方もいらっしゃると思います。最近は、ネットにHPをあげている弁護士事務所も多く、初回の相談を無料で行っているところもあります。HPで不倫問題を扱っている弁護士事務所を探してみて、まずは一度お気軽に相談されてみてはいかがでしょうか?