浮気(不倫)旅行の見抜き方を5つのポイント・注意点を併せて解説
この記事を読んでくださっている方の中には、「夫が出張といって度々外泊しているが本当は不倫旅行なのではないか心配」「妻が友人との旅行に行くが浮気旅行をしているのではないか」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、相手を問い詰めると、開き直られたり夫婦関係がこじれたりするのではないかとご心配な方もいらっしゃると思います。
夫や妻の旅行や外泊が浮気旅行かどうか見抜きたい方、もし本当に不倫旅行していた場合にどう対応したらいいか知りたいという方は少なくありません。そこで今回は、浮気旅行の見抜き方と配偶者が不倫旅行していた場合の対応や注意点についてお話したいと思います。
不倫旅行を見抜くための5つのポイント
夫や妻の旅行が浮気旅行かもしれないと思っても、やみくもに問い詰めるのは得策ではありません。相手が周到に回答を準備していたり、開き直られる恐れもあるからです。ここでは、不倫旅行の言い訳など、よくあるケースから見る見分け方をご紹介します。
(1)浮気旅行に多い3つのアリバイ
不倫旅行をしたときに、夫側、妻側を問わず多いアリバイは「出張」です。職場が異なる夫婦では、お互いの仕事のことを知らないことも多いので、出張といわれると納得せざるを得ない一面があります。
そのほかに多いのが「身内の急病」、そして「友人のトラブル」です。身内といっても、結婚式で顔を合わせた程度の親戚や遠戚だと、配偶者からすると誰かよく分かりませんし、旧友といってもどの程度の関係か知らないケースが大半です。どちらも、本人にとっては大切な人だけれど配偶者には縁遠く、自分も同行するとは言いにくい関係の人、ということができます。これらの人の急病やトラブルの手伝いが不倫旅行のアリバイに使われることは少なくありません。
(2)PCの検索履歴
旅行に行く前は、PCやスマホで行き先を検索したり予約をするのが通常です。特に家族共有のPCがある場合やスマホがある場合はチェックしてみましょう。仕事に関係のない土地の名所やレストランの検索履歴や、「ホテル ダブルルーム」などの履歴が残っている場合は、浮気旅行の可能性が高いといえます。
(3)帰宅後の持ち物に現れる証拠
配偶者が帰宅したら、片づけを手伝うふりをしながら、ホテルやレストランのレシートがないか、服に香水の匂いがついていないか、シャツに女性の髪の毛が付着していないかなど、確認しておくことをおすすめします。
(4)旅行中の不意打ちの電話
相手の出先に不意打ちの電話をしてみて、その際の反応や背後の音は不倫旅行を推察する情報のひとつになります。「体調不良で病院に行くのに子供の面倒を見てほしいから帰りの予定を知りたい」とか「親が急に連絡してきたので行けたら行ってやりたい」など、急用を伝えてその際の反応を見てみましょう。動揺しているか、受け答えが不自然ではないか、背景音が妙にくぐもっていないか、シャワーの音がしていないか等、会話を自然に長引かせながらできるだけ確認しておきましょう。
(5)クレジットカードの利用明細
クレジットカードの明細は、利用の約1か月後に手紙で届いたり、ネットで見ることができます。クレジットの履歴は利用先と金額をチェックしておきましょう。ビジネスホテルに泊まっていたとしても、ダブルルームの料金ではないか、不自然に高級なレストランでカードを切っていないか、出張のはずなのにレンタカーをフルで利用していないかなど、不倫旅行を伺わせる利用がないか、確認してチェックしておくとよいでしょう。
浮気旅行が実際にばれた4つのケース
上記のような不倫旅行のチェックや自身の詰めの甘さによって、浮気旅行がばれたケースをご紹介しましょう。
(1)クレジットカードの明細で浮気旅行がばれた
上記のようにクレジットカードは浮気旅行が露見しやすいツールです。普段の生活で使い慣れている上に、ポイント欲しさに使ってしまったり、不倫相手に細かい現金のやり取りを見せるよりもクレジットカードでスマートな支払いを見せたいなど、色々な思惑が出やすいところです。特に出張中の期間の履歴は注意してみるようにしましょう。
(2)SNSの投稿で浮気旅行がばれた
最近は、SNSの投稿が盛んです。本人は投稿していなくても、特に旅先の写真は浮気相手がアップするケースが多いです。これは不倫相手に目星がついている場合に限られますが、夫や妻と頻繁に連絡をしているような人のSNSはあらかじめチェックをしておくとよいでしょう。フォローまですると相手に気付かれてしまうので、頻繁に投稿を見ておくことをおすすめします。
(3)同僚や友人の裏切りで浮気旅行がばれた
出張や旧友との旅行を不倫旅行のアリバイに利用する人は、同僚や友人にアリバイ作りの協力を求めることが多いです。しかし、相手にとってはしょせん他人事なのでアリバイの内容が曖昧だったり、アリバイ作りに協力させられ苦々しく思っているケースもあります。夫や妻の不倫旅行を疑った配偶者から突然出張に関する質問が来たり、配偶者への不信感を相談されるなどすると、うっかり口を滑らせたり、アリバイ協力していることへの自責の念に堪えられず本当のことを教えてくれるケースもあります。
(4)有名観光地やイベントのノリで浮気旅行がばれた
不倫旅行をばれないように楽しんでいたつもりでも、有名観光地やイベントに遭遇すると、気が緩んでしまうことがあります。実際、箱根駅伝で浮気相手と前面に立って応援したらテレビに映って浮気がばれたとか、有名観光地のロケに映りこんだとか、店で記念写真を撮って店内に貼られ、別の友人が行った際に浮気に気付かれたなどのケースがあります。
不倫・浮気旅行が疑われる場合にやっておくべき3つのこと
(1)不倫の証拠集め
夫や妻の浮気旅行が疑われる場合に、まずやっておくべきなのは「不倫の証拠集め」です。今は具体的にどう対処すべきかが決まっていなくても、後々の選択に役立ちます。なお、「不倫の証拠」とは、肉体関係(不貞行為)があったことを示す証拠のことです。夫婦当事者で「キスから不倫」「旅行して何もなくても浮気」というのは構わないのですが、もし相手と揉めて慰謝料請求や離婚を裁判で争う場合は、法律上の不倫である「不貞行為」の関係にあることが必要だからです。
(2)夫婦の財産の状況調べ
不倫旅行が真実だった場合に、後々離婚したくなることもあるかもしれません。離婚する際は「財産分与」といって、結婚中に築いた財産を折半するのが決まりです。財産分与をする際は、夫婦で築いた財産がどの程度あるか、ローンなどのマイナスの財産も含めて把握しておく必要があります。預貯金なども、相手に離婚をつたえてから勝手に出金して使われたりしないようにあらかじめ把握しておくことをおすすめします。
(3)離婚したくなった場合の下調べ
結婚中に夫婦の双方が稼いでいた、実家の強力な援助がある、財産に困らないなど、離婚後の生活に不安がない方は問題ありませんが、専業主婦(主夫)や、パート収入がわずかしかない方などは、離婚後の生活の見通しを立てておくことが大切です。特に、収入と住居の確保は離婚前にあらかじめ十分に考えておきましょう。
というのも、離婚後収入が不安定で保証人も用意できない場合は、新たに部屋を借りることも難しいのが実情だからです。頼れる身内がいる場合は事前に相談する、市区町村などの公的支援制度を調べたり相談に行っておくなどの対策を取って下調べしておきましょう。
不倫旅行かもしれないと思ってもやってはいけないこと
夫や妻が不倫旅行をしているかもしれないと思うと、とにかく証拠を集めて白黒はっきりさせたいと思う方もいるかもしれません。不倫の証拠集めは前述のように重要ですが、その際に気を付けるべきこと、やってはいけないことがあります。
(1)暴行、脅迫など
不倫旅行の証拠を得ようとして、夫や妻、又は不倫相手と思しき相手を脅す、殴るなどしては絶対にいけません。ご自身が逆に逮捕される恐れもありますし、暴行や脅迫によって入手した証拠で不倫旅行の事実が明らかになったとしても、裁判では証拠として認められません。
(2)盗みなど
暴行、脅迫と同様、盗みもやってはいけない犯罪行為です。配偶者のスマホを盗む、財布を盗んで中身を調べるなどした場合は、証拠があっても認められないのが実務の運用です。
(3)プライバシー権の侵害
上記で、PCの履歴などから不倫旅行の痕跡を調べることの有効性をお話しましたが、相手のメールを覗き見るなどプライバシーを侵害する行為はやってはいけません。メールの中に不倫旅行の証拠があったとしても、裁判ではプライバシーの侵害に当たるとして証拠として認められない可能性がありますし、反対にご自身が損害賠償を請求される恐れもあります。
(4)データを全コピーすること
メールやSNSのやり取りは、当事者だけが見ることができるものとして信書と同じ扱いをうけるのが原則です。配偶者と不倫相手のメールなどのやり取りを全コピーするような行為は、プライバシーの侵害にあたるのは勿論、信書開封罪と同じように犯罪として扱われる危険もあります。不倫旅行の証拠があっても証拠として認められない恐れが高いので、やらないようにご注意ください。
実際に不倫旅行していた場合の対処法
(1)何もなかったことにして放置する
夫や妻が実際に不倫旅行をしていたとしても、何らかのアクションをすぐに起こさなければいけないわけではありません。何もせずに、事態を静観するのも一つの対処方法です。ただ、不倫の時効は3年で、最後に不倫(不貞行為)をしたときから3年が経過すると、それ以降の慰謝料請求などはできないのが原則です。今すぐ行動を起こさなくても構いませんが、今後アクションを起こしたくなった場合に備えて、不倫の証拠集めだけはやっておきましょう。
(2)話しあう
不倫旅行の事実を知ったことを夫や妻に伝え、話し合うことも一つの方法です。離婚するかしないか、慰謝料を請求するかしないか、離婚しないにしても今後どうするかなどを話し合いましょう。慰謝料請求は、不倫、つまり不貞行為があった場合に、不倫をされた側が、した配偶者とその不倫相手にすることができます。離婚しなくても慰謝料を請求したり、不倫相手にだけ慰謝料を請求することもできます。
慰謝料の金額に決まりはありませんが、不倫が原因で別居・離婚しない場合の慰謝料は数十~100万円程度、離婚する場合は100~300万円程度というのが目安です。
(3)離婚する
不倫(不貞行為)は、夫婦の間で離婚が合意できない場合には裁判で離婚をすることができる離婚原因のひとつです。これを「法定離婚事由」といいます。離婚の際には、夫婦ともに離婚に納得して合意すれば、離婚届けを役所に出すことで成立します。
離婚する際は、慰謝料の額や財産分与、未成年の子供がいる場合の親権者や養育費についても決めておきます。夫婦が合意した内容は「離婚協議書」という書面にまとめ、さらに公証役場で「強制執行認諾付きの交渉証書」にしておくと、万が一相手の支払いが滞った場合にも相手の財産から回収できるので安心です。
しかし、当事者で合意できない場合は、第三者を入れて調停を行い、それでも合意できない場合は離婚審判で裁判官が話し合いを進め、それでも不服がある場合は離婚裁判によって強制的に離婚の可否や条件が決められます。調停離婚は長くても3カ月程度で終割ることが大半ですが、離婚裁判になると半年から2年以上かかることもあるので長い目で取り組みましょう。
まとめ
今回は、浮気旅行を見分ける方法やアリバイ、不倫旅行が明らかだった場合の対処方法について解説しました。思い当ることがあり不安になった方もいるかもしれませんが、不倫が発覚してどうしたらいいかわからない場合は、夫婦の問題の専門家である弁護士にお気軽にご相談ください。弁護士なら、当事者の代理人として代わりに不倫をした配偶者や不倫相手と交渉できますし、慰謝料請求なども効果的に行ってもらうことができます。また、もめて裁判になった場合は代わりに出廷してもらえるので、仕事への影響も抑えることができます。
夫や妻の不倫旅行でお悩みの方は、夫婦問題や不貞問題に強い弁護士にまずはお気軽にご相談ください。