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旦那の不倫相手の連絡先を調べる方法は?必要な手がかりと注意点も

旦那の不倫が判明した場合に、多くのケースで直面する壁が「慰謝料請求のための連絡先がわからない」ということです。
浮気をしているのは知っているけれど、相手については「名前だけ」「SNSのアカウント名だけ」など、断片的な情報しか把握できていないことは、少なくありません。

たとえ不倫相手の一部の情報しか掴んでいなくても、連絡先を調べることは可能です。
この記事では、旦那の不倫相手の連絡先の調べ方を紹介します。

旦那の不倫相手の連絡先を調べる方法

旦那の不倫相手の連絡先を調べる方法として、情報を入手できる確率が高いのは以下の3つです。

  1. 旦那に直接訪ねる
  2. 弁護士法に基づく開示請求をする
  3. 探偵に依頼する

それぞれの具体的な方法と、メリット・デメリットを紹介します。

(1)旦那に直接聞く

旦那に問い詰めて、直接不倫相手の連絡先を聞き出す方法です。
旦那の友人など、他人を不倫相手と誤認する確率が最も低く、確実な方法の一つといえます。

この方法で連絡先を入手するには、旦那の協力が不可欠です。
そのため「旦那が不倫相手をかばって言おうとしない」など、非協力的であれば失敗する可能性があります。

不倫相手の連絡先を答えるのは、旦那にとっては実質的に不倫を自白することになります。
前提として旦那に不倫を認めさせなければならないため、不倫の証拠を入手してから聞くようにしましょう。

また、このことから浮気相手の自白を不倫の証拠として旦那を追い詰めたい場合などは、この方法は使えないことがあります。

(2)弁護士法二十三条に基づく開示請求をする

弁護士法二十三条に基づく開示請求を利用する方法もあります。

弁護士は、依頼を受けて紛争を解決する過程で、必要に応じて企業や団体などに対し、個人情報を開示するよう請求することが可能です。
俗に「二十三条照会」や「弁護士照会」などとも呼ばれます。

第二十三条の二 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。

引用元:弁護士法|e-GOV法令検索

たとえば、紛争の相手方に対して訴えを起こす際、メールサービスの提供元や電話番号事業者などに、発信者の氏名や住所などの情報を請求する場合などに利用されます。
また、市町村などの自治体に対しても個人情報の開示請求を行うことができます。

(3)探偵に依頼する

不倫相手に関する情報が少ないときは、探偵に依頼して不倫相手の住所や職場を調べることが可能です。
不倫の証拠を同時に掴むこともできるため、証拠収集と連絡先の調査を同時進行したいケースなどにおすすめです。

ただし、探偵に調査を依頼すると多額の費用が発生する可能性があります。
料金は、プランの選択や旦那の足取りなど事前情報の収集によって、ある程度抑えることもできます。
それでも数十万程度の出費は覚悟する必要があるため、予算に余裕がある場合に検討してください。

開示請求を利用するには何が必要?

弁護士による開示請求は、不倫相手の情報を得るために非常に有効な手段です。
しかし、不倫相手に関する情報を全く持っていないと利用できません。
では、開示請求を行う場合、どのような事前情報が必要なのでしょうか。

(1)不倫相手の名前と住所

開示請求によって市町村から個人情報を取得するには、誰の情報を請求するかを明示しなければなりません。
したがって、請求先の自治体が個人を特定するための事前情報が必要となります。
そのため、不倫相手の氏名を知っていなければなりません。

ただし、同じ市町村に同姓同名の人物が複数いる可能性もあります。
この場合、おおよその住所など、副次的な情報が必要です。

また、個人情報請求の根拠を市町村に証明する必要があるため、証拠が揃った段階でなければ請求に応じてもらえないことが一般的です。

(2)電話番号

浮気相手の電話番号が分かっているのであれば、携帯電話事業者などに情報の開示請求が可能です。
携帯電話の契約者と、請求先住所が取得できれば、浮気相手の身元を把握できます。

ただし、浮気相手の情報が電話番号しか分からないケースでは、旦那の友人や親族を浮気相手と誤認してしまうリスクがあります。
特定の番号からの不自然な電話が続いている、連絡の頻度が異様に多いなど、浮気相手であると確信できる場合にのみ利用するようにしましょう。

(3)LINEのID

LINEのIDをもとに、LINE株式会社に対して個人情報の開示請求が可能です。
ただし、LINEはサービスの性質上、個人情報の保護に力を注いでおり、任意での開示請求には応じないとする方針を打ち立てています。
そのため、個人情報の取得には不倫相手の同意が必要です。

訴訟等を経て、裁判所からアカウント情報開示の命令を出してもらえる可能性もあります。
しかし、かかる手間や費用を考慮すると現実的とはいえないでしょう。

(4)メールアドレス

不倫相手のメールアドレスから、携帯電話事業者などのサービス提供元にアカウント情報を請求することが可能です。
こちらも住所・氏名を入手できれば、慰謝料の請求が可能となります。

なお、メールアドレス提供元がMicrosoftやGoogleなど、海外に本拠地を置く企業の場合、所在国の法に則って対応されることがあります。

弁護士に開示請求を依頼する際の注意点

弁護士に開示請求を依頼する場合、依頼者側でいくつか留意すべき注意事項があります。
代表的なものを3点紹介します。

(1)「開示請求のみ」の依頼はできない

まず、弁護士による開示請求や職務上請求は、それ自体を目的とした依頼はできません。
個人情報はプライバシー保護のために法で厳重に保護されているからです。

弁護士の職権による請求は、あくまで「紛争解決のための手段」として限定的に認められているもので、個人情報の取得そのものを目的とした依頼は不可能です。

不倫相手の連絡先を調べたいのであれば、多くの場合慰謝料の請求を希望するかと思います。
開示請求を利用したいときは、不倫問題の解決をゴールとして、その手段の一つとして依頼するようにしましょう。

(2)サービス提供会社が開示請求に応じない場合も

実は、弁護士による開示請求は、サービス提供会社への強制力を持ちません。
そのため、開示請求を行った場合でも、拒否される可能性があります。

このあたりの対応状況は企業によって異なります。
弁護士による請求に応じているところから、裁判所をからの命令があれば請求に応じるところ、政府機関からの請求以外には応じないと公言しているところまで様々です。

開示請求への対応については、各社のWebサイトで方針を公開しています。そちらも参考にしてください。

参考例:
捜査機関への対応|LINE
ユーザー情報のリクエストに関するよくある質問|Google Rransparency Report

(3)浮気問題の解決実績が豊富な弁護士を選ぶ

開示請求を依頼する弁護士には、この点も含めて不倫問題の解決を包括的に依頼することになります。
そのため、弁護士選びでは「浮気・不倫問題の解決実績が豊富かどうか」を基準にしてください。

配偶者の浮気に直面すると、とりあえず近場の弁護士事務所に相談する方も多いのですが、これは危険です。
弁護士には各紛争ジャンルに対する得手・不得手があるため、選んだ弁護士が必ずしも不倫問題に強いとは限りません。
弁護士が頼りにならない場合、新たに選びなおす必要がでてきます。

浮気問題の解決が得意かどうかは、事務所のWebサイトで公開されている実績からある程度推測できます。
いくつか事務所をピックアップし、無料相談を経て依頼すると確実です。

探偵に浮気相手の身元調査を依頼

弁護士の開示請求と並ぶ身元調査方法のひとつが、探偵や興信所への依頼です。
どのように調査するのか、費用感はどの程度かなどを解説します。

(1)浮気相手の素性がまったくわからない場合は探偵がおすすめ

探偵への依頼が適しているのは、浮気相手の素性が全く、またはほとんど分からない場合です。
探偵事務所は尾行や張り込みなど、足での調査を得意としているため、旦那の足取りをもとに浮気相手の身元を割り出すことができます。

住所も氏名も何も分からない状態でも「旦那を尾行→合流した浮気相手を尾行」という手順を踏むことで、住所を明らかにできます。

(2)探偵の浮気調査の内容

探偵の浮気調査は、大きく「聞き込み」「尾行」「張り込み」の三つに分けることができます。

【聞き込み調査】
電話または対面で、ターゲットに関する情報を収集します。浮気相手の身元が不明な場合などに利用される方法です。

【尾行】
ターゲットの後をつける調査方法です。不審な行動をチェックしたり、浮気の証拠を写真に収めたりするときに行います。
歩行者に紛れて徒歩で行うこともありますが、必要に応じて車や公共交通機関も使用します。

【張り込み】
ホテルなど施設の近辺で対象者を待ち伏せる調査方法です。
こちらも証拠写真の収集などを目的に行い、尾行とセットになることが多いです。
張り込みが数時間に及ぶこともあり、集中力を必要とするため、複数人で行うこともあります。

説明だけを見ると素人でも簡単にできそうですが、いずれも精神的・体力的な負担が大きい調査方法です。
シャッターチャンスを逃す可能性も高いため、プロに依頼することが確実です。

(3)探偵に依頼した場合のプランと費用相場

探偵に依頼すると高額な費用が発生するイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
確かにそれは間違いではないのですが、自分に適したプランを選ぶことで費用を安くすることができます。

【探偵に依頼する際のプラン】

時間単価 調査員一人当たり1時間〇円、と料金が決まっているプラン。短期間の調査やスポット調査に向く。
パック料金 30時間〇円、などまとまった時間で料金が設定されているプラン。時間単価と比べて割安なのが特徴。
成功報酬 調査に成功した場合のみ報酬が発生するプラン。着手金が別途かかったり「成功」の定義が事務所によって異なったりすることがある。

プランごとの費用相場は以下のとおりです。

時間単価 1人につき1時間12,000円程度(諸経費別)
パック料金 25万円~100万円(調査時間20時間の場合)
成功報酬 40万円~100万円

調査費用に関しては事務所によって違いが大きいため、最初の相談で料金を確認しておくと安心です。

連絡先が判明した後はどのように進める?

調査によって浮気相手の連絡先が判明した場合、その後はどのように進めればよいのでしょうか。

まずは、浮気相手にどのような制裁を求めるのか、不倫問題解決のゴールを決定します。
通常は慰謝料の支払いによって示談とすることが多いです。
慰謝料の支払いを求めるケースの進行例を紹介します。

(1)浮気相手にコンタクトを取る

まず、調査によって入手した連絡先を使い、浮気相手にコンタクトを取ります。
最初は電話で連絡をすることもありますが、内容証明郵便(文章の内容と発信記録が残る郵便形式)を利用することもあります。

この段階では、まず慰謝料請求の予定と金額を伝えましょう。
電話の場合、同時に話し合いの日程を決定することもあります。
弁護士を選任しているなら、弁護士から電話で連絡してもらう、または弁護士名義で内容証明郵便を送達してもらいましょう。

浮気相手への連絡した場合「そんな大金は払えない」「減額して欲しい」など要求が出ることが珍しくありません。
そのため、次の話し合いで詳細な示談要件の交渉に入ります。

(2)浮気相手との示談交渉をおこなう

浮気相手と面会し、示談条件に関する交渉を行います。
面会には自分で行っても良いですし、弁護士に方針を示して代行してもらうことも可能です。

前述のとおり、浮気相手は話し合いの場で減額や分割払いなどを要求してくることが多いです。
十分な経済力があるにも関わらず「払いたくない」という理由で交渉してくる不倫相手もいるため、相手からの要求を必ず受け入れなければならないわけではありません。
弁護士と共に相手の出方を伺いながら、慎重に判断しましょう。

なお、弁護士に依頼しているのであれば、必ず弁護士を伴って話し合いの場を持つようにしてください。
浮気相手が強気に出て来る可能性もありますし、当事者だけではヒートアップしてうまく話が進まないこともあるからです。

(3)慰謝料の支払いなどの賠償を受ける

示談がまとまり、無事に慰謝料の支払いなど賠償を受けることができれば、不倫問題はいったん解決となります。

ただし、浮気相手によっては約束した慰謝料を支払わない場合や、水面下で再び旦那と交際することもあります。
そのため、慰謝料は確実に受け取り、その後の旦那に怪しい点がないかをしっかりと観察しましょう。

不倫相手の不誠実な対応を防ぐために、示談の際に慰謝料の遅延損害金を設けておいたり、旦那との再度の接触を禁止する条項を設けたりすることもできます。
弁護士と相談しつつ、示談条件に盛り込んでおくことをおすすめします。

浮気相手の連絡先を入手した際に注意すること

浮気相手の連絡先を入手した後、円滑な慰謝料請求に繋げるため、いくつか注意事項があります。

まず、浮気相手の自宅を一人で訪ねるのは避けるようにしましょう。
浮気相手の夫や親族が同居していると、不倫の事実を暴露することで事態が煩雑になる可能性があります。
慰謝料請求の円滑な進行を妨げることにもなりかねないため、注意が必要です。
話し合いをするときは、弁護士を伴い、第三者の往来がある場所を選びましょう。

次に、不倫の事実を第三者に漏らさないようにします。たとえば、冷静さを失った方のなかには、浮気相手の職場に乗り込み、不倫の事実を暴露する方もいます。
ですが、これは名誉棄損に当たる可能性があるためリスクの高い行為です。
慰謝料請求で不利になるため控えるようにしましょう。

連絡先の入手後は弁護士と連絡を密にし、冷静に行動することが大切です。

まとめ

不倫相手の連絡先が分からないと、慰謝料を請求できません。
そのため、まずは連絡先の入手が慰謝料請求の最初のポイントとなります。

旦那に連絡先を聞くことがもっとも確実ですが、難しい場合は弁護士に開示請求を依頼したり、探偵に調査を頼むことで氏名・住所を入手できたりすることがあります。

どのようなケースにどの手段を利用できるかは前述のとおりですので、参考に読み返してみてください。

連絡先を入手できたら、本格的に慰謝料請求の準備を初めていきます。
慰謝料請求は、一般の方がひとりで行うには負担が大きいため、弁護士に依頼してサポートを受けることをおすすめします。

  • 不倫問題解決の実績があるか
  • 無料で相談できるか
  • 親身になって話を聞いてくれるか

この3点を基準に、信頼できる弁護士を探してみてください。

不倫慰謝料請求に強い弁護士

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