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旦那の浮気の再発防止策は?効果の高い方法を解説

旦那に浮気の前科がある場合に、心配なのが浮気の再犯です。
夫婦関係の再構築を決めても、再犯されては浮気問題を解決した努力が水の泡になります。

そこで、過去に旦那が浮気をしている夫婦には、何かしら再犯防止のための準備が必要です。

この記事では、旦那の再犯防止のために取れる効果の高い方法とポイントを解説していきます。

再発防止策①再発の際のペナルティを決める

再発防止策として最初に考えられるのが、万一の浮気の際に課すペナルティを定めておくことです。

では、具体的にどのような内容を設定しておけばよいのでしょうか。
再犯時のペナルティとして考えられる内容を紹介します。

(1)離婚の条件を事前に定めておく

最も一般的なペナルティとしては、離婚と付随する条件の決定です。
二度目の浮気の際は離婚するとあらかじめ旦那に通達しておき、離婚時の条件を書面に残しておきましょう。

離婚時の条件として定めておく内容は「慰謝料の金額」「財産分与の内容」「どちらが親権を取るか」などが存在します。
このほかにも、必要に応じて条項を追加できます。

離婚条件を定める書面は、公証役場で作成し公正証書にしておくことがおすすめです。
離婚は単なる脅しではなく本気であることを示せますし、第三者(公証人)のチェックが入るため法的に有効な書類を作成できます。

離婚条件を定めた書面は、再犯の際の離婚協議で事前に離婚条件を定めたという事実の証拠になります。
あらかじめ決めた内容で離婚できることから、再犯の抑止に繋がるのです。

(2)罰金を規定する

離婚はしないまでも何かしらペナルティを設けておきたいという場合は、罰金を設定するのも一つの方法です。

このとき数万円程度の罰金で済ませる方もいるのですが、これはおすすめできません。
少額の罰金で済ませると「大ごとにはならなかった」と認識され再犯抑止の効果が薄れるためです。

そのため、罰金を規定するときは「慰謝料の金額をあらかじめ決めておく」という形にしておくことをおすすめします。

「再犯されていないうちから慰謝料の金額を決めておくことなんてできるの?」と思う方もいるかもしれませんが、これは法律用語では「賠償の予定」といい、民事の契約では一般的に行われていることです。

定めた金額が慰謝料として法外な額でなければ、事前に取り交わした約束どおりの慰謝料を受け取れる可能性が高いでしょう。こちらも、公証役場で書面にしておくのがおすすめです。

なお、浮気問題では、浮気相手に対して旦那への接近禁止を示談条件として盛り込むことがありますが、この場合も少額の罰金を定めることができます。

(3)記入済み離婚届を預かっておく

旦那が記入した離婚届けを預かっておき、離婚そのものをペナルティとすることもできます。
離婚届けを出されてしまうと本当に離婚することになるため、心理的プレッシャーから旦那の更正が期待できます。

一点注意したいのですが、記入済みの離婚届けを持っていたとしても、必ずしも離婚できるとは限りません。
とくに、旦那が役所に「離婚届不受理申出」の手続きをしていると離婚届そのものを受理してもらえません。

離婚届不受理申出とは、婚姻関係の当事者が「離婚する気はないので離婚届が出されても受理しないで欲しい」と役所に対して申請しておく手続きのことです。
婚姻は両性の合意によって行われるという原則から、一方が勝手に離婚届けを出してしまうことを防ぐ目的で設けられました。

そのため、記入済み離婚届の効果は「あくまで旦那の浮気にブレーキをかけること」という程度に認識しておくのが良いでしょう。
実際に離婚したい場合は必ずしも効果があるとは限らない点を覚えておいてください。

再発防止策②旦那の財布を管理する

旦那の財布を妻が管理することにより、経済的に浮気ができない、浮気したらすぐバレる状況にしてしまうのも効果的な対策です。
男性は浮気相手に対して多少なりとも格好をつけたがるため、浮気の兆候はお金に出ることが多いためです。具体的な方法を確認してみましょう。

(1)クレジットカードの明細を共有する

旦那が持っているクレジットカードの明細を共有し、いつどこで、いくらお金を使ったのかを分かるようにしてもらうのが一つの方法です。
紙で郵送されてくる場合は開封してチェックする旨を伝えて同意してもらい、WEB明細であればログイン情報を共有してもらいましょう。

クレジットカードは、使った月日だけでなく店名やサービス名まで分かる情報の宝庫です。
趣味に合わない買い物や食事、不自然に金額の大きい出費はすぐに分かります。

また「いつ確認されるか分からない」という意識は、旦那の再犯への抑止力にもなります。

なお、カードの明細で浮気を防止する場合、旦那が内緒で新しいカードを作っていないかにも注意が必要です。
この際、次に紹介する給与口座の管理と合わせて行なうと確実です。

(2)給与口座を妻が管理する

収入の源泉である給与口座の入出金履歴を妻が見られるようにしておくのも良い方法です。
副業でもしていない限り、旦那の収入源は給与一本であることが多いため、不審な支出は給与口座の入出金履歴に現れることが一般的だからです。

仮に、こっそり新しい口座やクレジットカードを作った場合でも、支払いや入金は給与口座に入っている現金を使うことになります。
妻に内緒でお金を使おうとしても、必ず用途不明の出金が履歴として残ります。

そのため、給与口座の履歴を把握しておけば、旦那の怪しい動きにはさらに気付きやすくなるでしょう。

(3)お小遣い制にする

そもそも旦那の収入を旦那に管理させず、妻がすべて管理し、お小遣い制にしてしまうことも可能です。
浮気をする経済的余力をなくしてしまうことで再犯防止につなげることができます。

一点注意したいのですが、あまりに旦那の財布の紐を締めすぎると反感を買うこともあるため注意が必要です。
買いたいものや友人・同僚との食事まで制限されてしまうと、生活そのものにストレスを感じるようになります。

こうなると離婚の原因になることもあるため、お小遣いの額は慎重に決定しましょう。

旦那の普段の支出から判断して、生活には支障のない、かつ余裕を持たせすぎない程度の金額に調整するとよいでしょう。

再発防止策③旦那の浮気の原因を客観的に把握する

旦那が浮気に走るのには、多くの場合何かしらの理由が存在します。
「とくに理由はないけどなんとなく」で家庭崩壊のリスクを許容できる人は少ないのではないでしょうか。

三つ目の再発防止策は、旦那の浮気の原因を把握し、解決することです。
順を追って確認してみましょう。

(1)旦那に浮気の原因を聞いてみる

最初に、旦那に浮気の原因を聞いてみましょう。旦那の主観から浮気の原因を知ることで、夫婦や家庭内の問題を明らかにできることがあります。

なお、ここでいう「浮気の原因を調べる」とは、妻や旦那の責任を追及するわけではありません。
あくまで旦那の認識している浮気の理由から、問題点となっている事実をピックアップするのが目的です。

お互いに責めすぎないよう注意し、喧嘩に発展しないようにしましょう。

(2)家庭内の問題点を整理する

次に、旦那から聞き取った浮気の原因から、家庭内や夫婦関係の問題を整理してみましょう。
具体例をいくつか挙げてみます。

【例1:妻が家事・育児ばかりで寂しかった】

この場合、妻が家事や育児に忙殺されている、すなわち生活維持の負担が妻にばかり偏っている可能性があります。

また、旦那によっては育児に対する当事者意識の欠如も原因になるかもしれません。
旦那の家事・育児への参加や妻の負担軽減が状況改善のカギになるでしょう。

【例2:仕事で妻とのすれ違いが多く外に癒しを求めてしまった】

生活時間帯が合わないことが原因の浮気の場合、夫婦の時間を確保することで状況を改善できることがあります。
休みを合わせて定期的に出かける、旅行に行くなど時間を共有する機会を作る方法が代表的です。

また、激務によりすれ違いが発生しているのであれば転職や異動なども視野に入れてもよいでしょう。

異常はあくまで一例ですが、家庭内の問題をあぶりだすことで、改善方法を模索することができます。

(3)問題の解決に向けて夫婦で協力する

事実を整理し、問題が明らかになったら、問題解決のために夫婦で協力し改善策を考えることが必要です。

一点注意が必要なのが、改善策は具体的に考えるという点です。たとえば「家事を手伝えるよう努力する」というだけでは、達成できたかどうかはっきりしません。
「妻の家事負担軽減のために家事代行サービスを週〇回利用する」「帰宅が遅れるときは〇時までに連絡する」など、改善策は詳細に決定しましょう。

なお、家事や育児に関する問題点があり、旦那に参加を求める場合、旦那が慣れるまでは担当制にするのがおすすめです。
旦那が不慣れだと「育児に参加する」「家事を分担する」といっても何をすればよいか分からないこともあるからです。

「帰宅後のおむつ替えとお風呂は旦那がやる」「夜間の授乳は〇時から〇時まで旦那が起きる」など、こちらも具体的に担当する内容を定めるようにしましょう。

旦那の改心を信じ責めすぎない

夫婦関係を再構築していくうえで重要なのが、旦那の改心を信じ責めすぎないことです。
たしかに、妻からすると旦那の浮気は信じがたい裏切りです。

しかし、当人からすれば浮気の非を日常的に責められる生活は辛く、ストレスを感じてしまいます。

では、再構築後の夫婦関係を良好に保つには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

(1)過剰な疑いは旦那の心が離れる原因に

妻の立場からすると、一度浮気をした旦那は二度目の浮気もするのではないかと疑いたくなるものです。

しかし、過剰な疑いは旦那の心が離れる原因になるため、表に出さない方が無難です。

とくに、GPSによる旦那の行動の監視や、旦那のスマホに監視アプリを導入してプライバシーを侵害すると、旦那の心が急速に冷めてしまうこともあります。
せっかく再構築したにも関わらず、夫婦仲が悪化して離婚してしまっては本末転倒です。

前科があるのなら、旦那の二度目の浮気を疑うのは仕方のないことです。
再犯防止のためにある程度の対策は導入すべきですが、その一方でふたたび旦那を信じる努力も必要となります。

(2)妻の気持ちを聞いてもらう機会を設ける

浮気を経た後の夫婦関係の再構築には、妻が再び旦那を信頼できるかがカギとなります。とはいえ、まったく旦那を責めず、文句も言わずに再び夫婦として協力するというのは無理な話でしょう。

そこで、浮気問題の解決からあまり期間の経過しないうちに、旦那に妻の気持ちを聞いてもらう機会を設けるのがおすすめです。
日常的に責め続けるのは夫婦関係悪化の元になるため、日にちを決めて話し合いを行なう方法です。

「浮気で惨めな思いをした」
「すぐには裏切りを許せそうにない」

など、自分の言葉で旦那に気持ちを伝えてみてください。必要であれば間隔をあけて複数回機会を設けてもよいでしょう。

一度目の浮気にしっかりと対処することが重要

実は、旦那の浮気の再発防止にもっとも有効なのは、一度目の浮気を「なあなあ」に済ませないことです。
しっかりと対処し、適切に制裁を加えることが重要になります。
具体的な方法を見てみましょう。

(1)法的に制裁を加えることで妻の本気を示す

旦那や浮気相手に制裁を加えることの最大の意味は「浮気は絶対に許さない」という妻の意思を示すことです。

人によっては「一度の過ちくらい許してあげよう」「ことを大げさにしたくない」という気持ちから口頭の謝罪のみで済ませてしまう方もいるのですが、これは再犯防止という点からは得策とはいえません。
「浮気をしたが大ごとにならなかった」と捉えられることがあり、再犯を誘発する原因になるためです。

法的な制裁を加えることで、不倫相手を追い払うことができますし、旦那にも反省を促すこともできます。
そのため、まずは一度目の浮気に対してしっかりと制裁を加えるようにしましょう。

(2)旦那と浮気相手には慰謝料の請求が可能

旦那と浮気相手に具体的に制裁を加える方法としては、慰謝料の請求が代表的です。
不倫は妻に対する旦那と浮気相手の共同不法行為であり、慰謝料による金銭賠償の対象となります。

不倫の慰謝料は、加害者が二名いるため、両方に請求することが可能です。
一方どちらか片方のみに請求することもできるため、請求先としては3パターン存在することになります。

一般的には「浮気相手にのみ請求する」「旦那と浮気相手の両方に請求する」ことが多いです。
なお、旦那と離婚しない場合は、旦那に慰謝料を請求してもお金の属する財布が移動するだけになることから浮気相手のみに請求するのが多数派です。

慰謝料はおおむね100万円から300万円程度になることが多く、不倫の態様によって額が変化します。増額要件については以下の記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。

(3)接近禁止の条項を盛り込み再発を防止する

同じ浮気相手との再犯を防止したい場合、浮気相手との示談の際に旦那との接近禁止の条項を盛り込むことが可能です。
先ほども少し触れましたが、罰金を設けたうえで旦那との連絡や面会を制限します。

罰金の金額はあまりに大きいと公序良俗違反により無効とされてしまうことがあります。
通常は10万円~数十万円程度になることが一般的です。

なお、浮気相手と旦那が同じ職場に勤めているケースなどは、業務中の連絡を完全に防ぐことは難しいです。

この場合は「連絡は業務時間内での必要最低限にとどめ、それ以上の私的な連絡や面会は認めない」程度が落としどころとなることが多いでしょう。

まとめ

旦那と再構築を決めた場合、二回目以降の浮気は夫婦としてやり直すことの足かせになりかねません。
そのため、さまざまなアプローチから再犯を防止することが必要です。

再犯防止として最も効果の高いものの一つが、一度目の浮気への法的対処です。
「なあなあ」で済ませることはせず、旦那と浮気相手に責任を取らせることで妻の本気を示し再犯を抑止できます。

なお、浮気相手の特定から慰謝料の請求までは、さまざまな法的手続きが発生します。
「慰謝料額の算出」「相手方との交渉」「訴訟対応(必要に応じて)」などは、一般の方が一人で対処するにはハードルが高いです。

そのため、不倫や家庭問題に強い弁護士に相談しサポートを受けることをおすすめします。
近年無料相談ができる事務所も増加しているため、複数の事務所を比較しながら自分にあった弁護士を選んでみてください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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