1. 不倫慰謝料請求ガイド
  2. 不倫の精神的苦痛

不倫による精神的苦痛を和らげるたった1つの方法

配偶者の不倫の事実を知ってしまうと、当然ながら心に深い傷を負うことになります。
不倫による精神的苦痛に対しては、気分転換などはその場しのぎにしかなりません。

では、配偶者の不倫による精神的苦痛とは、どのように付き合っていけばよいのでしょうか。不倫の精神的苦痛を解決するための方法を紹介します。

不倫の精神的苦痛の緩和には不倫の解決が近道

結論から言うと、不倫の精神的苦痛を根本的に解消するには、不倫問題の解決が最も近道です。というのも、不倫を放置したままでは自分も配偶者も前に進めません。
不倫が事実であれば不倫相手や配偶者に働きかけて止めさせなければなりませんし、疑いがある段階なら白黒はっきりさせる必要があります。

中には「パートナーと揉めるのは嫌だ」「真実を知るのが怖い」という方もいるかもしれません。もちろん、そう思うのも仕方のないことです。

しかし、不倫問題を解決しなければ、不倫による精神的苦痛の改善は難しいでしょう。
放置していても苦しみが長引くので、少しずつ対策を取っていくのをおすすめします。

不倫によって精神的苦痛を感じている場合の解決法

まず、不倫の事実が明らかになっている場合、不倫をやめさせ精神的苦痛を緩和するためにどのような対処法を取れるでしょうか。
不倫を終わらせ、精神的苦痛を解決する方法を見てみましょう。

(1)不倫の証拠があるなら慰謝料を請求できる

不倫の確かな証拠があるなら、不倫相手や配偶者に慰謝料を請求することができます。
不倫の慰謝料は50万円~300万円ほどになることが多く、当事者に制裁を加えるのに高い効果が期待できます。

また、慰謝料の請求は当事者に対する経済的ダメージも大きいため、不倫を懲りさせ再発を防止するためにも役立つ方法です。
不倫をしていることが確実であり、問い詰めるだけの材料が揃っているなら慰謝料を請求するのも一つの方法として検討できます。

(2)不倫相手と別れさせることが可能

法的手段により、不倫相手と配偶者を別れさせることができます。

具体的には、示談の条件として「不倫相手と配偶者の接近禁止」を盛り込むのが一般的です。
不倫相手に、配偶者に二度と近づかないよう約束させ書面に残すことで、その効力が発生します。

なお、無用な連絡や接近が発覚した場合に備えて数万円程度の罰金を設定することで、より心理的な強制力を高くすることが可能です。

(3)慰謝料は不倫相手にのみ請求できる

慰謝料は配偶者にも請求できますが、希望があれば不倫相手にだけ請求することもできます。というのも、不倫は配偶者と不倫相手が共同でおこなう不法行為のため、請求者はどちらに慰謝料を請求するのか選ぶことができるのです。

配偶者とやり直し、夫婦としての再スタートを望むのであれば、慰謝料は不倫相手にだけ請求した方がよいでしょう。
配偶者に経済的ダメージを与えてしまうと、関係を再構築するための足かせになることがあります。

不倫相手にのみ慰謝料を請求する場合は、不倫相手が配偶者に慰謝料の負担分を請求する
「求償権の行使」に注意してください。
示談の条件に「不倫相手の配偶者に対する求償権の放棄」を盛り込んでおくのがおすすめです。

求償権の行使については、以下の記事で詳細を解説しています。参考にしてください。

不倫の疑いがあり精神的苦痛を感じるときの解決法

配偶者に怪しい動きがあり「もしかして不倫をしているのではないか」と疑いを抱いて精神に苦痛を感じている場合はどうすればよいのでしょうか。
不倫が確定していないときの対処法を考えていきます。

(1)不倫の疑いを放置するのは危険

前提として、不倫の疑いをそのまま放置しておくのはおすすめできません。というのも「パートナーが自分を裏切っているのではないか」という疑いは心へのダメージが大きいからです。
また、パートナーに対して疑心暗鬼になってしまう心理状態は未来の夫婦関係にも悪影響を及ぼします。

「配偶者の裏切りを知るのが怖い」という気持ちは当然のことです。
しかし、問題を放置していてもパートナーを疑い続ける状況が続きさらに辛くなるかもしれません。
精神衛生上よくありませんので、まずは事実を把握し前に進むことをおすすめします。

(2)不倫している配偶者の特徴

既婚者が不倫を始めると、多くの場合でそれまでになかった不自然な点が現れます。
不倫をしている配偶者に現れる兆候として、代表的なのは以下の通りです。

  • 出張や残業が増える
  • パートナーに見えないところでスマホを触ることが増える
  • 帰宅後即シャワーを浴びるなど体臭に警戒するようになる
  • セックスの頻度が減る

この他にも、不倫の始まりと同時に配偶者の言動に不自然な点が増加することが多いです。
「前からこんなだったっけ?」と思うことがあれば、不倫が始まった兆候かもしれません。
しばらく注意して観察してみてください。

(3)配偶者にバレずに不倫の有無を調べる方法

不倫の疑いが濃厚な際に、不倫の有無を確かめるには調査が必要です。
配偶者にバレないよう不倫をしているかどうか調べるには、大きく分けて「自分で調べる」「探偵に依頼する」の二つの方法があります。

不倫の有無を自分で調べるのは、専門機関への依頼と比較して費用があまりかからないというメリットがあります。

しかし、尾行や張り込みなど時間を取る調査が難しいことから、相手がどこの誰かを特定するまでには至らないことが多いです。
不倫を自分で調べる際の具体的な調査方法だと、例えば以下のようなものが挙げられます。

  • カバンや財布の中身のチェック(ホテルのレシートや避妊具の小袋など不審物が入っていないか)
  • スマホのチェック
  • クレジットカードの明細のチェック

なお、スマホをチェックするときは、プライバシー権の侵害や違法な調査をおこなわないよう注意が必要です。
スマホを調べる際の注意点は以下の記事で詳しく紹介しています。参考にしてください。

 

そもそも不倫相手が誰かわからないというケースでは、探偵や興信所などに調査を依頼するのがおすすめです。
尾行や張り込みなどを駆使し、不倫相手の身元調査や証拠の収集をおこなってくれます。

相応の出費が必要ですが、慰謝料請求のための証拠をしっかりと集めてくれるため、費用を出すだけの価値はあると言えます。
探偵に依頼した際の費用相場は以下の記事で詳しく紹介しています。

不倫の精神的苦痛は慰謝料請求額に反映されるのか

不倫で受けた精神的苦痛は、慰謝料の支払いできちんと償ってほしいもの。では、不倫の慰謝料請求において、精神的苦痛はどのように評価されるのでしょうか。
慰謝料増額の要因と併せて紹介していきます。

(1)精神的苦痛のみを理由に増額は難しい

結論から言うと「精神的苦痛を受けた」という主張だけで慰謝料を増額することは難しいです。というのも、精神的苦痛というのは客観的な証明が難しく、多くの場合主張の根拠となる証拠をなかなか提示できないためです。

そのため、慰謝料の算出における精神的苦痛の評価は「精神的苦痛を受けると考えられる事柄の有無」から推測する、という形を取ります。

(2)慰謝料の請求が可能なのは何らかの事象があるとき

精神的苦痛を受けたことによる慰謝料の請求が可能なのは、精神的苦痛を推測できる客観的な事実があるときです。
不倫相手の行動や不倫の態様によって、通常より配偶者の精神的苦痛が大きいと推測される場合に、初めて慰謝料の金額に影響します。

この現象は慰謝料の増額事由であり、裁判の場だと当てはまる項目が多いほど不倫の慰謝料が増える傾向にあります

(3)不倫の慰謝料が増額される要素

不倫の慰謝料が増額される要素はいくつか存在します。
具体的には、以下のようなものが代表的です。

  • 証拠が明らかなのに不倫相手が不貞行為を認めない
  • 配偶者の不倫によってうつなどの精神疾患を発症した
  • 不倫相手と配偶者の間に子供ができた
  • 婚姻期間が長い

その他にもさまざまな増額事由があります。
慰謝料の金額を左右する内容については、以下のページで詳しく解説していますので参考にしてください。

不貞行為がない場合の慰謝料の請求は可能か

不倫の慰謝料請求においてしばしば問題になるのが「不貞行為のない不倫関係であっても慰謝料を請求できるのか」という点。
肉体関係のない浮気では慰謝料の請求は難しいというイメージもありますが、実際の取り扱いはどうなっているのでしょうか。

(1)慰謝料請求の根拠は肉体関係の有無

基本的には、慰謝料請求の判断基準は不貞行為の有無、すなわち肉体関係があるかどうかです。
不倫相手と配偶者の間に体の関係がなければ、基本的には慰謝料を支払わせることは難しいでしょう。

慰謝料を請求すること自体は可能ですが、裁判に発展すると慰謝料の請求は認められにくく、また不倫関係の証明も難しいです。

一方、配偶者と不倫相手に肉体関係を証明できなかった場合でも、その関係が「明らかに許容できる限度を超過している」ときには、例外的に慰謝料が認められることもあります。

(2)限度を超えている場合は慰謝料請求の対象となることも

不倫相手と配偶者の行動が、既婚者の行動として明らかに度を越していれば、肉体関係が確認できなくても慰謝料の請求を認めた判例はいくつか存在します。
ここでいう「度を越した行動」とは、具体的には以下のようなものです。

  • 二人きりで旅行に行っている
  • 高額なプレゼントの交換をしている
  • 頻繁に会ってキスをしている
  • その他明らかに恋人同士であるような行動

このように、社会通念上許される範囲を明らかに逸脱しており、配偶者の精神的苦痛が大きいと判断されれば、肉体関係が認められない場合でも裁判で慰謝料を獲得できるケースもあります。

(3)不貞行為のない場合の慰謝料は少額に留まる

先ほど「肉体関係がなくても慰謝料を請求できるケースがある」と紹介しましたが、慰謝料の金額自体は不貞行為が証明されたときと比べて少額にとどまります。
過去の判例を見てみると、比較的金額の大きい事件でも不貞行為のない場合の慰謝料は100万円未満です。

裁判にかかる時間や弁護士に支払う費用を考えると、赤字になる可能性が高くなります。
慰謝料の獲得が目標の場合、費用面だけを見るのであれば訴訟を起こすのは得策とは言えないでしょう。

不倫で精神的苦痛を感じるときはどこに相談すればいいのか

不倫での精神的苦痛を緩和させたい場合、どこかに相談できるところはあるのでしょうか。

不倫の精神的苦痛を解決するために利用できる機関はいくつか存在しますが、この章ではその中でも代表的な三つの相談先を紹介します。

(1)不倫の責任を取らせたいなら弁護士事務所に

「不倫問題を解決し再発を防止したい」「不倫相手や配偶者の責任を法的に追及したい」という場合は、最適な相談先は弁護士です。
法律のプロであるため、慰謝料の請求や訴訟の準備など、知識のない一般人では難しい作業を代わりにおこなってくれます。

また、配偶者や不倫相手との話し合いの席においても、弁護士の存在は大きいです。
ケースによっては、証拠がすべて揃いきっていない段階でも弁護士を伴っただけであっさり不倫を認めることもあります。

不倫相手や配偶者に会いたくない場合は、代理人として代わりに交渉してもらうことも可能です。
不倫問題の解決まで包括的にサポートしてくれますので「不倫の責任をとってもらいたい」「こらしめたい」という希望があれば弁護士への相談をおすすめします。

(2)不倫の有無を確かめたいときは探偵・興信所

不倫をしているかどうかを確かめたい・不倫相手の身元を調査したいという場合は探偵や興信所に相談するとよいでしょう。

この二つの機関は身元調査や素行調査の専門家です。
尾行や張り込みなど、さまざまな手段を駆使し「不倫の有無」「不倫相手は誰か」を調べ上げてくれます

また、不倫の証拠を集めたいときも探偵や興信所を利用するとよいでしょう。
不貞行為の証拠写真を収集する、調査結果の報告書を作成するなど、話し合いや裁判で有利に立ち回れる証拠を提供してくれます。

調査の依頼にはそれなりの費用がかかりますが、短期間で効率的に不倫調査が可能なのでおすすめです。

(3)心の傷を緩和したい場合は夫婦関係カウンセラーを利用

「不倫で傷ついた心の傷を癒したい」「これからも夫婦で生きていくためのアドバイスが欲しい」という希望がある場合は、夫婦関係カウンセラーのカウンセリングを検討してみてください。

夫婦関係カウンセラーとは、夫婦関係の悩みを専門に取り扱うカウンセラーの一種です。
夫婦間の不仲やセックスレス、そして不倫の悩みにも対応してくれます。

特に配偶者と一からやり直したいというケースでカウンセリングは有用です。
相談を通してお互いの気持ちを整理し、これから夫婦でどのような関係を築いていけばよいか、対処法を具体的にアドバイスしてくれます。

カウンセリングの料金はカウンセリングルームやカウンセラーごとに差がありますが、おおむね60分で1万円から2万円程度が相場となります。
また、初回カウンセリングは無料のところも多いです。

これまでの夫婦関係やお互いの欠点を見直し、これから良好な関係を作るために何をすればいいのか客観的に見直すことができるので、利用を検討してみてください。

まとめ

不倫で受けた精神的苦痛を根本的に解決するには、不倫問題に向き合い問題を収束させることが必要です。
中には「配偶者と揉めたくない」「不倫の事実を知るのが怖い」という方もいますが、不倫を放置しておくと心に大きなストレスがかかります。
早期に問題を解決し、前に進むためにも、不倫の芽は早々に摘んでおいた方がよいでしょう。

不倫問題の相談先はさまざまで、目的に合った機関を利用することが重要です。
中でも、不倫相手や配偶者にきちんと責任を取らせたいのであれば弁護士への相談がおすすめです。

「示談条件をまとめて書面を作成する」「適正な慰謝料の金額の算出」「代理人として交渉をおこなう」など、さまざまな面から不倫問題の解決までサポートしてくれます。

弁護士と聞くと費用面を心配される向きもあるかと思いますが、初回相談料・着手金無料の法律事務所も多く存在します。
解決見込みを聞いてから依頼することができるため、いきなり高額な費用を請求されることがなく安心です。一度相談を検討してみてください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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