1. 不倫慰謝料請求ガイド
  2. 妻の浮気を放置してはいけない理由

妻の浮気を放置してはいけない理由とは 責任追及の注意点も紹介

夫の中には、妻が浮気をしていることを知っていても、自主的に浮気相手と別れることを祈り事態を静観する人もいます。
しかし、基本的に妻の浮気を放置することはリスクが高くおすすめできません。

では、妻の浮気を放置するといったい何が起こるのでしょうか。
この記事では浮気を放置した場合のリスクと対処法を紹介します。

妻の浮気を放置するリスク

妻の浮気は、基本的に放置するとエスカレートするものと思った方が良いでしょう。
浮気を放っておいた結果、気付けば取返しのつかない事態に発展していることも多いためです。

では、具体的にどのようなことが起こるのか、詳細を見てみましょう。

(1)女性の浮気は本気の恋愛である場合も多い

あくまで一般的な傾向ですが、女性の浮気は本気の恋愛であることも多いです。
浮気相手は単なるセックスフレンドと考えている人もいますが、心が揺れてしまった結果の浮気は非常に厄介といえます。

現状ではまだ不倫で済んでいる状態でも、夫婦間のささいなケンカやすれ違いが原因で、浮気相手の方に心が傾いてしまうことも考えられるでしょう。
こうなってしまうと本格的に離婚を検討するようになり、家庭崩壊が始まるきっかけになる場合もあります。

(2)妻が家出する可能性もあり

不倫問題においては、妻が家出もしばしば見られます。浮気相手が独身の場合はそのまま同居を始めてしまうことも少なくありません。

また、本格的に離婚準備をしているケースでは、家を出て実家に行くケースも見られます。
この場合、義父母が妻の味方につくと事態が大きくこじれることが考えられます。
妻に会いたくても義両親が応対して会うことができないなど、話し合いすらままならなくなるケースもあります。

(3)離婚騒動に発展する可能性も

妻の浮気を放置しておくと離婚騒動に発展する可能性もあります。浮気が本気になり、浮気相手と結婚することを望むようになると放置は危険です。

基本的に、浮気から始まった恋愛は成就しにくいと言われています。というのも、結婚相手を裏切ったことから関係が始まっており、二度目がないとは証明できないためです。

ただし、妻が禁断の恋に酔ってしまっている場合、勢いで離婚を望む可能性もあります。
離婚騒動への発展を防ぐためにも、浮気は深刻化する前に対処することが必要です。

(4)子供がいる場合は育児放棄のリスクも

夫婦の間に子供がいる場合、浮気による育児放棄のリスクもあります。
実際に、浮気相手とデートしている間に子供を車に放置していたり、まだ小さな子供を家において出かけていたりというケースも散見されます。

育児放棄は、それがたとえ一時的なものであっても大事故に繋がる可能性があり非常に危険です。
妻が専業主婦の場合、子供の面倒をきちんと見ているのかはしっかり確認した方がよいでしょう。

(5)妻が子供を連れ去る可能性がある

妻が離婚を視野に入れている場合、ある日突然子供を連れて出ていく可能性があります。
気付けば子供に会えなくなってしまっていたというケースが散見されます。
場合によっては、そのまま転園・転校させ二度と会えなくなってしまう例も。

このような事態を回避するためにも浮気問題は早期解決が重要です。

妻の浮気を放置しても問題ない場合

基本的には、妻の浮気を放置することは相応のリスクがあります。
ただし、なかには法的対処を取らず、放置や話し合いだけで済ませても比較的リスクの低い浮気も存在します。

(1)1回きりの浮気の場合

初対面の相手との1度きりの浮気で、かつそれ以降会うつもりのない場合、必ずしも法的対処が必要ない場合もあります。
たとえば、バーなどで出会って一度だけ肉体関係を持ち、連絡先を交換せずに別れたようなケースです。

行きずりの相手との浮気では妻と浮気相手が再び連絡をとることが難しいため、浮気をした後も夫からの対処は必要ないこともあります。

ただし、これはあくまで「浮気のエスカレートを防止したい場合」の話です。
たとえ一度きりであっても、妻に手を出した以上きちんと責任を取って欲しいという希望があれば、慰謝料請求など法的制裁を加えることは可能です。
ただし、相手が「妻が既婚者だと知らなかった」場合はこの限りではありません。

(2)オンラインゲーム内での友人の場合

オンラインゲームの中で知り合った相手に恋愛感情を抱いているケースでは、すぐに対処が必要ないこともあります。というのも、体の関係がない場合や会ったことのない相手だと、浮気と断定することはできないからです。

ただし、オンラインゲームがきっかけで実際に会い、浮気に発展するケースもあります。
妻のゲームへのハマり具合や、他のプレイヤーとの関係性も見ながら、危険かどうか判断していくことが必要です。

オンラインゲームがきっかけの浮気に関しては、以下でも詳細を紹介しています。参考にしてください。

(3)メールやLINEで連絡するだけの場合

インターネットを介して出会い、LINEやメールで連絡しあうだけの仲の場合、こちらもすぐには対処が必要ないケースが多いです。
そもそも、肉体関係がない場合不貞行為には当たらないため、慰謝料を請求できないことがほとんどです。

確かに、メッセージのやりとりから恋愛感情を持ち、そこから不倫に発展してしまうケースもあります。
ただ、インターネットの向こうの相手に淡い恋心を抱いただけでは法律で対処することはできません。

この場合は、妻の様子をしばらく観察し、相手への感情が看過できないほど大きくなった場合、話し合いによって解決を図るのがよいでしょう。

浮気の責任を法的に追求する方法

妻の浮気が確実な場合、妻および浮気相手に対して法的に責任を追及することができます。
では、具体的にどのような方法で責任を取らせるのでしょうか。一般的なものを三種紹介していきます。

(1)浮気の証拠を集めて慰謝料請求を行う

浮気の制裁としてもっともオーソドックスなのが慰謝料の請求です。ケースによりますが、おおむね100万円から300万円程度を請求できます。

ただし、浮気の慰謝料を請求するには、肉体関係の存在を客観的に証明できる証拠が必要です。まずはこの証拠収集を行ないます。

妻の浮気の証拠を収集する方法はいくつかあり、メッセージのやりとりや持ち物の確認などが代表的です。
なお、証拠として利用できるものは限定的であり、たとえば以下のようなものが該当します。

  • 浮気相手とラブホテルに入っていく写真(複数回分)
  • 肉体関係について言及しているメッセージのやりとり
  • 性行為の写真や動画

夫がひとりで証拠を収集するのが難しい場合、探偵や興信所に依頼することも可能です。
プランや依頼方法は以下でも紹介していますので参考にしてください。

(2)妻と浮気相手の接近を禁止できる

浮気した妻と関係を再構築することが前提であれば、浮気相手と妻の接触を禁止、または制限できます。
具体的には、示談条件として不要な連絡・面会を禁止する旨を盛り込みます。

なお、罰則のない規定は制限事項としての実態を伴わないため、この規定には数万円~数十万円程度の罰金を一緒に定めることが一般的です。

ただし、妻と浮気相手が同じ職場にいる場合などは、業務の都合上まったく連絡しないことは難しい場合もあります。
このようなケースでは「業務に無関係な接触を禁ずる」といった内容にとどめるのが落としどころといえるでしょう。

このあたりの塩梅は法知識のない一般人が一人で調整することは難しいため、必要に応じて適時弁護士に相談することをおすすめします。

(3)浮気相手と示談交渉をする

浮気相手に何を要求するか決まった場合、連絡をとって示談交渉をおこないます。
示談の話し合いは、弁護士を依頼していれば弁護士に代わりに行ってもらうことが可能です。

なお、示談交渉ではこちらの要求を通知するだけでなく、相手からも示談内容に関して要望が出ることも。
代表的なのは慰謝料の金額に関する内容です。高額すぎて払えないから減額してほしい、分割払いを認めて欲しいなどが挙げられます。

相手方からのお願いを聞き入れるかどうかは、弁護士とも相談しながら判断することになります。
「なるべく経済的ダメージを与えたいので減額には応じたくない」「早く解決したいので減額しても良い」など、要望を伝えて弁護士の見解を聞いてみましょう。

浮気の責任を追及するときのNG行為

浮気の責任を追及する際、ついやってしまいがちなNG行為がいくつか存在します。
ケースによっては不利な形での解決を招くこともあるため注意しましょう。

詳細を紹介します。

(1)証拠が揃う前に問い詰めない

まず、浮気の証拠がしっかりと揃っていないにも関わらず妻を問い詰めるのはNGです。
浮気の存在を知るとつい熱くなって勢いで問い詰めてしまいやすいのですが、以降の浮気の調査に支障が出る可能性があります。

夫が浮気の存在に勘付いているとなると、妻はそれ以降の行動でかなり警戒します。
浮気相手とのやりとりをまめに削除するようになるかもしれませんし、デートの際は尾行を警戒するようになる場合もあります。

前述のとおり、浮気の証拠となるのは肉体関係を客観的に示す物証のみです。
裁判で提出できるレベルのものが揃うまでは、妻を問い詰めるのは控えた方がよいでしょう。

(2)公序良俗に反する制裁や約束は無効

示談条件には、公序良俗に反する内容を定めることはできません。
公序良俗とは「公の秩序又は善良の風俗」を略した言葉で、一般社会における常識や社会的な妥当性のことを指します。

公序良俗に反する示談内容とは、簡単にいうと常識外れの約束のことです。
「再犯の際は暴行による制裁を加える」「浮気の事実を浮気相手の友人・知人に暴露する」などといった規定や示談条件は公序良俗に違反し無効とされる可能性が高いです。

このように、法律に違反した条件や、社会通念上あきらかにおかしい約束は無効と考えた方がよいでしょう。

(3)浮気相手と会う際は弁護士を伴う

妻の浮気相手と面会する場合、弁護士を同伴することをおすすめします。
当事者間だけの話し合いでは、感情的になりうまく話を進められない可能性があるからです。第三者が立ち会うことで、冷静に要件を伝えられます。

また、浮気相手との話し合いの場は、ある程度人目のある場所を選んだ方がよいでしょう。
ヒートアップを防ぐほかに、浮気相手が「脅されてサインさせられた」などと言い出しづらくなる効果もあります。

加えて、浮気相手の気性によっては、夫に対して暴行を加えてくる可能性も無視できません。
こういった事態に備えて、事前に弁護士を選出し、同伴のうえで話し合いに臨むことをおすすめします。

妻の浮気を解決する際の注意点

妻の浮気の解決に動く際、いくつか注意しなければならないポイントがあります。
代表的な注意点を三点確認してみましょう。

(1)浮気や家庭問題に強い弁護士を選ぶ

浮気問題の解決には、パートナーとなる弁護士の存在が不可欠です。いちおう、慰謝料の請求は自分でも可能です。
しかし、慰謝料の金額の算出や法的に有効な書類の作成、日常生活と並行しての浮気問題への対処など、一人で解決まで漕ぎつけるのは至難の業でといえます。

弁護士を選ぶ際は、浮気問題や夫婦関係などの専門家を選ぶことをおすすめします。
弁護士事務所自体は各都道府県に多く存在するため、なかには「近所の事務所に相談してみよう」「知り合いの先生に連絡してみよう」と考える方もいるかもしれません。

ただ「相談しやすい」ことと「浮気問題を適切に処理できる」ことは別物と考えたほうがよいでしょう。

弁護士にはそれぞれ専門分野があり、保有している知識もそのジャンルに特化していることが多いです。
そのため、弁護士選びでは「不倫問題解決の実績がどの程度あるか」を基準にしてください。

(2)不倫の事実を広めるのはNG

不倫被害者のなかには、不倫相手の職場や交友関係に対し、不倫の事実を広めてしまう方もいます。
どうにか仕返しをしたいという気持ちは理解できますが、今後の交渉も考えるとこれはNGです。

不倫の事実を言いふらすことは、刑法の名誉棄損に該当することがあり、最悪の場合不倫相手から訴えられる可能性があります。

名誉毀(き)損
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
引用:刑法第二百三十条|e-GOV法令検索

訴えられない場合でも、慰謝料の減額交渉の材料にされてしまう可能性があるため、控えたほうがよいでしょう。

仮に浮気相手と知り合いであるケースで、友人や知人などに悩みを打ち明けたい場合、浮気相手と直接の繋がりのない相手に限定して、口止めしたうえで相談することをおすすめします。

(3)浮気相手から妻への求償権行使に注意

浮気をしていた妻を許し夫婦関係を続行する場合、浮気相手から妻への求償権の行使に注意が必要です。

浮気は妻と浮気相手の共同による不法行為です。
ただし、離婚しないケースでは配偶者へは慰謝料を請求しないこともあります。
この場合は浮気相手のみが慰謝料を支払うことになるため、法的には「妻が本来払う分も肩代わりしている」と解釈されます。

このことから、浮気相手は妻に対して肩代わりした分を自分に払うよう請求が可能です。
これが求償権の行使です。妻個人に求償分の慰謝料を払う経済力がない場合、結果的に共有の財産や家計から支払う場合もあります。

「妻の浮気相手にお金を払わなければならない」という事実は、夫婦の再スタートに水を差すものに他なりません。
こういったトラブルを回避するため、示談交渉の時点で対策を取ることをおすすめします。

浮気の求償権については、以下の記事でも詳しく紹介しています。対処法も載っていますので参考にしてください。

まとめ

妻の浮気を長い間放置しておくことは、家庭崩壊や離婚騒動に発展する可能性があるためおすすめできません。
女性の浮気は本気の恋愛に発展することもあるため、なるべく早く芽を摘むことが大切です。

浮気をスムーズに解決するには、浮気問題に詳しい弁護士のサポートを受けるのが早道といえるでしょう。
法知識のない一般人では対処しきれないことも多く、相手方に弁護士がついた場合は不利な条件で示談をまとめられてしまう可能性があるからです。

弁護士選びでは、「浮気問題の解決実績が多いかどうか」を基準の一つにしてください。
専門知識を持つ弁護士であれば、解決までの心強いパートナーになってくれます。
当サイトでも浮気や夫婦問題に強い弁護士を探せますので、ぜひご利用ください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

ページトップ