パパ活は不倫?慰謝料請求される場合とされない場合を徹底解説
最近はパパ活アプリなども登場しているので、若い女性でパパ活をしているという人も多いのではないでしょうか?
男性と食事するだけでお小遣いがもらえるという気軽な感覚でパパ活を行なっている人も少なくないかもしれません。
また、男性側もお金が介在しているので、パパ活に対して「不倫」とか「配偶者に対する背信行為」という感覚がない人がほとんどではないでしょうか?
しかし、パパ活によって不倫慰謝料を請求されるケースもあります。
十分注意した上でパパ活は行わないと、高額な慰謝料支払いの義務を負ってしまう可能性があります。
パパ活で不倫慰謝料が請求されるケースはどのような場合か、不倫慰謝料はいくらくらい請求されるのかについて解説していきます。
パパ活は不倫?
女性も男性もパパ活について不倫という認識がないケースがほとんどです。
なぜならパパ活にはお金が発生しており、必ずしも性的関係を前提として会っているわけではないためです。
男性であれば「疑似恋愛を楽しみたい」女性であれば「年上の男性と会話や食事を楽しみたい」とか「食事をするだけでお金をもらうことができる」という感覚でパパ活をしている人がほとんどだからです。
恋愛関係から発展する不倫とパパ活では前提条件が全く異なるので不倫という認識がない人が多いのですが、パパ活によって不倫慰謝料を請求される条件が揃ってしまう可能性があるので注意が必要です。
(1)食事だけであれば問題ない
不倫の条件は、「既婚者と不貞行為を行うこと」です。
不貞行為とは簡単に言えば性交渉のことですので、パパ活で食事をするだけであれば、一般的に不倫と断定されることはあり得ません。
食事やカラオケやどこかにデートするなどの関係だけであれば、パパ活が不倫と断定されることはほとんどないでしょう。
(2)不倫が成立するのは既婚者と不貞行為に及んだ場合
前述したように、不倫が成立するのは既婚者と不貞行為に及んだ場合です。
性交渉は間違いなく不貞行為に該当しますが、場合によってはキスなども不貞行為と判断されてしまうことがあります。
何が不貞行為かの判断は曖昧ですが、一般的には性交渉を行なってしまったら間違いなくアウトになりますが、性交渉手前のキスなどでも継続的にそのような関係にある場合には不貞行為と判断される可能性もあります。
ただし、そもそも恋愛感情を前提としていないパパ活でキスが不貞行為となるかどうかは微妙ですので、基本的には性交渉に及ばなければ不倫慰謝料が請求される可能性は少ないと言えますし、請求されたとしても支払う必要がないケースが多いと考えられます。
パパ活で不倫が成立する条件
前述したように、不倫とは、配偶者がいる異性と性的行為を結んでしまった場合に成立します。
既婚者とセックスしてしまった場合で、以下の2つの条件を満たした場合にはパパ活でも不倫慰謝料を支払わなければならない可能性が非常に高くなります。
(1)故意過失があった場合
不倫をしたことに故意または過失があった場合には、慰謝料を支払わなければならない可能性が非常に高くなります。
不倫における故意とは「相手が既婚者であることを知った上で不貞行為に及んだこと」
不倫における過失とは「相手が既婚者であることを知り得る状況でありながら、既婚者であることを知らずに不貞行為に及んだ場合」です。
パパ活の場合にはSNSやアプリなどで知り合うことが非常に多いので、過失が成立する可能性は低いと言えます。
過失は会社の同僚などで元々相手のことを知っていたような場合に成立するものです。
しかし、パパ活を始める時に相手から「俺、既婚者なんだよね」と告げられていた場合などは、故意による不倫になってしまいます。
パパ活の時に相手が既婚者かどうか確認することは非常に重要ですが、知った上で相手と性交渉することは、不倫慰謝料を請求されるリスクが非常に高い行為だということをよく認識する必要があります。
(2)権利の侵害があった場合
権利の侵害とは、配偶者の「配偶者以外の相手と性交渉を行わないことを要求する権利」を侵害することです。
当然ながら、既婚者と性交渉をしている時点で配偶者の権利を侵害していることになりますので、故意または過失があった場合には慰謝料を請求されてしまいます。
つまり、相手が既婚者ということを知りながら、性交渉をしてしまった場合には、そこに恋愛感情があろうが、パパ活であろうが関係なく慰謝料を請求されてしまうことになるのです。
パパ活で不倫慰謝料が請求されない場合
一方、パパ活でも不倫慰謝料が請求されない場合もあります。
故意過失がない場合やすでに慰謝料を相手が受け取っている場合や、そもそも相手との性的関係がない場合などは、例え不倫慰謝料を請求されたとしても慰謝料を支払う必要はないと言えます。
(1)相手の配偶者がすでに慰謝料を受け取っている
慰謝料は配偶者にも不倫相手にも請求することができますが、配偶者からすでに受け取っている場合には、「不倫相手から受け取っていない」という理由で不倫相手にも請求するということはできません。
パパがすでに奥さんに対して慰謝料を支払っている場合には、女性が慰謝料を請求されることはありませんし、請求されても支払う必要はありません。
(2)相手が既婚者であることを知らなかった
実は、パパ活でよくあるケースが「相手が既婚者であるということを知らずに性交渉に及んでしまった」というものです。
パパ活は相手のことをよく知った上で会うわけではありませんし、男性も自分が既婚者であるということを隠しているパターンも珍しくありません。
本当に相手が既婚者であることを知らなかった場合は、故意も過失もないので慰謝料を支払う必要はありません。
(3)相手との性的関係がない
パパの奥さんが「不倫をしている」と思い込んで慰謝料の請求をしてきたとしても、実際には性交渉がないケースもあります。
このような場合には、請求されたとしても慰謝料を支払う必要はありません。
そもそも既婚者と性交渉をしていないのであれば、不貞行為に及んでいない可能性が高いので、不倫が成立していないためです。
パパ活の不倫慰謝料の相場はいくらくらい?
パパ活で不倫慰謝料が請求されるかどうかを心配している人が最も気になることは、やはり「慰謝料はいくら支払わなければならないのだろうか」ということではないでしょうか?
パパ活をしている女性の多くが、お金を目的としてパパ活をしているので、請求される金額によって、パパ活は費用対効果に合わないことになります。
結論的に言えば、パパ活の慰謝料は200万円〜300万円程度が相場です。
ただし、状況に応じてこの慰謝料は上下します。
どのようなケースで不倫慰謝料が上下するのか詳しく見ていきましょう。
(1)相場は不倫後の夫婦の状況によって異なる
不倫慰謝料は不倫を原因として離婚してしまった場合には高額になりますし、離婚も別居もしなかった場合には少額になります。
- 不倫によって離婚した場合:200万円〜300万円
- 不倫によって別居した場合:100万円〜200万円
- 離婚も別居もしなかった場合:50万円〜100万円
このように、不倫後もこれまでの夫婦関係が継続したのであれば、慰謝料は安くなります。
恋愛関係による不倫よりもパパ活の方が、離婚に至るケースは少ないと言えますので、パパ活で慰謝料を請求されたとしてもそこまで高額になる可能性は少ないと言えるかもしれません。
(2)その他の事情でも慰謝料は変動する
この他、不倫慰謝料はパパの家庭の環境によっても上下します。
不倫によってこれまで円満だった家庭環境が壊れた場合には慰謝料がアップしますし、子供がいる場合はいない場合と比較して慰謝料は高くなります。
パパ活の場合には、パパの家庭の事情などをよく理解してしないまま不貞行為に至ってしまうケースが考えられますので、場合によっては高額な慰謝料を請求されるリスクもあるのです。
相手のことをよく知らないで不倫関係になってしまうことは金銭的にリスクの高い行為であるということをよく認識しておきましょう。
パパ活で不倫慰謝料が請求された時の対処法
慰謝料の請求というのは突然行われるものです。
ある日突然、自宅に内容証明郵便が届き慰謝料を請求されるケースは決して珍しくありません。
自分は不倫している実感もないのに、突然慰謝料請求が来た場合には慌ててしまうのが当然ですが、このような時は慌てずに冷静に対処することが重要です。
慰謝料の請求が突然来た時の対象法を解説していきます。
(1)パパ活の場合は既婚者かどうか知っていたかが最重要
パパ活で不倫慰謝料を請求された場合には、パパが既婚者かどうか知っていたかどうかが非常に重要になります。
既婚者ということを本当に知らないのであれば、故意も過失もないことになりますので、慰謝料を支払う義務がないと判断できます。
知っていた場合に「知らなかった」と嘘をつくということもできますが、パパとのLINEの履歴などに既婚者であることが分かる文言が残っているような場合にはすぐに嘘とわかってしまうので、嘘をつくのはやめた方がよいでしょう。
(2)不貞行為について相手は証明できるか確認
不倫慰謝料を請求するためには、相手が不貞行為があることを証明する必要があります。
ホテルに入る写真などの客観的に証明することができる書類があるかどうかを確認しましょう。
証拠がある場合で、パパが既婚者であることを知っていた場合には、残念ながら慰謝料から逃れることはできません。
パパと相談して慰謝料の支払いを検討する必要があります。
前述した相場と比較して、適正な金額であるならばパパに支払ってもらうか自分で支払うか検討しましょう。
ただし、恋愛関係にある不倫と異なり、パパ活の場合にはパパが逃げてしまう可能性もあります。
やはり、パパ活での不倫は金銭的なリスクが大きな行為であると言えます。
(3)和解して早期に解決するのか裁判まで争うのか検討する
パパが既婚者であることを知っており、パパの奥さんが不貞行為の証拠を用意しているのであれば、慰謝料の支払いから逃れることはできません。
相手の請求する金額が適正なものであるならば、早期に和解してしまうのも1つの方法です。
また、金額的に納得することができないのであれば裁判も視野に入れる必要があります。
(4)弁護士等のプロに依頼することも検討する
パパ活をしている若い女性がパパの奥さんと交渉するのは簡単ではありません。
また、どのように和解していいか、裁判はどうするのかなど分からないことばかりでしょう。
そのため、慰謝料を請求されたら最初から弁護士に依頼してしまうのも1つの方法です。
交渉のプロである弁護士であれば、適正な金額で和解してくれる可能性は高いですし、何よりも精神的な負担をかなり軽くすることが可能です。
パパ活で不倫慰謝料を請求されないために
お金が欲しくてパパ活をしているのに、数百万円もの高額な慰謝料を請求されてしまったら本末転倒です。
パパ活で不倫慰謝料を請求されないために、以下の点に注意する必要があります。
(1)既婚者かどうかはしっかりと確認
まずは既婚者かどうかを事前にしっかりと確認しておきましょう。
既婚者であれば性交渉はしないようにしましょう。
「奥さんにバレても自分が慰謝料を払う」という人もいるかもしれませんが、いざとなったらわかりません。
性交渉をすることによってお小遣いをアップしてもらうことができるかもしれませんが、慰謝料の金額はその何倍にもなり費用対効果はマイナスですので、既婚者とは性交渉をしないようにしてください。
(2)できる限り食事だけにとどめる
既婚者であってもなくても、パパ活は基本的に食事だけにとどめておいた方が無難です。
既婚者の場合には慰謝料を請求されるリスクがありますし、パパが「独身」と言っていても、実際には既婚者である可能性がありますし、故意や過失がなくても慰謝料を請求されたら面倒になるためです。
パパ活は「よく知らない相手」ということを認識し、既婚者であってもなくてもリスクのないように、食事だけにとどめた方が無難です。
パパ活で慰謝料を払えないリスク
若い女性ほど「パパ活で慰謝料を請求されても関係ない」「私が払わなければいけないの?」という感覚かもしれません。
しかし、パパ活で相手の男性が奥さんに慰謝料を払ってくれないのであれば、自分が払うしかありませんし、そもそも慰謝料から逃げることは相手が諦めない限りは不可能です。
ましてや相手は不倫と考えて慰謝料を請求してきているのですから、かなり感情的になっていることが予想され、相手が諦めるということに期待することは現実的ではないでしょう。
原因で支払うお金がない時には、相手との交渉によって分割にすることも可能ですが、相手が分割に応じない場合や「払う」と約束した慰謝料を支払わない場合には法的な手段を取られてしまう可能性もあります。
(1)財産の差し押さえで親や会社にバレることも
「お金がない」という理由で慰謝料の支払いから逃れることはできません。
現金で支払うことができない場合には財産の差し押さえが行われてしまうこともあります。「私には財産はないから関係ない」とお思いかもしれませんが、財産の差し押さえは不動産などに対してだけ行われるわけではありません。
預金口座が差し押さえられたら預金は凍結されてしまいます。
預金がなくても差し押さえは給料にまで行われてしまい、給料に4分の1か、給料が33万円を超える場合には、超える部分すべてが差し押さえの対象になります。
給料の差し押さえは裁判所から会社に対して差し押さえの通知が届くので、自分が不倫慰謝料を請求されていることが会社にバレてしまう可能性が非常に高くなるのです。
パパ活という気軽にしたことで会社の人から「不倫をしている」と思われてしまえば、会社に居づらくなってしまいます。
また会社に彼氏がいる人なら彼氏にパパ活をしていたことを話さなければならなくなってしまいます。
このように、慰謝料を支払うことができないと、自分の仕事や人間関係が壊れてしまう可能性があるという点を十分に覚悟しましょう。
まとめ
パパ活でも、相手が既婚者であることを知っており、性交渉をしてしまった場合には慰謝料の支払いから免れることは非常に難しくなります。
恋愛関係での不倫であれば、不倫相手の男性が慰謝料を払ってくれる可能性もありますが、相手のことをよく知らないパパ活であれば、パパが逃げてしまう可能性もあり、その場合には慰謝料の全額を自分が支払わなければならない可能性もあります。
パパ活での不倫はリスクが高い行為であるということを認識で、できる限り食事だけにとどめた方が無難です。