旦那や妻の不倫が原因でうつになった場合の対処法・離婚する場合の慰謝料相場
パートナーが不倫をして、何も気にせずいられるという人はほとんどいないでしょう。
多くの人が精神的に不安定になったり、睡眠不足に陥ってしまったりするものです。
このような症状が重くなると、うつになってしまうことがあります。
不倫をされたことによるうつは誰にでも起こることですが、対処法を理解しておくことによって、うつから脱却することができる場合もあります。
そして、不倫をされて離婚するのであれば、慰謝料も変わってきます。
不倫をされたことによってうつになった場合の対処法について解説します。
不倫をされることは辛いものです。
だからこそ、対処法をしっかりと理解し、あまり自分を追い込みすぎないようにしてください。
旦那や妻の不倫が原因でうつになる原因と症状
旦那や妻の不倫が原因でうつになってしまうのには理由があります。
妻にとって旦那は生活と一体ですので、不倫をされることによって自分の存在意義そのものが否定されたと感じる人が多いのです。
旦那や妻が不倫をすることによって、なぜそのパートナーがうつになってしまうのかについての原因と症状についてまずは詳しく見ていきましょう。
(1)パートナーの不倫がきっかけでうつになる理由
パートナーの不倫がきっかけでうつになる理由は、以下の理由があげられます。
- 自分の存在意義を否定されたと感じ、うつになる
- 愛している人に裏切られたと感じ、うつになる
- 目の前がガラガラと崩れていくようで全てが信じられなくなる
- 予測していた将来像がなくなった
理由はそれぞれでしょうが、基本的には信じていたパートナーに裏切られた女性としてのショックと、パートナーと家庭は一体になっているので自分の安全な家庭環境そのものが壊されたというショック、そして自分の存在意義を否定されたと感じて、うつになることが多いようです。
女性は男性を信用して結婚し、その結婚の上に家庭が成り立つのですから、裏切られたことによって、これまで築き上げてきたもの全てが崩壊したと感じる人は多いようです。
「自分はうつにならない」と思っている人でも、パートナーに不倫されたら誰もがうつになる可能性があります。
(2)パートナーの不倫によりうつになりやすいタイプ
誰もがパートナーに不倫をされたらうつになる可能性があります。
しかし、以下のような人はうつになる可能性が大きくなる傾向があります。
- 専業主婦
- 夫が子煩悩
- 夫に愛されていると実感がある
このようなケースでは、パートナーに女性が尽くし、女性はパートナーが自分や子供のことを自分と同じように想っていると考える傾向にあります。
そのように信じていた夫が不倫をしていたのなら、心理的なショックは相当です。
自分が信じていたものが崩れ落ち、存在意義を否定された気分になり、うつになってしまう可能性があります。
そのため、あまり家庭に縛られていない人の方が不倫をされてもうつにでなってしまう可能性は高くはないかもしれません。
(3) 不倫によるうつの症状
不倫によるうつに症状は様々ですが、主なものとしては以下のようなものがあります。
- 睡眠障害
- 摂食障害
- 疲労感
- ホルモンの異常
夜眠れなくなったり、深夜に目が覚めたりするなどの睡眠に障害が出ることがあります。
また、食欲が低下したかと思えば、時に異常な食欲に襲われたり、食べ物の味がしなくなったりするケースもあります。
少し動いただけなのに疲れたり、倦怠感に襲われたりするなどの症状もうつの症状です。
生理不順になったり性欲が低下したりするなどのホルモンにも異常が生じることがあります。
症状は人それぞれですが、夫が不倫をして「いつもの自分と違う」と気づいたら、うつだと認識して適切に対処した方がよいでしょう。
パートナーの不倫によるうつの対処法
パートナーに不倫をされてうつになってしまった場合には、対処法がいくつかあります。
- 不倫をやめさせる
- ストレスを紙やSNSに吐き出す
- カウンセラーへ相談する
- 友人や知人へ打ち明ける
それぞれの対処法には自分の意思で、できることと、できないことがありますが、最もよい方法は、自分が最も発散できるかどうか、悩みを共有してくれる人を探すことができるかどうかです。
1人で抱えていることが最もよくありません。
パートナーに不倫をされてしまった場合には、何をすべきなのか対象法について詳しく解説していきます。
(1)不倫をやめさせる
不倫によってうつになろうがなるまいが、不倫という行為の正当性を考えれば、不倫はやめされた方がよいことは間違いありません。
そして、うつの原因が不倫であるならば、不倫をやめさせて原因を取り除くことが最も大きな解決方法です。
パートナーの不倫に気付いていながら、争いを避けてじっと我慢している人も少なくありません。
しかし、このような我慢もうつの原因の1つとなります。
ケンカを恐れず、「不倫に気付いていること」「不倫をやめてほしいこと」を正面から伝え、何とか不倫をやめさせる努力をしましょう。
(2)ストレスを紙やSNSに吐き出す
うつの人は、不倫によるストレスを自分1人で抱えてしまっているケースが少なくありません。
このような人は、自分が抱えている辛い思いや、夫に対して抱えている誰にも言えないことを吐き出すことが大切です。
紙に書いてみるとか、SNSに投稿するなどして溜まっている自分のストレスを外へ吐き出しましょう。
これだけで精神的には非常に楽になります。
(3)カウンセラーへ相談する
精神科医などのカウンセラーへ相談するのもよい方法です。
精神科というと怖いイメージを持っている人も多いですが、基本的にカウンセラーのうつへの治療法は話を聞くことがメインになります。
誰にも言えない夫の不倫の悩みでもカウンセラーであれば話すことができますし、カウンセラーも話すことが改善につながるように導いてくれます。
あまりにも自分を追い込む前に、プロの手を借りてしまうというのも非常に効果的な方法と言えるでしょう。
(4)友人や知人へ打ち明ける
自分の周りに、「夫が不倫をしている」ということを伝えることができる人がいるのであれば、その人へ相談してしまうというのも、精神的には非常に楽になる方法です。
「夫に不倫されてるなんて恥ずかしくて誰にも言えない」と思い込んではいないでしょうか?
少し冷静に考えれば、そのような悩みを聞いてくれる人が周りにいるかもしれません。
聞いてくれる友人がいるのであれば、思い切って悩みを伝えてしまいましょう。悩みは1人で抱えているからこそ辛いものです。
共有できる友人がいるのであれば話しをして共有してもらうことで精神的にかなり楽になります。
うつが治らないなら離婚の検討も
不倫をされたことによってうつになってしまったら、誰かに話すなどの方法で自分の中ではある程度対処することはできます。
しかし、うつの原因はパートナーの不倫にあるので、やはり不倫が治らないのであれば離婚して根本的にうつの原因を排除するというのも1つの方法です。
うつの状態のまま結婚生活を継続することのリスクなどについて詳しく解説していきます。
(1)不倫を繰り返すならうつが悪化する可能性も
せっかく自分でうつを改善しようと努力しても、その努力の最中にもパートナーが不倫を繰り返してしまったら、さらにうつが悪化する可能性があります。
自分がうつを改善しようと努力していることに対しても「私何をやってるんだろう」と、努力をしていることそのものがうつの原因になってしまう可能性があるのです。
パートナーの不倫によるうつは、自分1人だけでは根本的に解決することはできません。
パートナーが不倫をしてもうつを改善する唯一の方法は「不倫をされても全く気にならない人間」になるということですが、ほとんどの人はそのようなことは不可能です。
パートナーが不倫をやめない場合は、根本的な解決方法を考えるべきでしょう。
(2)不倫が治らない場合の根本的な解決策は離婚
パートナーの不倫によるうつの根本的な解決方法は、パートナーが不倫をやめるか、パートナーと離婚するかのいずれかです。
パートナーに何度も伝えても不倫をやめない場合には、残念ながら離婚を検討するしかありません。
うつが原因となって自殺する人もいるように、うつを放置したら命に関わることもあります。
自分の命を犠牲にしても、不誠実なパートナーと一緒にいる必要は必ずしもないのではないでしょうか?
パートナーが不倫をやめず、自分のうつも改善できないのであれば、現実的に離婚を検討すべき時かもしれません。
不倫慰謝料を請求する方法
不倫が治らないパートナーと離婚するのであれば、しっかりと慰謝料を請求して離婚すべきです。
うつの状態で「慰謝料請求」と言っても「どうやって請求したらよいか分からない」という人が多いのではないでしょうか?
慰謝料請求自体は難しくありません。
しかし、精神的に不安定な状態で慰謝料請求をすることはさらなる精神的な負担になりますし、弁護士や司法書士などの専門家へ請求を依頼した方が、高額な慰謝料を取ることができる可能性もあります。
不倫慰謝料を請求する方法について解説していきます。
(1)請求は自分1人でもできる
慰謝料請求の方法自体は簡単です。
決まった方法というもの存在しないので、パートナーや不倫相手に対して「慰謝料〇〇百万円請求する」ということを相手に伝え、相手がその金額に同意して支払いを受けて和解するだけです。
和解するときだけは「確かに和解した」という証拠とするために書類にした方がよいでしょう。
ちなみに和解書はインターネットで「和解書 フォーマット」などと検索すると、フォーマットは多数存在するので、請求から慰謝料の受領まで、やろうと思えば自分1人で行うことができます。
ただし、精神的にうつになっている人が、不倫をしているパートナーや不倫相手に対してこのようなハードな交渉をすることができるかどうかというのはまた別の話になり、相手に舐められて、一向に話が前に進まない可能性もあります。
(2)専門家へ相談した方が有利な条件を獲得できる
不倫慰謝料を請求するのであれば、弁護士や司法書士などの専門家へ相談した方がよいでしょう。
法律に関してのプロであるため、手続きを不備なく進めることができ、慰謝料の相場も理解しているので、慰謝料を値切られてしまうような心配もありません。
その上、慰謝料請求の交渉段階で、専門家を通して交渉した方が相手に対して優位に交渉を進めることができるようになります。
一般の人は弁護士とか司法書士という話を耳にするだけで、気持ちが怯んでしまいます。
自分1人で交渉する時のように舐められるということは絶対にないので、交渉が有利になり金額的にも高額な慰謝料を請求することができる可能性があります。
不倫慰謝料の相場は200万円〜300万円
不倫慰謝料の相場は200万円から300万円と言われています。
しかし、これはあくまでも一般的な相場で、様々な原因によって慰謝料は上下します。
慰謝料が上がる原因と下がる原因についても詳しく理解し、「自分が離婚する時にはいくらの慰謝料を取ることができるのだろう」ということを具体的にイメージしておきましょう。
(1)家庭状況などによって慰謝料は上下する
慰謝料の金額は一律ではありません。家庭状況や不倫の程度や回数によって金額が上下します。
それら、さまざまな状況の平均的な金額が200万円から300万円というだけで、状況によっては慰謝料の金額がこれよりも高くなったり低くなったりすることがあります。
では、慰謝料はどのようなことを原因として変動するのでしょうか?
(2)慰謝料が上がる原因
慰謝料が上がる原因としては以下のようなものがあります。
- 不倫前は夫婦関係が良好だった
- 不倫前は定期的にセックスをしていた
- 何度言っても不倫をやめなかった
- 不倫の過去を含めて複数人と継続的にしている
- 夫婦の間に子供がいる
- 不倫によって妻の健康が害された
慰謝料は「妻の権利を侵害したことに対する賠償金」です。
そのため、不倫前は良好だった夫婦関係が不倫によって崩壊した場合、何度言っても不倫やめなかった場合、不倫相手が過去も含めて複数人いた場合、子供がいる家庭なのに不倫をした場合、不倫によって妻の健康状態を悪化させた場合など、不倫によって妻の権利を侵害した度合いが深刻だと考えられるケースでは、慰謝料も200万円〜300万円の相場よりも高額になる可能性があります。
(3)慰謝料が下がる原因
状況によっては慰謝料が相場よりも低くなることもあります。
- 不倫が1度だけの場合
- 不倫前から夫婦がセックスレスだった場合
- 不倫前から夫婦の間にコミュニケーションがない場合
- 不倫前から別居していた場合
- 夫婦の間に子供がいない場合
このようなケースでは妻に対する権利の侵害の度合いが低いと判断されて、慰謝料が少額になる可能性があります。
旅行先などで一夜限りの不倫だった場合や、そもそも不倫前から夫婦関係が良好とは言えない状態の場合、夫婦に子供がいない場合などは比較的妻に対する権利の侵害度合いが低いと判断できるので、相場よりも慰謝料が下がってしまう可能性があります。
しかし、たった1回とは言え、不倫は不倫ですので、金額は低くなったとしても慰謝料を受け取ることはできるでしょう。
相手の不倫が原因でうつを発症した場合は慰謝料が上がる可能性も
パートナーの不倫が原因でうつを発症した場合には慰謝料が相場よりも高くなる可能性があります。
相手の不倫によって健康状態を害しているのですから、不倫による配偶者への権利侵害の度合いが大きいと判断することができます。
このような証明がしっかりとできるように、あらかじめカウンセリングを受けておき、診断書などを書いてもらっておいた方が有効です。
さらに相場よりも高くなるのであれば、なおさらプロによる交渉が必要になりますので、弁護士や司法書士へ相談した方がよいでしょう。
まとめ
不倫をされることによってうつになってしまう人は数多くいます。
うつを放置すると、自殺まで至ってしまう人がいるくらいですので、絶対にうつを軽視してはなりません。
そして、うつになっていると実感があるのであれば、カウンセラーへ相談したり、友人に話したりするなどして、とにかく1人で悩みを抱えないようにしましょう。
そして何よりの解決策は不倫をやめさせることです。
パートナーとの争いを恐れずに、正面から「不倫をやめてほしい」と訴えましょう。
もしも不倫をやめないのであれば、うつを改善することはできません。
離婚も検討すべきでしょう。離婚する場合にはしっかりと慰謝料を受け取りましょう。
不倫によってうつになったのであれば、相場よりも慰謝料が上がる可能性があるので、早めに弁護士や司法書士などの専門家へ相談するようにして下さい。