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夫や妻の不倫で家庭崩壊!今すぐやるべき対処方法を解説

夫や妻が不倫をして家庭が崩壊したが、どうしたらいいか分からない・・・この記事をみてくださっている方のなかには、そんな漠然とした不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。気持ちが落ち込んで何も出来ないという方、怒りが大きくて今すぐにでも復習したいとお考えの方、さまざまな方がいらっしゃると思います。

しかし、効果的に対処しないと、不倫した配偶者と不倫相手の思うつぼになってしまったり、違法な復讐行為をしてご自身が損害賠償責任を負うなどの結果につながりかねません。そこで今回は、夫や妻といった配偶者の不倫によって家庭崩壊した方がやるべき対処方法やそのポイントについてお話したいと思います。

夫や妻の不倫で家庭崩壊寸前の方へーまずは取るべき対応方法とは

夫や妻が不倫をして家庭崩壊寸前の方の中には、精神的苦痛とショックが多くて何も手につかない、誰にも相談できないという方もいます。そのような時に、無理に動く必要はありません。ただ、まずは取るべき対処法が1つだけあります。

それは、「配偶者の不貞行為の証拠を集めること」です。今すぐに離婚や慰謝料請求に踏み切れなくても、いつかアクションを起こしたいと思う時が来るかもしれません。家庭崩壊していても、離婚する前の方が不貞行為の証拠は集めやすいのです。ここでは、具体的な証拠の集め方をご紹介します。

  • 配偶者と不倫相手がラブホテルに出入りする現場写真などが撮れれば保存しておく。※シティホテルに2人で出入りする写真は、それだけでは不貞行為の証拠になりませんが他の証拠と相まって有利に使えるので保存しておきましょう。
  • 贈り物と思える買い物の購入履歴やクレジットカード履歴を保存しておく。
  • 服のポケットに入っていたホテルやレストランなどのレシートを保存しておく。
  • 配偶者のスマートフォンの発着信履歴などを取り寄せておく。
  • 探偵などのプロに配偶者の不貞行為を調査してもらう。

不貞行為で家庭崩壊させられた場合は、配偶者と不倫相手に慰謝料を請求することができますが、慰謝料請求には時効がありますし、もめて裁判になった場合には裁判所を納得させるだけの証拠をそろえなければいけません。今のうちに出来る事をしておくことがおすすめです。

夫や妻の不倫で家庭崩壊した時にされた側がとりうる4つの対処方法

夫や妻が不倫して家庭崩壊したときに、不倫をされた側がする事が出来る対処方法には、主に次の4つがあります。ご自身の心情や家庭の状況、今後の生活を成り立たせることができるかどうかなどに応じて検討してみてください。

(1)示談を検討する

夫や妻の不倫で家庭崩壊したけれど離婚はしたくないという方は、相手と話し合って「示談」をする事をお勧めします。示談というのは、当事者間で行う合意のことをいいます。「不貞行為」、つまり性交渉を伴う不倫行為は、夫婦はお互いに相手以外の異性と性交渉をしないという「貞操義務」に違反したことを言うので、不倫の示談では、不倫をされた配偶者と、不倫した相手の配偶者と不倫相手に対して、不倫問題の解決について合意します。

示談する際には、示談書を作成し、次の5点は必ず盛り込んでください。

  • 不倫の事実を記載してそれを認めさせること
  • 示談金(慰謝料を含む一切の解決金)
  • 不倫関係を解消することの約束
  • 二度と連絡を取り合わないなど禁止する行為
  • 合意内容に違反したら違約金を払うなどの罰

示談書を作成したら各自署名押印し保存しておきましょう。

(2)慰謝料を請求する

上記のように、不貞行為は夫婦の貞操義務に違反した行為を言い、義務違反をされて傷ついた不倫された側の妻・夫は、精神的苦痛を賠償するための慰謝料を不倫した側と不倫相手に対して請求することができます。慰謝料は、家庭崩壊が原因で離婚する場合でも、離婚しない場合でも請求できます。

慰謝料額に決まりはありませんが、不倫が原因で別居・離婚しない場合の慰謝料の目安が数十万円から100万円程度、離婚した場合は100万円から300万円程度と言われているので、家庭崩壊に至った場合は不倫の悪質性が高いとして慰謝料額も増額が見込める場合があります。ただし、家庭崩壊してから不倫した場合は、すでに夫婦間に守るべき法的な利益が無いとして慰謝料請求が認められない事もあるので注意してください。

(3)別居する

不倫が原因で家庭崩壊し、離婚には直ぐに踏み切れないけれど、別居したいとお考えの方もいるでしょう。法律では、夫婦には互いに同居し(同居義務)、協力し助け合って生活しなければならないと定められており(相互扶助義務)、夫婦の生活費もお互いに分担しなければならないのが決まりです(婚姻費用分担義務)。しかし、家庭崩壊の状況にあっては、同居を強制するのは適当ではないと裁判所も認めています。
そこで、別居をした場合の生活費がどうなるかが問題となりますが、具体的なケースに応じて次のように考える事になります。

①離婚を前提に別居しているような場合

家庭崩壊して離婚を検討し別居しているような場合でも夫婦であることに変わりはないので、資力に乏しい側の配偶者は相手に対して、別居中の生活費を相手に請求することができます(婚姻費用分担請求)。

②不倫して出ていった場合

不倫した相手が勝手に出ていったような場合は、相手の方が貞操義務にも同居義務にも自ら違反したことになるので、相手側からの婚姻費用分担請求は認められないケースもあります。婚姻費用がいくら請求できるかは、夫婦の収入や子どもの年齢と人数、生活水準などによって「婚姻費用算定表」という表にまとめられて決められています。ネットなどで見る事が出来るので、関心がある方は相手とご自身の収入を調べたうえでチェックしてみてください。
参考: http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/

(4)離婚する

不貞行為は、当事者間で離婚が合意できなくても、裁判になれば必ず離婚が認められます。このような法律で決められた離婚原因を「法廷離婚事由」といいます。離婚する際には、まず離婚の意思を相手に伝え、双方が離婚に合意すれば役所に離婚届を提出することによって成立します。ただし、夫婦に未成年の子がいる場合は、親権者を決めておくことが離婚の条件になります。

離婚する時は、離婚に伴う財産の分け方や慰謝料額、子どもがいる場合の養育費の金額、支払方法などを決める必要がありますが、合意した内容は後々覆されてもめないように、「離婚協議書」という書面にまとめましょう。さらに、もし相手の養育費や慰謝料の支払いが止まった場合に相手の財産から強制的に回収できるように、公証役場に出向いて「強制執行認諾付きの公正証書」という書類にしておくと取りはぐれるリスクを大きく減らすことができるのでお勧めです。そもそも、公正証書というのは、公証役場で作ってもらう文書で、証拠として強い力を持つものです。これに「決まった通りに支払わなかった場合は強制執行されても文句を言いません」という文言を加えたものが、「強制執行認諾付きの公正証書」になります。これがあると、裁判をしなくても強制執行できるので、いざというときに安心です。

当事者間で離婚や離婚条件に合意できない場合は、第三者を入れた話し合い(離婚調停)を行い、それでもまとまらなければ裁判官が話し合いを進める審判(離婚審判)に移行します。最終手段として、裁判所が強制的に離婚の可否や条件を決める「離婚裁判」が行われますが、調停離婚は数カ月から3カ月程度で終了するのに対し、離婚裁判は半年から2年を超えるケースもあるので、長期化することは避けられません。裁判期日の度に会社を休んで裁判所に出向くのは大変ですが、弁護士に依頼すれば代わりに出廷してもらうこともできるので、まずは相談してみるとよいでしょう。

夫や妻と不倫して家庭崩壊させた浮気相手にできる復讐方法とは

不倫した夫や妻とその不倫相手に家庭崩壊させられた場合、ショックと怒りで相手に復習したいと思う方も多いのではないでしょうか。しかし、いくらその気持ちが強くても、復習してご自身が違法行為をして損害賠償を請求されたり、逮捕されては元も子もありません。

(1)やってはいけない3つの復讐方法とは

①暴行

暴行は、相手に対して殴るけるなどだけではなく、平手打ち、胸ぐらをつかむ、物を投げつける、水をかける行為なども含まれます。暴行は、刑法で定められた犯罪行為で、暴行により相手が怪我をした場合は傷害罪と言ってさらに重い罪に該当することになります。人によっては、不倫した配偶者とその不倫相手と直接対峙する事もあるかもしれませんが、絶対に手を出してはいけません。

②嫌がらせ

いやがらせ行為にもいろいろありますが、不倫相手の家の前に汚物をまくような行為は器物損壊として犯罪に当たる可能性があります。また、不倫した配偶者や不倫相手の情報をネットに書き込んだり、ビラをまいたり、会社に膨大な量のFAXを送り付ける人もいますが、これらの行為は名誉棄損や業務妨害として犯罪に当たる可能性があるので、やはりやってはいけません。

また、犯罪に当たらないにしても、いやがらせをして相手が不快に感じたと主張すると、それだけで相手から民法上の不法行為に基づく損害賠償請求をされる恐れもありますので気を付けてください。

③W不倫

夫や妻の不倫で家庭崩壊したことにショックを受け、当てつけにW不倫に走る人もいますが、これは危険な復讐方法と言わざるを得ません。特に相手にも家庭がある場合はなおさらです。というのも、自分の方は家庭崩壊しているとしても、相手の夫婦が家庭崩壊していない状況では、不倫相手の配偶者から慰謝料を請求される恐れがあるからです。ご自身が不倫された側としてつらい目に合うだけでなく、不倫した側として慰謝料請求をされたのでは二重三重の苦しみを負うことになるのでご注意ください。

(2)最も効果的なただ一つの復讐方法とは

不倫をされて家庭崩壊させられた時に最も効果的な復讐方法は何かというと、それは慰謝料の請求です。大した事は無いとがっかりされた方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。慰謝料の金額に決まりはありませんが、相場としては別居・離婚しない場合は数十万~100万円、離婚する場合は数十万~300万程度が相場ですが、不倫の悪質性などに応じて100万~500万円と大きく差があります。また、相手の経済状況によっても、収入が多い相手の場合は慰謝料額が増額されます。

特に不倫相手が若かったり、さほど給与が高くない場合などは、慰謝料の支払いは生活をかなり圧迫します。相手の生活にダメージとなり、自分の生活に役立てられるお金なので、慰謝料は最も効果的な復讐方法という事が出来るのです。慰謝料請求は不倫をされた側の権利でもありますが、いくら権利の行使とはいえ、請求方法を誤ると脅迫・恐喝と捉えられ警察沙汰になる事もあるので、慰謝料請求する時はまずは弁護士にご相談ください。

家庭崩壊を食い止めたい方が相談できる相談窓口とは

妻や夫の不倫で家庭崩壊の危機にある方の中には、ご自身を責める方や、誰にも相談できずに悩んでいる方も多いと思います。

(1)探偵

探偵は、カウンセラーや離婚問題の専門家ではありません。しかし、ご自身の過程は不倫が原因で家庭崩壊しているのに、不倫の事実は漠然としている、不倫相手の事を良く知らないと言うような場合は、有力な相談窓口になります。探偵に相談して、不倫調査を依頼することで、今後慰謝料請求や離婚裁判になる場合に有力な証拠として使うことができます。また家庭崩壊させるほどの悪質な不倫だという事を証明できれば慰謝料増額の資料とする事も期待できます。

ただし、探偵も様々なタイプがおり、悪質な探偵は調査の結果をネタにゆすりをかけるなどの事件もありました。探偵は登録制の事業です。探偵を利用する場合は、都道府県の公安委員会にきちんと届け出を出しているか確認の上依頼するようにしましょう。

(2)離婚カウンセラー

離婚カウンセラーは、夫婦問題カウンセラーとも呼ばれる民間資格保有者です。各都道府県に相談窓口を設置しており、不倫や夫婦間の不安や悩み事、離婚相談まで幅広くカウンセリングに応じています。

法律家ではないので、具体的な慰謝料請求や離婚手続きなどの相談をする事は出来ませんが、漠然とどうしたらいいか分からないなどの悩みを抱えている場合は、自分の気持ちを整理するうえでも有効です。さらにそこから自分の状況にあった専門家を紹介してもらうことで、円滑な解決を見込めます。

(3)弁護士

弁護士は、法律の専門家で、扱える問題に制限はありません。不倫で家庭崩壊した場合に配偶者や不倫相手に慰謝料請求する、離婚するといった対策と、そのためのもっとも効果的なアプローチについても相談し、アドバイスを受ける事が出来ます。また、直接対峙したくない場合には、弁護士に依頼して代理人になってもらうことで、代わりに交渉してもらったり裁判に出てもらうこともできるので安心です。弁護士というと敷居が高く感じる方もいるかもしれませんが、ご自身の将来のためにもまずはお気軽にご相談ください。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、夫や妻の不倫で家庭崩壊した方に、対処法や気を付けるべき点について解説させていただきました。家庭崩壊すると、不安やショックで気持ちも不安定になりがちだと思います。しかし、ここで自暴自棄になっては相手の思うつぼになってしまう恐れもあります。適切な専門家に出来るだけ早く相談して、ご自身が少しでも楽になるように、また少しでも良い解決につながるようにしてみてください。

専門家に相談するのは最初は緊張するかもしれませんが、弁護士は相談者・依頼者の味方です。お悩みの場合は、まずは一度気軽に相談してみる事をお勧めします。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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