不倫調査の探偵費用の相場|安く抑えるために比較検討すべきポイント
「夫や妻が不倫している気がするが証拠が掴めない」
「配偶者が不倫しているか探偵に頼んで調べて欲しいが費用が心配」
配偶者が不倫しているのではないか、今後をはっきりさせるためにも、不倫の事実を確かめたいという方は少なくありません。
反面、自分では調べられない、探偵に頼みたいけれど費用が心配で踏み出せないという方もいらっしゃるかと思います。
探偵に不倫調査を頼むことで、不倫の事実が分かった場合にその調査費用を裁判でも証拠にできるなど大きなメリットがあります。反面、費用の設定や調査方法が様々で、悪質な業者に依頼すると法外な値段を請求されてしまう恐れもあります。
そこで今回は、探偵に不倫調査を依頼する場合の費用の相場について、チェックすべき費用項目などを含めてご説明します。
不倫調査を探偵に依頼した場合にかかる費用とは
(1)基本料金
いわゆる着手金に相当するお金で、調査内容によって探偵事務所で一律に設定している場合が多いです。0円のところもあれば10万円程度を設定している事務所もあります。
(2)人件費
調査に投入される調査員にかかる費用のことで、調査料金とされることが多いです。
古いデータですが、2005年に行われた調査業者に対するアンケートによると、調査員2名の調査料金は1万円~1.5万円が24%、1.5万円~2万円が28%、2万円~2.5万円が36%となっており、おおむね約2万円が相場といえます。
参考:一般社団法人東京調査業協会「調査料金のアンケート結果報告」
(3)諸経費
調査に車両を利用した場合などにかかる経費のことです。
無料のところも多いですが、調査車両を利用した場合の諸経費としては、約1~2万円が相場です。
(4)時間単価
時間単価は、調査員の人件費と人数を元に算出される金額です。
深夜や早朝に調査をする場合は割増料金を請求されることがあります。
調査員1人の場合、時給換算で12,000円を超える場合は、相場に比べて高額な部類といえるでしょう。
(5)成功報酬
不倫の証拠を見つけた場合に発生する費用です。調査が成功しなければ、0円というのが原則ですが、何を持って成功、不成功とするかによって後日トラブルになることもあります。
成功報酬型の場合は、成功報酬に調査費用を含んでいるのが通常です。
反対に、時間単位やパック型の調査プランの場合は、成功報酬を別途請求しないケースが多いようです。
(6)手数料
探偵に不倫の調査を依頼すると、調査内容を報告書として書面化してくれます。
これは、不倫相手との不貞行為の証拠として裁判でも利用できる書類です。
この書類の作成費用は、無料の場合が多いですが、手数料として別途請求される場合もあるので、トータルの費用に比して高すぎないか、確認しておきましょう。
不倫調査を依頼した場合のプラン別の探偵費用の相場とは
不倫調査を探偵に依頼した場合の調査費用は、調査に要する時間や、投入する調査員の人数によって変わります。
概ねの料金相場は、探偵事務所によって10万円から100万円と大きな差があります。
以下、調査のプラン別のメリットとデメリットと合わせて、相場をみていきましょう。
(1)不倫調査を時間単位で依頼する場合の探偵費用の相場
時間単位で不倫調査を依頼する場合、調査料金が明確なメリットがある反面、調査期間が長引くと割高になるデメリットあります。
時間単位型で調査依頼をした場合、以下の方法で費用を算出することが多いです。
基本料金+調査料金(調査員の人数×人件費×調査時間)+諸経費(交通費、車両費等)+手数料
上記でご説明した項目ごとの相場を当てはめて計算すると、基本料金が3万円、調査員2名で5時間調査し、車両費用が1万円かかった場合
3万円+2万円×5時間+1万円=14万円
というのが、相場といえます。
(2)パック型で依頼する場合の探偵費用の相場
パック料金型のプランは、不倫調査が数日に及ぶ場合などに、人件費や報告費などを含めて料金が事前に一律で設定されているものです。
割安な料金で済むメリットがありますが、キャンセルが難しく、調査が短期間で終わるとかえって割高になるデメリットがあります。
相場としては以下のようになります。
浮気調査を、調査員2名で4日間(計約20時間)行う場合
- パック料金総額…25万円~100万円
内訳としては以下のような内容が一般的です。
- 人件費…25万円~40万円
- 基本料金…0円~5万円
- 諸経費…0円~15万円
(3)成功報酬型で依頼する場合の探偵費用御相場
成功報酬型の場合は、通常、着手金と成功報酬、諸経費がかかります。
成功報酬は、不倫の証拠が見つかった場合にのみ発生するのが特徴です。
調査の成果に応じて支払えるので納得がいくメリットがありますが、不成功に終わっても着手金は発生すること、成功したか不成功だったかの認識に齟齬があると料金の支払い段階でトラブルになりやすいデメリットがあります。
成功報酬型のプランの場合、着手金10万円~30万円、成功報酬が30万円~60万円程度で、計40万円~100万円というのが相場です。
高額の探偵費用を請求されないためにチェックすべき項目
(1)調査員の人数
探偵の調査契約書には、調査人員として人数が記載されているのが通常です。
この時の人数と、表記の仕方をチェックしてください。
通常の不倫調査では、調査員の人数は基本的に2名で行います。そのため、3名以上の人数が記載されている場合は、必要以上に調査人員を投入して人件費を請求される可能性があります。
もっとも、状況によって3名以上の調査員が必要な場合もあるので、3名以上の場合は、どのように調査するのかしっかり質問して確認してください。
もう1点チェックすべきなのは、人数が「3名以内」など、明確に記されていない場合です。
3名以内と表記しつつ、実際は1名や2名で調査をして、請求は3人分という悪質なケースもあります。事前と事後に、十分確認をしておきましょう。
(2)調査対象
契約書に、調査対象が限定されていないかチェックしましょう。
例えば、不倫相手と疑われる1名に調査対象が絞られていると、不倫相手が別にいた場合に別途料金を請求される可能性もあります。
「誰と誰の不倫についての調査」などと限定されている場合は、よほど相手が確実でない限り、注意した方がよいでしょう。
(3)調査方法
探偵の調査の場合、調査に使う機材や撮影技術が調査の成否に大きく影響します。
使う機材はどのようなものを使うのか、調査時間は何時から何時までかなど、事前に確認しておくと安心です。
高額な機材を使う場合は追加料金を請求されたり、宿泊費として高額な料金を請求されたりする可能性も否定できません。
追加請求されることがないか、事前に契約内容の調査方法を確認しておくことをおすすめします。
格安の探偵事務所に依頼する場合の注意点
上記のように、一見格安に見えても、後で調査費用を追加請求されるような契約をする探偵事務所には注意が必要です。
特に、プランによっては以下のような点に注意しましょう。
(1)時間単位のプランの場合
調査員の人数を必要以上に増やしていないか
調査員以外に、待機人員として人件費を上乗せしていないか
車両費や機材費などの諸経費は必要以上に高額になっていないか
(2)パック型プランの場合
調査人員や待機人員を不必要に増やしていないか
パックの対象になる時間が短すぎないか
延長になった場合の割増料金が不当に高くないか
車両費や機材費などの諸経費は必要以上に高額になっていないか
(3)成功報酬型プランの場合
成功・不成功の基準は明確か
不倫の証拠が掴めないのに成功といわれないか
成功報酬の金額の基準が高額すぎないか
探偵事務所によっては、格安でお試しプランを設けているところもあります。
上記のような料金の不当なつり上げを防ぐために、お試しプランを利用して利用機材や車両費の目安をチェックしておくことも有効です。
不倫調査を依頼する際の探偵事務所の選び方
(1)探偵業の届け出をしていること
探偵に不倫調査を依頼する場合は、「探偵業の業務の適正化に関する法律」に基づいて、所轄の警察署長経由で各都道府県公安委員会に届け出を出し、「探偵業届出証明書」の交付を受けて探偵を選んでください。
この届出をしていない探偵は、当局が把握していないので、悪質な請求を行う可能性が高くなります。
(2)宣伝内容に注意
広告や宣伝で、必要以上に格安料金をうたう探偵事務所、不倫の証拠獲得を条件としていないのに成功報酬を計上している探偵事務所、成功率100%など高すぎる成功率を打ち出している探偵事務所は注意が必要です。
不当な広告でお客を釣り、調査内容が広告に見合わない可能性が多いです。
(3)契約時の注意
契約する際に、見積もりをきちんと出してくれる探偵事務所を選びましょう。
また、その際、途中経過の報告も含まれるか、上記のように追加料金が発生しないかなども確認しておくと安心です。
(4)調査内容の注意
調査内容として「別れさせ工作」「復縁工作」「復讐代行」を含む場合や、盗聴・盗撮も辞さないというような探偵事務所、通信法に違反して電話やメールの発着信履歴を暴くような事務所、調査対象の車にGPSなどをつけて調査する事務所は、探偵業の正当な業務範囲を超えています。
自らこのような調査ができると謳う探偵事務所はもちろん、そのような依頼をした場合に安易に引き受けるような事務所は選ばないようにしましょう。
また、ご自身も、違法な調査を依頼しないようにご注意ください。
探偵以外に不倫を相談できる窓口とはー弁護士相談の費用
(1)弁護士しか利用できない「弁護士照会」による調査
不倫調査というと、探偵事務所が真っ先に思い浮かぶと思いますが、弁護士にも相談できるのをご存じでしょうか。
弁護士は、不倫が明らかになった場合に、配偶者と不倫相手に対して慰謝料を請求するなどの相談や代行をしてくれますが、不倫相手が誰か特定できない場合にも、調査ができる場合があります。
弁護士が、不倫相手などの住所を調べられる制度を「弁護士照会」といいます。弁護士照会は、委任をした依頼者のトラブルを解決するために、弁護士だけが利用できる制度です。
不倫の場合は、慰謝料請求などの正当な目的があり、相手の名前、(できればフリーメール以外の)メールアドレス、電話番号、車のナンバー、銀行の口座番号などの情報がある場合に、これらの限られた情報から不倫相手の住所を調べることができるのです。
それだけ強力な制度なので、弁護士でも必要な書類の範囲しか調査はできませんが、それでも不倫が疑われる場合には、非常に有効な調査方法といえるでしょう。
(2)弁護士に相談した場合の費用の相場とは
弁護士に不倫問題を相談、依頼した場合の費用の相場は、以下のような項目に分かれます。
- 法律相談料:依頼前に相談した場合にかかる費用です。30分5000円に税金というのが相場ですが、初回無料の弁護士事務所も多いです。
- 着手金:弁護士に依頼した時点で発生する費用で、不倫問題の場合は20万円~30万円が相場です。
- 日当:弁護活動中に発生する手数料で、出張したり裁判したり場合にかかります。時間単位、回数単位など基準が様々なので、法律相談の際に確認しましょう。
- 実費:交通費や郵送料など、弁護活動中に都度発生した費用です。
- 成功報酬:不倫慰謝料を請求できた等、成果が出た際に発生する費用で、不倫慰謝料請求の場合は金額に応じて20万円~100万円が相場といえます。
まとめ
今回は、不倫の調査を探偵に依頼した場合の費用について、依頼した場合のプランのご説明と合わせて解説しました。
予想よりも高額になるケースが多いと思われた方も多いかもしれません。
不倫でお悩みの際に探偵に依頼する場合は、まずは届け出をしている探偵事務所であることを前提に、プランと費用の見積もりをきちんと提示してくれるところを選ぶと安心です。
また、相手の電話番号など一定の情報がある場合は、法律の専門家である弁護士に相談することで、相手の特定から不倫慰謝料の請求まで合わせて解決に向けたアドバイスを受けられる可能性が高まります。
不倫について、慰謝料請求も心配という方は、弁護士への相談も含めて検討されてみてはいかがでしょうか。