不倫相談を誰にすべき?弁護士やカウンセラーなど状況別に応じて解説
この記事を読んでくださっている方の中には、配偶者の不倫で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
誰かに相談したい、話を聞いてほしいけれど、「今後どうしたいか気持ちが定まらないのに相談してもいいのか」「相談するなら、具体的な解説策を提示してくれる専門家に相談したい」など、誰に相談すべきか決めかねている方も多いのではないでしょうか。
相談料を払って相談をしても相談相手を誤ると、かえって悩みが深まったり期待するアドバイスが得られなかったりすることもあります。
浮気・不倫の状況は夫婦によって異なるので、状況に応じた相談先を選ぶことが悩みを解決するポイントです。
今回のコラムでは、夫や妻の不倫の相談先を、状況に応じてご案内します。
不倫相談を誰かにすべき5つの状況
皆さんの中には、不倫という家庭の問題を他人に相談することに抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
また、不倫は確かだけれど、具体的なトラブルになっていない状況では、相談には早すぎるとお考えの方もいるのではないでしょうか。
しかし、不倫は他人である不倫相手や、夫婦の財産などお金や将来の問題も関係するので、いつまでも放置しておくと事態が深刻化してしまう恐れもあります。
特に次のような状況では、専門家に相談することをおすすめします。
(1)配偶者が不倫しているが証拠がまだない場合
不安が募り、疑心暗鬼に陥ってしまう状況だと思います。
このような状況では、不倫の証拠を集められる探偵などに相談するとよいでしょう。
不倫の証拠が見つかれば慰謝料請求など、次の手を打てますし、証拠が見つからなければ思い込みだったと安心につながります。
(2)不倫の証拠が見つかった場合
不倫の証拠が見つかり、どうしたらいいか漠然とした不安を抱えている、辛くて立ち直れないという場合は、メンタルクリニックやカウンセラーに相談して、自分の思いを吐き出すことが効果的です。
証拠が見つかり、復讐したいと考えている場合は、弁護士に相談することで合法的な復讐の方法のアドバイスを受けることができます。
(3)不倫で離婚を考えている場合
不倫で離婚を考えているなら、まず弁護士に相談しましょう。離婚には、慰謝料(不倫されたことによる精神的苦痛に対する賠償金)、財産分与(結婚中に築いた財産を折半する制度)、年金分割(将来年金を受け取る権利を分け合う制度)、親権や養育費(未成年の子供がいる場合)など、多くの問題が関係します。
弁護士は法律の全問題を扱えるので、気持ちが決まっている場合の相談先として適切です。
(4)不倫している配偶者が離婚を希望している場合
不倫している側を「有責配偶者」と言いますが、不倫による離婚は有責配偶者からの請求も認められます。
有責配偶者が離婚を切りだしてきた場合で、夫婦関係をやり直したいならばカウンセラーなどに相談して関係の再構築を模索し、離婚を受け入れる場合はより有利な条件で離婚できるよう弁護士に相談するとよいでしょう。
(5)配偶者の不倫相手から連絡がある場合
不倫相手の配偶者に連絡してくるのは、悪質なケースと言えます。逆に言えば、不倫の事実を認め、相手の情報も把握できるので、弁護士に相談して慰謝料請求などペナルティを与える準備をすることをおすすめします。
なお、不倫相手からの連絡は、頻度や内容によって不倫の悪質性を示す証拠になるので、記録しておくようにしましょう。
不倫相談ができる相手7選
(1)実親・義両親
実親は、最も身近な相談相手です。夫婦生活の悩みだけでなく、不倫で離婚する場合は、その後の生活のサポートも含めて相談できるのが大きなメリットです。
特に、未成年の子供がいる場合は、親のサポートは親権獲得に有利な事情になるので、離婚を決めている場合は早めに相談しましょう。
義両親への相談は、実子である不倫した有責配偶者を叱るなどして関係改善につなげてもらえるメリットがあります。
反面、実親、義両親とも、実子に対する思い入れは強いため、かえって夫婦関係が悪化する恐れもあります。
(2)友人・同僚
身近な人に話を聞いてほしいけれど、親より友人や同僚の方が気軽に相談ができる、親にも話せないことを言えるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
友人や同僚に相談するメリットとして、相談しやすい、話すことで気持ちを整理できる、同じように不満を抱える仲間に同調してもらえることで気が楽になるという点があげられます。
一方で、友人や同僚はあくまで他人なので、親と違ってあなたを守る必要がなく、専門家のように守秘義務もないため、相談内容が他の友人や同僚に広まるおそれがあります。
(3)メンタルクリニック
メンタルクリニック・心療内科は、専門の医師が気持ちの相談に乗ってくれる病院です。
不倫問題で病院に行くことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、不倫などの家庭問題を扱うメンタルクリニックは少なくありません。
また、不倫の悩みを抱えたままだと、実際に鬱などの病気になる可能性もあります。
不倫で悩んで日常生活がままならない、涙が勝手に出るといった状況にある場合は、医師に相談してみることも検討してください。
(4)役所
不倫で離婚を検討している場合は、各市区町村役場の相談窓口を一度は訪れてみましょう。
福祉課・市民課などの窓口では、未成年の子供がいる一人親世帯を支援する児童扶養手当制度や、シングルマザー・ファーザーが低利息でお金を借りられる母子及び父子福祉資金貸付金の相談などができます。
また税金の優遇措置や、地域によっては好条件で借りられる住居の紹介をしている自治体もあります。
どんな支援制度を利用できるかを離婚前に相談しておくと、親権獲得や離婚後の再スタートに役立つので、ぜひ相談してみてください。
(5)探偵・興信所
夫や妻が不倫・浮気をしているけれど確かな証拠がない状況は辛いものです。
探偵や興信所に相談するメリットとしては、調査の専門家がとことん調べ、それを書面化して報告してくれることです。
ただし、探偵は「探偵業の業務の適正化に関する法律」に基づいて、所轄の警察署長経由で各都道府県公安委員会に届け出を出し、その証拠として「探偵業届出証明書」の交付を受けているところを選びましょう。
また、デメリットとして、費用がかかることがありますが、探偵によってさまざまです。
後述の費用目安をご参考ください。
(6)離婚カウンセラー
離婚カウンセラー(夫婦問題カウンセラー)は、NPO日本家族問題相談連盟が認定する民間資格で、離婚だけでなく夫婦の問題に幅広く対応しています。
離婚カウンセラーに相談するメリットは、夫婦間に不倫という問題があっても離婚を前提としない相談ができること、気持ちの整理がつかない段階でも幅広い相談ができる点です。
反面、相談に費用が掛かるのがデメリットですが、費用目安の詳細は下記をご覧ください。
(7)弁護士
弁護士は、法律問題の専門家です。法律家の中でも全法律問題に対応できる、国家資格を有する法律の専門家です。
離婚することをすでに決めている場合は、離婚の手続き、財産分与や慰謝料が発生する場合の金銭面の対応や、未成年の子どもがいる場合の親権の獲得や養育費の確保など、幅広い相談に対応することができます。
一方で、ご自身でどうしたらいいのかわからない、配偶者が不倫しているかどうかわからないという場合は、相談しても実効性がないと言えるでしょう。
専門家に不倫相談した場合の費用の相場
(1)探偵・興信所の調査費用の相場
探偵・興信所の調査費用は、主に、調査に要する調査員の人数、調査の時間によって変わります。
時間単位で頼むか、調査する日数を決めて頼むか、タイムチャージ制で頼むかによって検討するとよいでしょう。
目安としては、時給12000円以上、日給20万円以上、当初の見積もりから100万円以上を請求される場合は、他の事務所に相見積もりを取ってみることをおすすめします。
相場は以下の金額をご参考ください。
- 時間単位の場合:1時間あたり5,000円~7,000円程度
- 日数別の場合:1日だけ調査を頼む場合:3,000円~1万円程度
- 調査員2名で4日の調査を頼む場合:20万円~50万円程度
- 成功報酬型の場合:証拠が見つかった場合に30万円~60万円程度
(2)離婚カウンセラー費用の相場
離婚カウンセラーは民間資格なので、費用の目安に法規制があるわけではありません。
そのため、団体によっても相談費用はさまざまです。
ここでは、日本でもっとも規模が大きい「岡野あつこの離婚相談救急隊」の相談費用をご紹介します。
- カウンセラーと対面相談1時間まで:11000円
- カウンセラーと対面相談2時間まで:16500円
- カウンセラーと夫婦で対面相談3時間まで:44000円
- 岡野あつこ氏と対面相談1時間まで:33000円
(3)弁護士費用の相場
弁護士にかかる費用は、相談費用、依頼した場合の着手金、日当、実費、成功した場合の成功報酬がそれぞれかかります。
相場は以下の金額をご参考ください。
- 法律相談料:30分5000円+税が目安ですが、初回無料のところも多いです。
- 着手金(弁護士に依頼した時点で支払うお金):不倫問題の場合20万~30万円
- 日当(弁護活動で生じる手数料):出張日当、公判日当など、基準が様々
- 実費(郵送料や交通費など)弁護士が都度計算
- 成功報酬(成果が出たに最後に支払うお金):不倫慰謝料の場合20万円~100万円
不倫の相談費用を安く抑えたい場合の注意点
不倫相談にかかる費用を抑えたい方は多いと思います。しかし、相談費用を安く抑えたい場合に覚えておいていただきたいのが、安いのには安い理由やリスクもあるということです。
例えば、無料相談できる親や友人の場合、親密さゆえに公平なアドバイスがもらえず、問題がかえってこじれるリスクがあります。
なかには、親が介入したために、当初離婚のつもりがなかったのに離婚せざるを得なくなった夫婦や、友人に相談した不倫の相談内容が会社での競争の一手段に利用された人もいます。
また、探偵や弁護士などに相談したり依頼する場合、複数の事務所を見比べて初期費用が安い方を選んだつもりが、タイムチャージがかさんで最終的に高額になったり、成功報酬が高額なケースもあります。
初期費用だけでなく、事件解決に至るまでの見積もりを出して、目先の出費に惑わされないようにご注意ください。
不倫相談を専門家にするメリット・デメリット
不倫相談を専門家に相談するメリットとしては、責任ある回答が期待できること、継続相談ができることがあげられます。
たとえば、医師や弁護士は国家資格保有者で、守秘義務もあり、多くの経験に基づく具体的なアドバイスを受けることができます。
また、医師の場合は状況によっては保険診療を利用することもできますし、離婚後に継続して通院も可能です。
弁護士への相談は、不倫から離婚まで全問題を相談できるので、離婚後の戸籍の問題や受けられる公的支援制度、子供が成人するまで続く養育費の問題など、離婚後の生活サポートのアドバイスを受けることができます。
反対に、不倫相談を専門家にするデメリットとしては、費用がかかることです。
前述のように、初期費用が安くても、トータルで高額になることもあるので、ご自身が望む解決までにいくらかかるか、厳しく見積もりを出して比較検討してみてください。
まとめ
今回は、不倫相談を誰にすべきか、状況別の相談相手や専門家、それぞれかかる費用などをご紹介しました。
専門家への相談は、費用が高いように思えても、不倫だけでなく離婚後の生活の相談もでき、最終的にコストパフォーマンスが高いことも多いのですね。
不倫で慰謝料を請求したい、離婚も検討している等ご自身の気持ちが決まっている方は、まずは法律問題の専門家である弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
初回相談は無料の弁護士や法律事務所も多いので、不倫相談はまずはお気軽にご相談ください。